見出し画像

時限爆弾の作り方

ソリッドなブルースカイを真っ赤に染めたいと思ったその日、俺は時限爆弾になることを決意した。

ところで諸君は、人間が時限爆弾になることなんてできないと思うかもしれない。あるいは、先ほどの俺の言葉はなんらかの比喩であると考えるかもしれない。否。文字通り時限爆弾になることは可能なのだ。

方法は実に簡単。タウンワークを見れば、様々な現場で時限爆弾を募集していることがわかる。そこで俺は、募集欄に書いてあった電話番号に電話し、新宿の雑居ビルで面接を行うことになった。

「幻想は全部高校時代においてきました。」

「つまり君は、無神論者なのかね?」

「とらえようによってはそうですが、積極的な無神論者ではありません。」

「ほう。」

「なあああああああああああああああああああああああ!」

「採用だ。」

今のやりとりの理解ができない愚昧な諸君にお教えしよう。何処かのタイミングで、爆発することが、面接では求められているのだ。そして、爆発のタイミング、独創性を審査され一定基準を満たせば、晴れて時限爆弾になれる。

一週間後、俺は、飛行機に乗っていた。ボーイング社製のジャンボジェットだ。実は、飛行機に乗り込む前に機長のシャワーを同期の連中と覗いてきた。それは、それは見事な肉体美だったよ。

と言うことで、この放送を聴いている諸君。俺は、まもなく爆発する。華麗なる爆発をゼロ距離で目撃できるのは、この宇宙の138億年の歴史のなかで諸君が最初で最後だ。さあ、みなさんご一緒に!

なああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!

***


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?