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遺伝子ワクチン DNA→mRNAから心筋梗塞を発症した。 なぜ?

こんばんは。今日の症例は、初回にアストラゼネカの ChAdOx1 ワクチン (DNAベクターワクチン)を接種し、2か月後にファイザーの mRNAワクチン BNT162b2 を接種し、それから2か月後に急性心筋梗塞で亡くなられた55才女性です。この病態は2回のワクチン接種がどちらも影響していたようです。それでは、標本を見ていきましょう

症例

動脈の粥状硬化症で見られるプラーク破裂は無し。しかし、心臓の右冠動脈(RCA)が血栓による閉塞が原因で、急性心筋梗塞を起こしました。写真1Aの①が右冠動脈(RCA)の血栓です。右冠動脈壁には粥状硬化症も見られます、②や脂質沈着があります。粥状硬化症とは別に、動脈壁にリンパ球が浸潤している③。動脈外周にリンパ球が浸潤している④

Fig 1A

この右冠動脈(RCA)の中膜を拡大した写真1Bを示します。青い矢印はリンパ球で、赤い矢印は組織球です。動脈炎が存在します

Fig1B

次に写真1Aの4は右冠動脈(RCA)の外周です。写真1Aの4の拡大を上げると多数のリンパ球1が、微小血管2のまわりに存在します。3は脂肪組織です

Fig 1C

Fig 1Cの微小血管をCD4またはCD8で免疫染色して拡大した写真がFig2 とFig3です。CD4陽性のT細胞が多数、CD8陽性のT細胞も存在します。したがって免疫介在性の血管炎をおこしています

上がFig 2、下がFig 3

この動脈炎の部位をSARS-CoV-2のスパイク蛋白に対する抗体で染色すると、茶色のドット状に陽性になりました Fig 5

Fig 5

しかし、SARS-CoV-2のヌクレオカプシドに対する抗体で染色しても染まりません Fig 6。したがって、スパイク蛋白はワクチン由来と考えられました

ところで、心筋炎もありましたFig 11A。心筋の間にリンパ球が存在します。また心筋の間が広く線維化していて、今回の急性心筋梗塞をおこすよりも数週間以上前から心筋に炎症があったと考えられました

Fig 11A

心筋の中をとおっている微小血管を免疫染色した結果、血管内皮細胞にスパイク蛋白が存在しました Fig 13。しかしヌクレオカプチド抗原は染色されませんでした Fig 14

上がFig13。下がFig 14

このほかに血小板の活性化様式の新しい血栓形成を伴うと著者は指摘していますが、まだプレプリントのため説明は省略しました

症例のまとめ

死因は右冠動脈に血栓ができたことによる急性心筋梗塞です。血栓ができる背景に基礎疾患として粥状硬化症があり、追加にリンパ球性心筋炎と、血管にワクチン由来スパイク蛋白が存在することでの免疫介在性血管炎、血小板活性化を伴う多発微小血栓形成がありました

総括


総括として、DNAワクチンとmRNAワクチンの両方が影響していると推測されました

ブログに論文の結果全てを載せてあります↓


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