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「天使の3P!」2周目感想

なんで見返そうと思ったか動機を忘れました。去年ヒットしたあのガールズバンドアニメの流れでもないし、今期話題のあのガールズバンドアニメの流れでもない。

1話

鬱屈とした雰囲気から話が始まるのは記憶の通り。どうしてもテンポが悪くなるけれど、ここは話の真剣さを伝えるために大事にしてるのが受け取れる。でも初見だとダルいなって思っちゃう部分でもあるよね。
響がメールに返事した理由が「この人と音楽の話がしたい」なのがいいな。もうそういう機会を全部カネに絡めてでしか考えられない大人になっちゃったよ俺は。いや高校生だから仕事になるとかは考えないか、それにこの時代だとプラットフォームからの広告収入もなかったし。

しかし3人中2人があからさまにロリコン向けっぽいキャラ造形なのはビビるよね。希美だけ精神年齢高くて話通じそうなのも、そうじゃなかったら話が成立しないから仕方なくそうしてるのか!?と穿って見てしまうぜ。私はあんまりロリコンではないので希美が一番好きです。ぼのざのろでもベーシストが一番好みだけど、あっちはむしろ一番話通じない異常者ということで真逆!でも見た目には一番大人びている点で共通。

2話

こんな出来の良いアニメでしたっけ……淀みなく流れる理路整然としたお話でとても好印象。いや淀みないのは嘘だわ、ロリのサービスシーンは温度差すごくて毎回笑ってる。刺さることはないが分からんでもないヘキの刺激だからこそ、急に狙ってきたなぁ~ww という気持ちになってしまうよね。

まだ話に本格的に関わってきてないけど、さくねぇカワイイね。伊藤かな恵の起用がかなり少なくなってきた時代にドハマリの役を回したのは素晴らしい采配。そこから更に6年、今も政宗くんのリベンジ2期で脇役ながら出続けてくれているから逆に意外……。(ちなみに政宗くんも1期は同じ2017年)

3話

実際こういう施設の子にはよくあることなのかな、自分の周りで当事者と出会ったことがないから実感は湧かない。というより、多分そういう人と出会えてない時点で現に壁があったってことかも。

伊藤かな恵の演技、やっぱり強い。色んな武器がある人だけど、語気を強めたり怒ったりという演技に凄みと可愛さを両立させることに於いてはかな恵以上の演者がまだ出てきてないと思う。

ところで妹ちゃんなんだか懐かしいねこういうの、昔は妹キャラと言えばこういう感じだった……いやもっと甘かったかも?時代は変わり、今は兄妹らしい距離感で遠慮なく接するキャラが主流化した印象。やや時代は前後するけど、比企谷小町は潮流の変わり目の象徴だと思っている。

4話

1話から今回の中盤までのじっくり感を考えると、そこからライブ実施まで急にテンポが速くなってて構成に苦慮した跡が見えるかも。詩を基にした歌ができる⇒学校で一曲披露⇒桜花にバラされて演奏することに⇒本番演奏!の流れはよく考えてあるから、本当はここでペースを上げたくなかったんじゃないかと。
しかし響にとっては黒歴史であろう詩をむしろ活用しているところは変に図太いなというか、ズレた奴と扱われがちな人の思考っぽくて……そこまで狙ってたら怖いなぁ。

さくねぇかわいすぎ。
クラスにどれくらい馴染めてるのかようわからん雰囲気あるけど、中学転校以来の"武装"スタイルで高校でも嫌な扱いは受けてない、って解釈でええんかな。孤立はしてなくとも一目置かれてはいそう。

5話

桜花たむ萌へ萌へすぎんだろ……
というか大して惹かれる要素やイベントもなかったろうに、もう随分と響に傾いてるのはチョロいな~と思ってしまうけど、一線引いて接する必要もないし元不登校と下に見る所もない。それに謂わば「秘密の共有」をしている状態だし、そういう距離感なら好意が湧いてくるのも頷ける。あと怒りすぎて台詞の3割くらい語尾裏返ってるの好きよ。

ところで蜂イベントとかトイレイベントとか当のロリコンは喜んでたんですかね?さすがに狙いすぎ感強くてロリ行ける立場でも笑っちゃわないかこれ?

6話

天使の3P!の傑作回。この作品のクオリティと本気度を確信させられる。この回だけ突出して話が重かったように記憶していたが、見直すと突出とまでは行かないね。
話自体はそこまで複雑ではなく、希美が2つの幸せを選ぶ局面で、本人も周囲も本心をワガママとして抑え込んでしまい……という構図。
家族のように大切な人とあらば、将来を直接左右することに口出しするのって憚られるし、特殊な立場にいる彼女らは人一倍それを実感してるよね。引き取り手がいるのに残ってくれなんて言うのも筋違いだと思うのは当然。それに小学生の2人にとっては「まぁ本音は残ってほしいんだけど」みたいに冗談めかして言うことすらキツいよな、それ言ったら相手のみならず自分の感情も崩れてしまうかもしれないから。

この回がすごいのは話の内容もそうなんだけど、問題を乗り越えたことで詞ができた歌をライブで披露とはいい流れだな~と感心したところからのED映像。希美がここに来てから今こうして家族のようにリトルウイングの一員になるまでの回想を、本編中じゃなくここに持ってくる構成が天才すぎ。逆にそれ以外ありましたか?って感じまで出ちゃってるけど、一から考えてこの形に持って行けるのは天才だけだよ。
そして畳み掛けるように「Lien de Famille:家族の絆」の命名。希美にとって大事にすべき血縁を差し置いても、もっと大事にしたい本物同然の家族たち。ラストの数分間はもう感情揺さぶられすぎてそれを言葉にするのも難しいね。

もう一つ切り離せない、「ベーシストは居なくならなかったけどベーシストの声優が居なくなった」ことの悲しみ……遠藤ゆりかが引退したのって翌年だっけ年内だっけ。体調不良という発表もあったので実質それしか道がなかったかもしれないけど、何にせよそういう選択が後の幸せにつながっていてくれたら、と今も思い出しては願うのです。

7話

アバンで大分不健全なネタ突っ込んできたクセに、最後の懺悔室で「健全アニメ」って言ってる自己矛盾一歩手前感。てか近年こういうネタ減ってね?なんだか古いセンスを感じた。

ちょうどこの回を見る前にさくねぇを描いたところで、アニメのさくねぇ可愛すぎてなぁ……。自作絵も画力なりによくやれてると思うんだけど敵いません。この記事のトップ画像にしておいた。

あと立場的に(?)触れるべきなのかどうか、という霧夢のCV井口裕香。五十鈴好きからするとかなり好みに近いが微妙に違うのがかえって気になるという演技なんだよね。他の五十鈴好きがどう思ったかは知らんけども。ゆかちの演技の中では誰の役と比べてもやっぱり五十鈴が一番いいなって思うよ。

8話

ついに全く話を覚えていない領域に到達……
霧夢は柚葉じゃないってのが判明するシーンでガチの「へ~」出た、このアニメもしかして初見?

大物が釣れて調子乗ってるさくねぇ、自分探しに出るチョーカーさくねぇ、妹分3人たちの遊びに付き合ってるぺたん座りさくねぇ、どれも可愛い。
あと滞在先の奥さんもルックス良すぎる。ロリを前面に押し出すアニメの割に年長者の方が絵柄に合っちゃってないか。俺はかまわん!!

9話

大枠では面白い反面、ここは目を瞑った方がいいのかな?と思うポイントもいくつか。現実味薄めの題材と現実的な解決手段、しかし結果は微妙に現実味がない、そんな微妙なラインを行き来していた。

島おこしイベントが巫女問題に一石を投じる目的で行われてたけども、霧夢が響たちをゲストに推薦したのはその目的に合わせたわけじゃなく、響からバンドの3人をなんとか引き剥がしたかっただけなのね。その経緯もあり想定以上に響の作戦が効いてブチ切れた霧夢と、娘の行動が直球すぎて狙った形じゃないけど、この方がよかったな~と思ってる霧夢母、という構図に整理するのが正しそう。響は天岩戸神話に倣って作戦を立てたわけだが、霧夢のネットでの態度であったり会いに行ったときの拒絶ぶりから短気な性格が見て取れるから、もしや響はそこまで計算に入れていた……!?

「事実は小説より奇なり」ともよく言うように、変なしきたりが当たり前として受け入れられて地域性になるのは何も珍しくはないんよね。常識と偏見は表裏一体という話にも繋がる。まぁ現代日本の感覚で言うとかなりヤバめの人権問題だし、ネットが普及して物理的隔絶も解消されてきてるので現実に似たような事例が残っているとはあまり思えないけど、世界を見渡したら絶対あるよな。むしろネットが普及した結果迷信や陰謀に縋りたい人間が可視化されて集まって、言うなればネットにも異文化の離島が出来てるような現代。

この回は割と覚えてるのに何で8話の記憶がなかったんだろう。そして次回以降の記憶もほとんどないです。

10話

めちゃくちゃバカな回だった。9話までずっと内容の詰まった話をやってきたのでここで一息入れさせてくれてたんだ。
にしてもアバンが超展開すぎんだろ!極め付けにさくねぇまで小学生連中と同レベルまで知能レベルが落ちていて終わりすぎる。

てわけで面白いの方向性というか質が急に変わったけども、これはこれで。

11話

霧夢、というか小梅があまりにもメチャクチャなガキすぎて、えぇ……の連続になってしまう。この短気でどうしようもない感じをネット上ではよく隠せてたな。
この作品世界の小学生がマ~ジで予測不能な行動しまくりすぎるので、あんまり集まりすぎると誰か大人に助けに来てほしくなるが、今回はさくねぇがちょこっと登場するのみという孤立無援ぶり。出番少ない分胸揺らして補うとかしなくていいからもっと出てきて!

12話

9話までのトーンに比べると終盤3話はやや軽くて、それで1周終わったあとの印象が薄かったのかなぁという気がした。そもそも当時ほとんど感想を文字に起こしてなかったってのもあるけど。前半見てて「記憶にあるより真剣度が高いな」「さくねぇこんなに可愛かったっけ?」等々思ったのも結局、最後に残ったイメージが小梅&柚葉合流後のノリだったからなんじゃないかな。
さくねぇも出てきたと思ったら心の汚れている人向けのネタで挟まれているだけだった。確かにさくねぇはエッチだけどじゃあエッチな目で見たいかと言われると違うんだよな。(これ何の話?)

ざーさんの小梅の演技めちゃ好き。あんま他で聞いたことがない。昔々はどの作品でも似たような路線を求められてたざーさんも、気付けば多芸で縁起の幅も広い個性派に。


「これ他のバンドアニメのオタクに薦めるの案外ナシじゃないかもしれんな……」と思ったりしました。いいアニメ。

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