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中村哲医師メモリアルアーカイブについて

中村哲先生記念講座でTAを務めておりますM.D.です。今回は九州大学伊都キャンパスにある中村哲医師メモリアルアーカイブについて、設置に携わらせて頂いた私M.D.とO.I.の共同執筆にて紹介させていただきたいと思います。

(1)中村哲医師メモリアルアーカイブとは?
九州大学が卒業生である中村先生の志やメッセージを後世に残す為に行っている「中村哲医師プロジェクト」の一環です。中村先生の歩みをグラフィックや映像で、先生の著作や言葉と共に展示するスペースが大学図書館内に設立されました。

(2)設置場所は?
九州大学中央図書館4階、きゅうとコモンズ内です。きゅうとコモンズは学生や先生方が図書館内でグループワークなどがしやすい様に設置された声の出せるスペースで、現在は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から閉鎖されていいますが、学外の方もいずれは見学も出来る様になる予定です。


(3)設置までの経緯
中村先生のメモリアルアーカイブを作成する際に学生視点で中村哲先生の印象的な言葉を先生の著作から選んでみないかというお誘いを、メモリアルアーカイブ設立を主導された芸術工学府の池田先生より受けて各々様々な想いを持つ色々な学部学年の学生が集まりました。学年は学部1年生から博士課程の学生まで、学部は中村哲先生の後輩である医学部から共創学部、土木に関する知識を持つ工学部、そして農学部など、意図していなかったにもかかわらず非常に様々なメンバーが集まりました。その学生メンバーと九州大学芸術工学府池田先生で半年ほどミーティングを重ねて、言葉の意味合いは勿論、その背景や展示された時の視覚効果も考慮して学生各々が選ぶ中村先生の印象的な言葉を選出、展示させていただきました。


(4)どの様な空間なのか
メモリアルアーカイブが設置されているきゅうとコモンズは、図書館の中にありながら学生が声を出して意見を交わし合う事のできる空間です。普段は学生セミナーが開かれたり学生が勉強を教え合う場として活用されてきました。
メモリアルアーカイブはその中にありながら、学生の目に止まるように、そして目に止まった時に中村先生に興味を持ってもらい、少しでも中村先生の事を多くの人に知ってもらえるようにと設置されました。この小さな空間体験は、1.中村哲先生自らの「言葉」と「視点」の”「一人称」のメッセージ”、2共感を呼び起こす世界への拡がりへの出発点である”「拡がり」への出発点”、3「医」「水」「農」をキーワードとする知的世界への探求の入口としての役目を持つ”「探求」へのエントランス”をコンセプトとして構成されています。
中村先生の映像やグラフィックも、九州大学芸術工学府全面協力のもと、立ち位置、著作の置き場所まで考えた、中村先生の歩みへのアクセシビリティを高めた空間になっています。


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見出し画像にもなっておりますこちらがメモリアルアーカイブの全景です。左の白いスクリーンに映像が映し出されます。右に見える柱に中村先生の歩みを年表形式で展示しております。

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「中村先生の言葉」に対する学生の思いを記載したパンフレットと、中村先生の著作を展示しています。パンフレットは持ち帰る事が可能です。

コロナ禍が終息した暁には、1人でも多くの方にメモリアルアーカイブに足を運んでいただき、中村先生の事を知る方が増えたらいいなと思います。

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