FF7リメイクへのお気持ち表明

Steamのオータムセールで安かったから買っておいたものを今頃クリアしてみた。総評としては、決して悪くはないのだが原作のような大傑作、RPGの革命というほどではない、というところだろうか。

まずはここを見て熟知せよ。

二十数年前に発売されたFF7が最新のCG技術で甦った。原作だと重要なムービーと戦闘部分はリアル等身、標準の移動とちょっとしたムービは3頭身に分かれており、全部リアル等身にならんものかね…と思っていた全世界ン億人(弊社調べ)のFF7ユーザーの夢が、最新のシステムとともに実現した!…と思っていたのだけど。

原作の方は自分が学生の時に発売されたわけだが…発表されたときの驚きたるやとんでもないものだった。世間のゲーマーがPSか、それともサターンか、はたまた発売されたばかりの64を取るかにらみ合ってる状況で、PS陣営に満を持して登場したのがFF7だった。たしか初報が出たのが96年の春ごろだったか?これまでのFFとはがらりと変わって3DCG、そして野村哲也氏のキャラデザを全面に押し出した形で、「これが次世代機…新時代のRPGか!」と自分含め世のゲーマーは大興奮。その年のゲームショーでプレイアブル出品されてたのを見たが(大行列だったためその時点ではプレイしてない…)FF6とは何もかもレベルが違っており愕然としたのを覚えている。
なおこの発表のとき筆者はPSを持っていなかったが、後日、家族が長いメガテン欠乏症に耐えられなくなり血迷って女神異聞録ペルソナと、ついでにバイオハザードと一緒に購入していたので事なきを得た。…なんでサターンのデビルサマナーを買わなかったのかは未だにナゾ。
ともかく。蓋を開けてみれば前評判に違わぬ傑作だったのは皆様ご承知のとおり。ことに、ゲーム開始から七番魔晄炉爆破のあたりまでで完全に引き込まれてしまった。完全にアクション大作映画やん…!初戦闘後、クラウドがバスターソードを振り回して背中に格納するシーンで「これが…これが次世代機…!」と文字通り震えたのをよく覚えている。

では、今回のリメイクはというと…デキはまあまあ良いが佳作、という評価に落ち着くだろうか。原作からあまりにいろいろ変わりすぎてて、一般的な意味でのFF7のリメイクとして考えると非常に疑問符がつかざるを得ない。「ファイナルファンタジー7 リメイク」というFF7派生のRPGとして考えるのが妥当だろうか。ちょうど次回作として「ファイナルファンタジー7 リバース」が発表されたことだし。

FF7Rのここは評価できる

  • ミッドガルのサイバーパンク世界観を楽しむ分には最適

 今回、ミッドガル脱出までをストーリーの範囲と割り切ったことで、原作当時大々的にブチ上げられてはいたが出番的にはそこまで長くなかったミッドガルのディテールがものすごく詳細になった。地理的な意味なら、スラム街から上層部の生活まで。人物的な意味なら、主人公メンバーの周りを取り巻く周辺住民との関わりやら、チョイ役だったアバランチメンバーの人となり、なぜテロ活動をしているかまでがわりと解像度高めで表現されていた。正直、サイバーパンク2077ばりにこの世界観でオープンワールドゲーさせてくれよと思ったりした。途中、何でも屋稼業と称して街の人の困りごとを解決するパートがあるが、これを延々続けるでいいじゃないとも。

FF7のここが微妙

  • 戦闘がわりと微妙

今回、戦闘が聖剣伝説3ライクな、フィールドからシームレスにバトルシーンに移り変わるアクション方式に変わったが、正直もう少し考えても良かったんじゃないかと…。
原作ののアクティブタイムバトルの要素を残そうとしたのか、戦闘中に自動で貯まるカウントが一定以上にならないとアイテムを使う、魔法を使うといった特殊行動が取れない。それでいて攻撃ができるのはなぜ?と思ってしまう。まあこれはいちゃもんレベルか…?
仲間に作戦指示ができない。操作キャラを変えるなどしてコマンドを手動で使わせることはできるが、基本的には殴るしかしてくれないので、HPが低い時とかに回避行動をとってくれない。あるいは、範囲攻撃が怖いので離れていてほしいときに逃げてくれない。…一部のボス戦とかでは発射予告があったときに全力で退避してくれるけど。

  • 原作プレイ済み必須のストーリー

「リメイク」と銘打っておき、実際表向きは原作のストーリーをなぞっているように見えてその実、原作をやってないと本筋がわけが分からないのはどうなの。

  • 本来、ミッドガル抜けるか抜けないかでないと姿を見せないセフィロスが初っ端から幻覚で現れてる

  • しかしてソルジャーの英雄セフィロスのことは街の人の話題に上がらない
    →初見の人からだと「なにこのよくわからん森川智之」になる

  • エアリスが最初からどうもみんなのことを知ってるっぽい

  • 度々でてくる忘らるる都の例のシーンのフラッシュバック

  • 何より、定められた運命を守らせようとする「フィーラー」の存在

おそらく考察勢から見るとさらにいろいろな「原作やってないとダメなポイント」が出てくるんだろうね。…個人的には、この1作めはちょっとした違和感レベルにとどめておいてもらいたかったというのが本音。あまりにあからさまに変えてくるのは興醒めですよ。

次に出るリメイク2作めは忘らるる都まで描くということだが…リメイク三部作構成で、二作目までで原作のDISK1終わるまでということは、最後の1作で原作のDISK2~3をやる必要があるということなので、ものすごい巻きになってしまう気がする。あるいは、3作めはもう完全に展開を変えてしまうか。…2作めの出来次第だが、迂闊に変えるとかしたら暴動が起こる気がするんだ…。
 

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