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君がいなくても

君と話さなくなってから随分と時間が経った。
歌を失った歌うたいのように
空っぽで生きていく覚悟をしていた。
こんな真っ暗闇の中で息継ぎも出来ない私が
君を失ってからの毎日どう生きていけばいいのか
さっぱり分からなかった。

でも不思議と、難なく1ヶ月を生きた。
空っぽながらに私は生きるのが上手で
一定の人だけに渡したフィルターを通さないと
アザも傷も見れないような、
そんな取り繕い方を私はできる。らしい。

ねえ、私さ、ここ最近はね
恋愛映画のエンドロールが終わって、主人公のちょっとしたおまけのような、その後の生活のような生き方をしていたと思うよ。
傍から見たら充実してそうだったろうけど、
本当は傷を癒すために自分を撫でてあげるような、暖かい毎日を過ごそうと必死だった。
私疲れたよ綺麗に生きるの。

今まで失恋した主人公のその後って、みんなグダグダに項垂れてる子なんて居なかったけど、
皆必死に取り繕って生きてたんだろうなって、
出会いには別れがあるなんて言葉今までピンと来なかったんだけど、
出会った時点でその後の選択肢に別れが追加されちゃうんだなって、
最近ようやくわかったんだよ。


出会った時点で、エンドロールには君の名前が入ってしまう。
出演は私と君2人だけで、幸せになるか否かも2人の運命だったのに幸せになれないことなんてあるんだって。不思議だよね。
君がいなくても、私は生きるしかないけどさ
もし君に続編が出来たら、ハッピーエンドだったら、私また泣いちゃうんだよきっと。

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