カツパン訪ねて三千里
カツパン。
それはカツをパンに挟んだ……あの……まあ大体カツサンドのこと。
カツサンドはなんか耳の無いサンドイッチでよく見るパンを使っているような気がする。そこがカツパンとカツサンドの違いなのかなぁ、そんなに興味はないけど。
9月19日にカツパンの存在を知った私がそれを求めて旅に出るのにはさほど大きな障害はなかった。
今から語られるのは私がカツパンに出会う物語である―
第一章 出会い
旅の当日、授業は午前中だけであった。
昼食としてカツパンを食べたい。その思いでいっぱいだった。
授業中も頭の中を巨大なカツパンが跳ね回る。いわばカツパンスクリーンセーバーだ。
私は電車に飛び乗り、映画館へと向かった。
急に登場した映画館。前日にとある映画を予約していたのだ。映画前に昼食としてカツパンを食べようと考えていたが時間が時間が無かったため急遽そのあと昼食を摂ることに。
映画の感想は……まあ、歌は好きだよ。「恋降る月夜に君想ふ」という歌。映画で初めて聞いたが非常に頭に残っている。
映画館を出ると高校生が放課後となり、縦横無尽に飛び回っていた。
私は何故か精神ダメージを負った。
最終章 とうとうカツパンに
コメダ珈琲店に入るとアイスコーヒーたっぷりサイズとカツパンを注文した。
「揚げたてサクサクビッグカツ」
口に出して読みたい日本語である。
でけ~。
The cutlet pan reflected in the acrylic plate is just as big as the real one.
箸やフォーク、ナイフなどは来なかったので手で食べるのが普通なのだろう。正直フォークとナイフで食べたかったが「あなたが行く国ごとに、その国独自の習慣を見つける」というイタリア語のことわざ通りに手掴みでいただくとしよう。
ちなみにこのことわざは日本語で言うところの「郷に入っては郷に従え」である。
口を大きく開ける。顎が外れそうなほどに大口を開けても入る気がしない。プレスして何とか口に入れる。
痛い!
痛い!!
サクサクの衣が口の中で暴れる。
昔、こんなエビフライのキーホルダーを持っていた。
その衣と全く同じ鋭利さである。
びっくりしたが人類はカツの衣程度に負けるような設計をしていない。
15分ほどで完食した。
途中、ボロボロこぼれるキャベツ、はみ出すカツ、汚れる手足(膝に衣がぽろぽろこぼれるんだわこれが)……。数多の困難を乗り越えての完食、感無量である。
会計時、伝票を席に置いてくるノルマも達成し店を出た。
最後に
以上が私がカツパンに出会う物語である。
これらの経験からまた新たな創作ができそうだ。
あ、味は良かったよ。
ビッグエンディング
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?