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大好きな女の子。

仲良くなる前から、言葉が秀悦で綺麗な羅列をする子だと思っていた。ふとこの世の穢れた言葉を耳に入れて欲しくないなと思うくらいには、綺麗な言葉をよく知っている子だった。

君と仲良くなった時は、景色の良い丘に1輪の真っ白な花が咲いていて、どうにもこうにも惹き付けられたようなそんな感覚だった。
普遍的なことではあるが、どの花よりも色が一際透き通った白色だから、花びらひとつもかけずに美しい形で凛としているから惹かれたのだろうな。これからずっと眺めていようと固く決意するくらいには、君の全てに惹かれたよ。

私女の子として生きていくのとても嫌だった。気づいたら恋愛にもみくちゃになって、周りを見渡したら手を繋いでいた女の子は私の手を切り落として消えてた。メイクしてる時ではなく、誰にも見せたくない素顔のように、時には悲しいほどの傷まみれになる私だから、そんな傷まみれの状態で現実を生きるのが億劫だった。夜になると画面に向き合って1人泣いてしまうことが多かった。この世に私しかいないと錯覚するくらい寂しかった。

でも唯一、私もだよってなんの前触れもなく私のために自分の素顔を見せてくれたのが君だったよ。君はいつも休みの日に部屋に射し込む光のような温かさがあって、泳ぎが得意じゃない私のためのビート板のような、この世につなぎとめておくための命綱のような、そんな存在になった。
私の泥のような気持ちが私を湯船に沈めても、君は私の泥を優しく落としてくれるの。
今では君と同じ性別、君に近づく汚らわしい人種とは違って1歩近い所で君に触れられるから、女の子ということが誇らしいの。

仲良くなってから分かったことは、仲良くなる前に感じていた綺麗な言葉をよく知っているなという印象は半分正解で半分嘘だったということ。君は綺麗な言葉と同等に人間の汚い所、世の中の汚いものも色々知っていた。君は君なりに何が綺麗で何が汚いのかを明確にして言葉を選んでいた。自分がそれに染まらないように、自分が自分であるために仕分けができる強さを君は持っていた。気づいた時にはさらに君のこと好きになったよ。

時間が経てば経つほど君は私がちゃんと地に足をつけて呼吸ができる理由になった。君のおかげで息がしやすいの。
君がある日打ち明けてくれたこと、遊ぼうって言ってくれたこと、全てが私たちが手を取り合うための引き金だったんだと思うよ。今でさえこんな大切なんだから、どれだけ歳をとっても私にとっての大事な人なんだからね。一緒におせんべいとか縁側で食べたいね。

2人して21歳になったね。同じ月に生まれたのがまるで運命かのように、これからも手を取り合って歳をとれるから、これから私が君の手を離すことは一切ないから。どうか君も私の手を切り落とさないでくれたらいいな。

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