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精神科専門医試験【筆記対策】まとめノートVol.3

【精神科専門医対策】
重要なポイントを箇条書きでまとめています。過去問を解く時間が十分になくても、重要なポイントをきっちりおさえておけば合格点には到達できます(もちろん医師である以上はしっかり勉強することが望ましいのですが…)。このnoteを試験前に反復して眺めることで知識を定着させましょう*

※主にカプランや過去問集などを参考に知識を整理しましたが、あくまで一個人がまとめたものであり、記載内容の全てが正しいと保証できるものではありません。その点をご了承いただける方のみご購入をお願い致します。

■児童思春期

★乳幼児の発達段階(マーラーの分離-個体化理論)
①正常な自閉期(0~1ヶ月)
乳児は母親との一体感の中で生存し、自分の内部-外部や自己-他者の識別はない。母親の胎内の延長線上のような状態。
②正常な共生期(2~5ヶ月)
乳児は空腹や苦痛などの緊張を生じる事態に対し、それらが外から来るもの か、自己の内部から生じるものかについての区別が漠然とついてきて、母親
とは1つの共通の境界を持つ共生状態となる。この時期には、乳児は母親と
2人で1個体であるという幻想を抱いている。
③分離・個体化期(5~36ヶ月)→★両価性はこの時期に生じる
<分化期(5-10ヶ月)>
神経系統や筋力の発達により、母親への身体的依存が弱まる時期。この時期には首が据わることで周りを見渡し、目や手、口を使って周囲を探索することができるようになる。こうした探索の中で、乳児は母親と母親でないものを識別するようになり、母親というものが特定の対象として認識できるようになると、人見知り不安を生じる。
<練習期(10-16ヶ月)>
身体が飛躍的に発達する時期。乳児は母親の足元を離れて世界を探索できる力を手に入れるが、探索が終わると母の元へ戻り、母親があたかもエネルギーを補給する安全基地のような機能を果たす。この時期は常に母親の存在を基盤としつつ能動的に外界へ関わることを繰り返し、内界に自己像が分化し始めると共に、依存対象としての母親が形成され始める。
<再接近期(16-25ヶ月)>
幼児の身体発達がますます進み、母親から自由に離れることができるようになるが、こうした物理的な分離と心理的な分離の発達のずれにより、分離不安が強く生じる。幼児は自律的に振る舞いたい気持ちと、母との密な関係に戻りたいという両価性を抱き、万能感の喪失や母に見捨てられるという不安に駆られる。そして、こうした危機的状況に母親が情緒的に応答することで、安定した自己像と他者像の分化が進み、内界と外界の区別がなされていく。
<対象恒常性の萌芽期>
 (2-3歳/個体化の確立・情緒的対象恒常性)
言語能力の獲得や現実検討力の発達が進む。精神内界においては、自己と対象の区別がしっかりとつき、自我境界が確立される。そして、依存対象としての母親イメージが心の中に永続的に保有できるようになることで、母親が不在であっても、情緒的に安定していられることができるようになる。言い換えると、心の中に対象が恒常的に保持されるということ。こうして、乳幼児は母との分離を果たし、対象恒常性を内界に確立することとなる。

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