月姫Rの話

夢のような時間だった。全ルートコンプリートである。
この4日間、楽しさに満ち溢れていた。
ネタバレに考慮し、今はふせったーを読み漁っている。

もう辛抱たまらん。なんか書きたい。だがいかんせん、ネタバレになる話はできない。一番話したい本筋の話に触れられない。

悶々としつつも、ここではADVゲームとしての月姫Rについての感想を書いていく。
スマホゲーが覇権を取るこのご時世、コンシューマーで勝負をかけたこのゲームは、現代に合わせて最適化する事で勝負をかけてきた。その完成度は相当なものだった。
シナリオの中身に触れずともなんとか話せるのでは?レッツトライ。

物語のあらすじ? 公式サイトを見てちょうだい。

月姫 -A piece of blue glass moon-

物語の展開に飽きが来ない。

 まず兎にも角にもテンポが良い。物語の展開に飽きが来ない。
 原作で良かったところは残して、悪かったところは改善する。細かな箇所まで文字通り再構築をしている。
 原作月姫の売りである奇妙な空気、主人公の細かな心理描写、シナリオ後半の熱量はそのままに、新規キャラクターを加えて、キャラクターそれぞれの役割を整理し直し、より世界観に深みと説得力を与えている。
 また原作をプレイしたときに感じた冗長さを見直していた。人物の登場タイミングや台詞回し、BGMの切り替えもすべてゲームプレイに没頭できるように手が加えられていた。
 また、元々声がつく前提でリメイクした事もあって、テキストはボイス有りとよく馴染んでいた。このあたりはFateの移植時にフルボイス化されたときに感じていたテンポの悪さが一切なかった。
 本当にリメイクの字のごとく作り直している。でも原作のプレイヤーには元々の体験を壊さないように、新規に触れるプレイヤーには敷居を低くされている。

 店舗限定の月姫通信R(このタイトルもめっちゃ懐かしい)で原作者奈須きのこが同人版をプレイした記録が残っていて、とても感慨深いのと、一線級で活躍するライターの目線から、作品をどう再構築していくのかが垣間見える。購入されていない方は特に理由がなければアニプレックスプラスでの購入をおすすめする。

各シーンに光る職人芸

 もうまほよで感覚が麻痺してしまったが、ADVの中ではキャラクターがグリグリ動く。立ち絵もコロコロ変わる。
 話に合わせた最適なテンポで映画のように見せてくれる。まほよのときで確立した立ち絵と素材を駆使し、イベントCGのように見せる手法に磨きをかけてきた。
 それだけじゃなくて日常パートでもキャラクターがグリグリ動くし、立ち絵の数も多い。本当にキャラクターの見せ方がうまい。
 特に立ち絵のアップのシーンは特に多かったが、アップに耐えられるように立ち絵の解像度を上げてある。
 その立ち絵を背景素材と組み合わせて、ベッドに寝転んだり、バンザイして喜んだり、アクションゲームのように派手に立ち回ったりする動きを再現している。
 冷静に考えれば、すべてのシーンが手作業で演出を追加しているだろうから、スクリプトで立ち絵を喜怒哀楽で切り替える作業とはわけが違う。
 何度も通して確認しながら、動きを微調整していく過程を繰り返して、テンポの良さと素晴らしい演出を生み出しているんだから、相当な労力がかかっている。

 これも月姫通信Rで書かれていたが吉里吉里をベースにツールを使って作成したと書いてあって、ある種の職人魂を感じた。
 巷ではADVとして20Gある(Switch版)のが話題になっていたが、立ち絵素材を遠、中、近で用意している、または距離に応じてエンコードするエンジンを用意しているのも容量が増えた理由の一つではないか。

プレイヤーがゲームに集中できる工夫

 本当にフローチャート機能とバッドエンド後のお助け機能(お願いシエル先生)が良い。アルクェイドルート、シエルルートだけに限定しているとはいえ、選択肢が多く、どこでどうフラグを回収できていなかったのかをさり気なくプレイヤーに気づかせるようになっている。
 攻略サイトをなぞりながらゲームを進める作業感は個人的にはあんまり好きではない。そういったプレイヤーの手助けをゲームないでやってくれるシステムが有るだけで没入感が段違いで上がる。

 フローチャート機能はその最たるものだった。もう使ってしまうとこれこそ原作に欲しかったと思うしかない。
 選ばなかった選択肢、選べなかった選択肢が把握できて、ジャンプ機能まで追加されているからバッドエンドになっても原作のように手探りでやり直す必要がない。本当に素晴らしいと思う。
 また、バッドエンド後のお助けコーナーも基本ギャグだが、プレイヤーにヒントを与えてくれる。

結局どうだったのよ

控えめに言って。13年待ったご褒美としては至福の時間だった。
もう何から何まで原作からアップデートされすぎて、本当に夢中のままクリアまで突っ走った。
ネタバレ解禁は9/8。
その時以降になったら、プレイ中の記録とかを含めて投稿していこうと思う。

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