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推しがいきなり公式グッズにになった。

限界文字書きを見張るドンモモタロウ

ことの始まりは先日、私が作業中の原稿相手に白旗を上げ、もう色々と諦めて「ねるねるねるね(ソーダあじ)」をねるねるしていた時だった。

「ヒエール閣下のアクキー出そうですよ」

と、フォロワーさんからリプライを頂いた。

いきなり宣伝告知のような形になって申し訳ないが、ここ数ヶ月の私は7月30日に開催される夢創作オンリーウェブイベント「ジュゲムジュゲ夢」に参加するため、毎日毎日時間があれば夢小説を書く作業に打ち込んでいた。
そのため必然的に夢女活動オンリーのサブ垢に籠もり、ジョコマンを崇拝し、悪役を愛するメインアカウントの「クランケ友太郎」にはあまり顔を出せていなかったと思う。

たまーに原稿の息抜きでねるねるねるねを食べる時の写真をアップしていた程度になっていたその時、親切なフォロワーさんが教えてくださったのだ。

「ヒエール閣下のアクキー出そうですよ」と。

池袋サンシャインにオープンするショップは「シネマパレード」という名前の通り、劇場版限定のゲストキャラやヒロイン、悪役にもスポットライトを当てたコンセプトらしい。

フォロワーさんから教えてもらった公式アカウントでの商品告知、その写真にはなんと金矛のダークさま、ハイグレ魔王さまに、なんとパラダイスキングさままでいるじゃないですか!

劇場版の戦う格好良いおねいさんや、可愛いヒロインちゃんがアクキーになるのは理解できるが、まさか悪役キャラ単体でグッズになるのか……!?

正直信じることができず、ずっと宇宙ネコのような顔をすることぐらいしかできなかった。

しかし7月10日、公式アカウントが私へトドメを刺しにきた。

「映画キャラのアクキーコーナーをチラッとお見せします」

というツイートと一緒にアップされた写真――ずらりと並ぶアクキー棚の中に、「あいつ」は本当にそこにいた。


は????????


30世紀から来た未来人、親愛なるヒエール・ジョコマン大統領閣下さまが!!

嘘かと思った。見間違いかと思った。毎日顔にかけているこの眼鏡がいきなりぶっ壊れたかと思った。

でも何度見ても、確認しても、あいつは吹雪丸くんの隣に並んでいるのだ!

あまりの事態に思わず10年以上の付き合いがある友人に報告したところ、そもそも現実かどうか疑われた。
当たり前の反応だと思う。

なぜジョコマンが吹雪丸くんと一緒にアクキーになったの……?
吹雪丸くんとリング、吹雪丸くんとタスケテケスタでカエルになった時のしんちゃん、という組み合わせだったら「おっ、可愛いねぇ!」で済むんですよ。

なんでジョコマンでアクキー作ったの???

ジョコマンのアクキーとかいう謎グッズを自費で作った前科があり、公式から出た団羅座也さんのポーチにジョコマンの会見シーンを印刷したやつをねじ込み、PCの前に飾っている信者としても急展開すぎてついていけないこの現状に、メンタルに、とりあえずまずは財布と金を用意し、池袋へ乗り込んでいくための準備をするしかなかった。

しかし今の私は今月末のイベントに向けて夢小説を書かなきゃいけない。
(想定)15か16万字越えそうな長編はちょうど今、前々からずっと書きたかった鬱描写を嫌になるほど書かねばならぬ重たいシーンに入っていたのだ。

29歳、物腰柔らかで大人しく、内気で潔癖症で難儀する不健康な教師を推しながら鬱描写を織り交ぜた原稿を進めつつ、30世紀からいきなり来ては20世紀を支配したジェントルマンだの大統領閣下だの、訳の分からない電波を自称するサイコ野郎を同時に推すなんて温度差がやばくて体ちぎれそうになっていた。

だからといって買わないわけにはいかない。

おまけに私はオトナ帝国の悪役ケンと、ヒエール・ジョコマン、「ケンヒエ」という(NOT恋愛)組み合わせに勝手に狂っている人間――なにがなんでも絶対にふたりは確保したく、ここ数日はずっと原稿するため引きこもっていた体に気合とムチを入れ、午前中の内には現地へ到着することができた。

到着してみるとかなり賑わっており、入場するために並んだ列の中でひとり、「開店してすぐ来れたわけじゃないし、ジョコマンのアクキー、売り切れたりしてないかな……」などと思った。
杞憂にもほどがある。

時間つぶしに原稿の誤字チェックをしつつ入場列で10分か、20分ほど待ち、スタッフさんに案内されてようやくショッピングエリアに入った。

私は普段、あまりグッズをたくさん買い込むタイプではない。
そもそも推しがグッズになって出てくれるジャンルに沼ることが少ないのだ。

だから今回のように推し目当てでオタク買い物をする機会というのがなかなかなく、本当にわくわくと浮ついた気持ちでアクキー陳列棚を眺めるだけでもう最高だった。

そして(なぜか)ちゃんとジョコマンも棚に並んでいるのだから、これはもう嬉しさを通り越して命の危機を感じた。

「ひとり1種類3つまで」というポップに従い、私はなにも躊躇うことなくジョコマンとケンのアクキーを3つずつ確保した。

自身のツイートを遡ると、「雲黒斎の野望」を初見したのは2016年、1月12日のことらしい。

運命の一目惚れだ、と言っても過言でないほどの衝撃を受け、彼の独特で奇っ怪なセンス、人間性、様々なことを知ろうと追いかけてきた中で、私はクレヨンしんちゃん好きが集まるオフ会に参加し始め、スマホや身の周りの物、ネイルをピンクと緑、「ジョコマンカラー」にしようとこだわり抜いた。

スマホに貼るカバーシールは原宿で作った。

そうして何年全力で推そうが、相変わらず謎に包まれたままのイカれた未来人を追いかける内、その中でたまたま出会ったクレしんファンの方と良い縁が生まれ、結婚した。

2016年から2022年。
自由気ままに時代を旅し、思いつきで歴史までいじってしまうような未来人からすれば、これはあんまりにも短すぎる退屈な期間かもしれない。

それでも私はひたすらお前を追い、仕事が変わろうが、入院しようが、引っ越そうが結婚しようが、原稿に追われてようが家を飛び出し、真っ先にお前をお迎えしに行くぐらい人生を、感情を狂わされているんだ。

今までがむしゃらに突っ走ってたこの衝動が、公式がアクキーという商品としてジョコマンを出すことを選んでくれた、という事実に感動して泣いている。

公式グッズ化、本当におめでとうジョコマン。

あなたという中身も見た目も奇っ怪で訳の分からない人間。それが、子どものような気ままさで捻じ曲げ作る歴史に魅せられた人間のひとりとして、こんなに心から嬉しいことはありません。

改めてショップの開店を教えてくださった優しいフォロワーさん、私のジョコマン語りやイラストに反応してくださる方たち、そして、今回グッズ展開のキャラ選をしてくださった運営の方々――本当に感謝申し上げます。

原稿落ち着いたらまたシネパレ行きたいな……。

まったくジャンル違うし、隙きあらば宣伝で申し訳ないですが、7月30日開催される夢創作オンリーウェブイベントに出ます!
以下よろしくお願いしたします!

全話無料公開ですぞ。


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