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うさぎさんの赤色尿

今回はうさぎさんの尿についてのお話をしていきます。


うさぎさんに赤い尿が見られたら?

主に3つのことが考えられます。
特に何も異常が無く健康な場合
泌尿器系(主に膀胱)に問題がある場合
生殖器系(主に子宮)に問題がある場合

の3つです。

うさぎさんの尿路は、尿の通り道が途中で膣に合流するので、最終的に出てきた尿にトラブルが生じていた場合は、
泌尿器系もしくは生殖器に異常があることになります。

健康な子に見られる赤い尿

うさぎさんは、正常でも赤い尿をします。
これは、うさぎさんの尿にポルフィリンという、色素が含まれているためです。

オレンジ〜赤っぽく、時間が経つと茶色っぽい色になります。
尿全体その色素の色になるので、一部に鮮血が混ざっている、のような見た目にはなりません。

ポルフィリン尿は、血液が含まれている訳では無いため、血尿ではありません。
そのため、見た目が赤色でも尿検査を行えば、血尿では無いことがわかります。

おしっこの色が赤いな、不安だな、と思ったら、動物病院で赤い尿を検査をしてもらえば、病気かどうか判別できます。

尿をとる事が難しい場合は、赤い尿をした写真を撮るか、ペットシーツを持参して動物病院に行ってみると良いでしょう☺️

獣医師でも見た目やお話だけで判断するのは厳しいですが、実際にものがあればまた少し参考になります💡

ポルフィリン尿の場合は、それがそのうさぎさんの正常の尿の色になるので、
食べる野菜の種類によって多少は変化しますが、大体いつも同じような色の尿をします。


膀胱炎に見られる赤い尿

うさぎさんは、膀胱に石が出来やすい動物です。

うさぎさんは、特殊なカルシウム代謝を持っており、私たちヒトや、わんちゃん、猫ちゃんよりも、カルシウムを効率よく吸収し、尿路に多く排泄する形態をとるためです。

そのため、出来る結石も、
炭酸カルシウムや、シュウ酸カルシウム
といった、カルシウムを含む結石になります。
これらの結石は一度出来ると、溶けません

膀胱内に石ができると、膀胱が収縮する度に、石が膀胱の粘膜を傷つけるために、膀胱炎となり、血尿も出ます。

尿路のトラブルの場合は、改善するまで血尿が連続して出ますただし、血尿であったとしても、見た目に赤いと見える場合と、見えずに潜血として存在する場合があります。

出血量が多いと赤く見え、少ないと赤く見えなくなります。

膀胱炎を併発しているため、
頻尿になったり、陰部が濡れていたりすることが多いです。濡れた陰部を気にして舐めることもあります。

トイレで踏ん張っているけど少ししか尿が出ていない場合、
おしっこのポーズをとる回数が急激に増えた場合、
いつも決まった場所でしていたのにトイレに間に合わなくなった場合
などは、要注意です⚠️

石がある場合は、レントゲンを撮ってもらえば、一目で分かります。
怪しいな〜と思ったら、動物病院を受診してみて下さい👩‍⚕️💉

一度出来た結石に関して、治療法は手術で摘出する他、ありません
つまり、治療するかしないか、の二択になります🤔


補足として、結石ができる前の状態として、白く白濁した尿を出すことがあります。
これは、結石の材料になるカルシウムが尿中に多く排泄されている状態です。

うさぎさんは、元々カルシウムを尿中に多く排泄するので、カルシウム尿が見られること自体は異常ではありません
ですが、今後石が出来る可能性が高いことを示していますので、注意が必要です。

白っぽい泥のようなものが、尿に混ざっていた場合は、
小松菜のようなカルシウムを多く含む野菜をあげるのを控えたり
普段あげているペレットをカルシウム含量の低いものに変えてみたりすると良いでしょう☺️


子宮の病気に見られる赤い尿

女の子限定になりますが、避妊手術をされていない子には是非知っておいて欲しい病気が子宮の病気です。

うさぎさんは、非常に子宮の病気になりやすく、
8-9歳を迎える頃には100%、子宮に何らかの異常を抱えると断言してある本も多いほどです🥲

早い子であれば2-3歳くらい若い頃から、トラブルを抱えることも少なくはありません。

今回は血尿が見られる病気のひとつとして、子宮の病気を紹介しますが、
子宮にトラブルを抱えていても、20%くらいの割合で、飼い主様が見た目にわかる血尿の症状が見られないこともあります。

子宮=血尿と考えることはせず、未避妊の場合は5歳を超えたあたりから定期的にレントゲン等でチェックして貰うことをオススメします。

さて、子宮のトラブルに関した血尿では、
子宮〜膣の出口が尿道の通り道の最後の方にあるので、全体的に赤い尿というよりも、部分的に赤色を示すことが多いです。

さらに、子宮の出口には子宮頸管という構造があり、この場所がキュッと閉じたり開いたりすることから、
血尿が出たり出なかったりすることが多いです。

膀胱炎のように陰部が常に濡れていることはありませんが、陰部を気にして舐めるような仕草をとることはあります。

子宮にトラブルが発生した場合、結石と同様に、
治療法は手術で子宮(と卵巣)を摘出する他、ありません

治療するかしないか、の選択に迫られると思いますが、もし、ご家庭のうさぎさんが10歳を超えないような子である場合は、手術することを強くおすすめします

うさぎさんの子宮のトラブルは何かと言えば、子宮の腫瘍もしくは、その前段階になります。
良性と悪性の両方がありますが、摘出するまでその判別はできず、悪性のものが一番多いと言われています。

腫瘍が悪性であった場合、肺やリンパ節、肝臓などに転移が見られることがあります。
また、良性であった場合にも、大きくなった子宮が腸を圧迫してうっ滞に繋がることがあります。

転移が見られた場合は、手術は適応外になりますし、うっ滞に際して、食欲不振が長い場合は、手術や術後に耐えられる体力が足りないこともあります。
子宮からの連続的な出血により、貧血になる子も多く見られます。貧血も改善するまでは、手術に踏み切ることが難しいです。


年齢が高齢である場合など、手術を迷うところではあるかとは思いますが、
迷っている時間がうさぎさんにとっても、飼い主様にとっても、辛い結果を招くことがあります。
手術するのか、それとも病気と付き合って行くのか、
愛するうさぎさんたちと話し合って決めてくださいね🐇🌙.*·̩͙

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