復活の鴉(アーマード・コア6についてのお気持ち表明)

「一度生まれたものは、そう簡単には死なない」

アーマードコア6をまさに体現するセリフである。
…よくぞ!よくぞ生きていた!そしてよくぞ戻ってきた!10ン年前に「レイヴン」だったおじさんは大泣きした。

まずはこちらで熟知せよ。

プレイヤーは傭兵「強化人間621」またの名を「レイヴン」となり、「アーマード・コア」(以下、AC)と呼ばれる人型巨大ロボットを操り、巨大企業から依頼される様々な任務を遂行していく。敵部隊の殲滅、施設に潜入して破壊活動、味方の護衛etc……。依頼主から受け取った報酬を元にACを強化し、また新たな任務に挑む。そうしていくうちに主人公は惑星「ルビコン3」についての大きな秘密に関わることになる…。

本作、というかシリーズの一番の特徴はなんといってもACのアセンブリ(構成)につきる。機体のの外見(頭・腕・胴体・脚)、機体の内装(エンジン、FCS、ブースター)、武器(肩に背負う武装、手に持つ武装)を組み合わせ、自分のプレイスタイルと、ミッションに合わせた機体を作り出すのだ。いわゆるガンダムのような、空中戦を得意とするヒロイックなマシンを作ることもできれば、四脚のモビルアーマー然としたマシンもできるし、超重装甲の戦車を作ることだってできる。なんとなれば、超軽量の体パーツにブレード一丁だけ持つのも立派な構成案だ。今回、武器を持たなくても素手で殴ることができる(しかも腕部パーツにもよるが結構強い)ので、モビルファイターばりに殴る蹴るだけで任務遂行することも不可能ではない。(実際やってる人はかなりいる)そうした、圧倒的な自由度の高さが一番の魅力だ。

自分はPSの初代AC3部作と、PS2のAC3を遊んだくらいだが、「俺の考えたつよいロボ」をわりと高い再現度で作れることと、カリカリに乾いた世界観を相当魅力に感じていた。PS3、4は持っていなかったのでAC4,5や、派生作品はプレイできていないのだが…。
つい去年まで、フロムソフトウェアはソウル系に注力しているように見えたこと、元のACの開発スタッフが別会社でデモンエクスマキナという同系統のロボゲーを開発したことから、もうACの新作は出ないと思っていた。
それが去年2022年12月、突如として発表されたから驚愕。完全にノーモーションからの奇襲であった。…とはいえ、それからしばらくは大した続報もなかったんだけど。
発売日が近づくにつれ、プラットフォームやらシステム詳細が明らかになるにあたり、購入するかどうかはかなり悩んだ。動画で見るAC5とかの高速戦闘のような感じだったら到底ついていけないし、そもそも元の開発陣がDXMの方に行っているので、AC6は俺の知っているACじゃないかもしれない。そのあたりでだいぶ悩みはあったのだが…発売直前の生配信で起きた渋谷の花火師・ファイアワークス兄貴の伝説のプレイがそんな悩みを真正面から破壊してくれた。
↓ファイアワークス兄貴の活躍はこちら

こいつは俺の知っているACだ…!!そしてその期待は裏切られなかった!

AC6のここがいい

…といっても、上でだいたい言い尽くしてるんだけどね…。
それ以外のところというと。
・リトライがしやすい
 ACは決して簡単なゲームではない。プレイヤーの腕や、アセンブリによってはどんづまってしまうことだってある。しかし、今回のACは結構なところでチェックポイントが用意されており、そこを通過したあとにミッション失敗しても、それなりに近いチェックポイントから再開することができる。しかもその際、アセンブリを変えて再挑戦することができるので、ボスに負けてもボスに合わせたアセンブリに変えて再挑戦すればあっさり抜けられたりもする。

・ソウル系とのいいとこ取り。つまりは近年のフロムの集大成になってる
 今回のAC、巨大ボスとの戦闘がかなり多い。最初の壁ルビコプターに始まりジャガーノート、バルデウス、シースパイダー.....数多のデカキャラがレイヴンを待ち受ける。すくなくともAC3まではクライマックスの一戦くらいだったはずで、このあたりソウル系の経験をいかんなく発揮しているのかなと。しかもソウル系ということはそれぞれのボスがかなりの難易度なわけで…。しかし、上述のリトライのしやすさのおかげで、1回負けても行動パターンを学習して、それに合わせたアセンブリに変えてまた挑戦、というサイクルがあまりストレスなくできる。
 ソウル系のいいとこ取りといえば、本作の特徴的な仕様として、「スタッガー」のシステムが有る。ACの体力ゲージとは別に「スタッガーゲージ」があり、攻撃を受け続けるとこのゲージが溜まっていき満タンになると一定時間行動不能になるのだ。建前としては、過度な攻撃を受けるとACの衝撃緩和システムが効かなくなり制御不能になる、ということらしい。SEKIROをやった人なら、体幹ゲージを思い出してもらえばよい。このゲージのおかげで、強いボスにも一定の隙を作ることができ、その間に畳み掛けるなり、リロードなりをすることができる。武器によってもスタッガーの溜まりやすさが異なるため、ミッションによって敵の体力削りを優先するのか、スタッガー削りを優先して隙を作らせるか、という戦略が必要になってくる。

・濃いキャラクタ
 既存のACシリーズ、また近年のソウルシリーズと比べても明らかに主人公以外のキャラクタの個性が濃い!主人公の雇い主ハンドラー・ウォルターに始まり、企業の傭兵部隊の隊長・隊員たち、ジャンク屋の総元締めシンダー・カーラ。、そして主人公に話しかける謎の超存在エア。etcetcetc.....。そのどれもが、既存のACシリーズ、さらには近年のソウルシリーズにすらなかったような強烈な個性を持っている。とくにハンドラー・ウォルター。常に主人公のことを気にかけており、きついミッションのあとは「今は休め」と言ってくれる。強敵との戦いで相手を追い詰めつつあるときには思わず「いいぞ621」と激励してくれるし、傭兵部隊の隊長から馬鹿にされれば「その呼び方はやめてもらおう」と憤ってもくれる。何より、彼の行動目的を知るとますます「ごす!おれはついていくぞ!」とこちらがレイヴンどころか駄犬になってしまう。

・その他の演出など
たとえば、最初のミッションを終えたあと、ガレージに戻ってきたプレイヤーに対して、傭兵支援システム「オールマインド」が話しかけてくる。「レイヴン、貴方の帰還を歓迎します」…ここでおじさん涙腺崩壊。AC4も5もやってないニワカものにまでそんな言葉をかけてくれてありがとう…!
…など、過去作のプレイヤーをくすぐる演出がそこら中にあった。なんと小憎らしい…!

AC6のここが微妙

・ミッションが少なめ
今回、お話としては基本的に一本道(最後の最後で分岐発生する)なので、以前のシリーズと比べてミッション数が少ないように感じた。以前だと、2大企業のどちらかの仕事を優先的に受けることで、最終的なルートが決まったりしたのだけど、今回は途中でいくつか分岐はあるものの、戦う相手が変わるくらいで大勢に影響があるわけではない。ただクライマックスのとある選択でルートが決まるくらい。(例外はある…)なので、ちょっと食い足りない感はある。周回前提だからこんなものかもしれないけど。

・MAPがほしい
ダンジョン多作系のミッションなど、果てしなく迷った挙げ句に雑魚から受けた攻撃が積もり積もって死ぬ、ということがけっこうあった。以前のシリーズだとMAP完備だったので、なぜそこだけオミットしたのかと…。
 


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