メモ「働かない世界へのロードマップ」
LLMと生成AIの普及によって過去にない大規模な失業が発生する。
LLMで自然言語による依頼を解釈し、生成AIで依頼に合わせたデータを作成する、という流れを人間の作業とQCD(Quality, Cost, Delivery)で比較した場合、CostとDeliveryで圧倒的に優れている。
低いQualityはいくつも案を作って比較したり、デメリットをCostやDeliveryの効率化で生んだ余剰力で吸収することが可能である。
Qualityが絶対的に要求されるごく一部の仕事以外は、CostとDeliveryのメリットが優先されるようになる。
社会が不安定化する。
これまでデジタルデータを出力して対価を得ていた人々が、介護、建築、物流といったエッセンシャルワーカーへの職業転換を余儀なくされる。
その職業転換で不満を持つ者が多数生まれる。
不満の矛先が資産家となる。
トマ・ピケティ『21世紀の資本』
「安定した社会化においては資産それ自体の再生産性が才能や努力、運といった要素よりもより有力な格差の要素となる」→「今のこの格差はただその家に生まれついただけ」
この正誤は関係ない。人間は自分が変わらずに済み、かつ状況がよくなる理屈を採用する。つまり、自己責任論や共同体への奉仕という旧来のくびきを無効化する理論を手に入れてしまっている。
持てる者への脅迫「生まれだけで手にしたその資産を開放しますか? それともその人生を物理的に終了しますか?」という再分配の圧力が発生する。
資産家たちは自分たちの富と力を再分配することに抵抗する。
核融合発電後の世界が現実のものとして語られるようになる。
2023/5/10 ヘリオンエナジー社とマイクロソフト社の売電契約。
5年後にヘリオンエナジー社はマイクロソフト社に対して核融合発電によって生み出した電力を売る、という「違約金つきの」契約を締結した。
核融合発電を「永遠の30年後の技術」から実現される未来へとみなす意識の変換が起きた。
核融合発電が実用化されればリソース問題は解決されるか?
水は海水から無尽蔵に手に入る。
窒素は大気から無尽蔵に手に入る。
石油は利用済プラスチックから生成できる。
いけるのでは?
現在の世界が1億を持てる者と1しか持たない者の格差社会とすれば、やってくるのはすべての人間が1兆なり1京なりを持てるようになる世界である。もうリソース分配に悩む必要はない。
電力が、大気や日光のようにありふれている世界を想像してみよう。
いま、誰が大気や日光をあくせくため込んでいるだろうか?
資産家への脅迫「今のその格差にしがみついたまま、人々の憎悪、生命の危険とともに新しい世界を迎えるのですか? 手に持っているそれを手放して名誉と共に迎えるのですか?」
結論:大失業はリソースの再分配でしのぎ、核融合発電によるエネルギー革命を待つ方針でいけるんじゃないの?
そうなったらいいね!
そのために必要なこと
リソースの再分配をうながすため、適度に社会を不安定化すること。先の見えない忍従に意味はない。
核融合発電が実用化されたらもうリソース問題は生まれない、と無邪気に信じること。
核融合発電により電力が無尽蔵になった世界をうまくイメージできていなければ、リソースを独占されてもそれをおかしいと思わない可能性があるからね。
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