ペルソナ5Rへのお気持ち表明

そのう…ゲーム部分は相当良く出来てるんですが、シナリオが。いやいや、それでも真5よりはだいぶ出来はいいんだけど…。

まずはここで熟知せよ。

【例のBGMつきで】
地方都市でで鳴らした俺様は、、
濡れ衣を着せられ当局に逮捕されたがすったもんだの末保護観察処分となった。
しかし、東京の片隅でくすぶっている様な俺様じゃあない。
頼りになるクセモノたちを仲間につけて、筋さえ通れば名声次第で何でもやってのける命知らず。
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、俺たち、心の怪盗団!
【銃声】
【たーたらったー たったーたー たらたーったたったー たーったたらーたー】

俺はリーダー、主人公。通称ジョーカー。
奇襲戦法と変装の名人。
俺のような天才策略家でなければ百戦錬磨のつわものどものリーダーは務まらん。
【以下キャラクター紹介を延々】

俺たちは、道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する。
頼りになる神出鬼没の、心の怪盗団!
助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。

参考動画:

…かんぜんにあってる!!!!というかAチームのOPの説明で必要十分過ぎる。

補足説明しておくと、主人公とその一行はひょんなことから超能力「ペルソナ」を身に着け、「心の怪盗団」と自称して。世にのさばる悪人の悪の心を成敗していく。暴力教師に剽窃作家にチンピラの親玉etc.....。悪の心を成敗された人間は途端に人が変わったようになり、世間に向かって自分の悪事と、それに対する謝罪を始めてしまうのだ。正義の怪盗団の噂は次第に世間に広まり、街には彼らを称賛する言葉が漏れ聞こえるようになる。しかし彼らは次第に巨大な陰謀に巻き込まれていくのだった…。

P5Rのここがよい

高校生活シミュレータとしては上々

高校生活シミュレータとしては前作と同等くらいか。
通常、昼は学生、放課後は正義の味方として暮らしていくわけだが、放課後の行動にかなり幅がある。大まかに分けて、
・悪人のいるダンジョンに挑む
・サブイベント用の自動生成ダンジョン「メメントス」に挑む
・仲間や街の人と交流する 
・勉強とか怪盗道具づくりとかして自分磨きする
というような行動が取れる。
最優先の目標としては、特定の期限内に悪人のいるダンジョンに入ってボスを倒す、をしなければならないのだが、それ以外の行動も怠ってはならない。
仲間との交流が深まれば、レベルアップ以外にも様々に有用なスキルを覚えてくれる(たとえば敵の弱点を見破るとか、弱い敵にダッシュでぶつかると戦闘無しで倒せるとか)。
また、仲間以外のサブキャラクターと交流を進めていくことで、色々と恩恵を受けられる。とはいえ、P4までは仲間たち以外の関係を育てても悪魔合体時に経験値ボーナスが貰えるくらいだった。いや、それでも最終段階まで育てると合体ボーナスが相当貰えるんだけど。…今回はそれだけにとどまらず、強力な効果のアイテムを売ってくれる店の開設条件だったり、戦闘時の戦略に多大な影響を及ぼすコマンドの解放条件だったりする。とくに、医者で薬を買えるようにするとか、戦闘中にメンバーを交代できるスキルとかは難易度にダイレクトに影響してくるので、やらない選択肢がない。
ただしこれらの関係性を最後まで進めるには、主人公の人間力(知力・魅力・器用さ、優しさ、度胸)を高める必要があって、これらは戦闘でのレベルアップでは一切上昇しない。サブイベント中にいくらか上がるか、あるいは自分磨きの行動(勉強するとか、本を読むとか)をしないといけない。あるいは、交流相手によってはメメントスにいる固定敵を倒さないとイベントが進まないキャラクタもいる。
すなわち、ダンジョンに潜るか、お友達と遊ぶか、研鑽に励むかをバランスよく選択しつつ暮らす必要があり、このへんはペルソナ独自の面白みだと思う。

計画性の必要なダンジョン

今回はダンジョン攻略にもそれなりの計画性が必要。今回、ダンジョンは悪人の歪んだ心が作り出した異世界となるが、ここを攻略する目的はひとえに、指定された期日までに各ダンジョンを司る悪人の悪の心の核となっているアイテム「オタカラ」を奪取することにある。オタカラを回収することで悪人を改心させるという建前になっているわけだ。オタカラを取得するにも一工夫必要で、
・ダンジョンを進んでいき、オタカラの場所を特定する。
この時点ではオタカラは靄のような形になっておりダッシュできない
・オタカラを盗む旨の予告状を出す。これでターゲットの悪人は自身の中のオタカラを自覚し、悪人の心象風景たるダンジョン内でもオタカラが実体化する。
・次の日に実際にオタカラを奪いに行く。ここで悪人の悪の心たるシャドウとの決戦になる
という手順が必要になる。
基本、最短でもゲーム内時間で都合3日が必要だが、実際には補給のためダンジョン中盤くらいで一旦補給に戻る必要があるし、ダンジョン内で道を塞いでいる障害を、現実世界でのイベントで排除してから進む、という面倒事が発生することもある。そんなこんなでダンジョンの攻略には最低でも4~5日は必要な可能性がある。
先にも書いたが、ダンジョン攻略には時間制限があるため、レベル上げをしながら慎重に…というのも難しいし、時間制限はある程度余裕がある日数(だいたい20日前後)に設定されているとはいえ、ダンジョン攻略に時間を描け過ぎると、今度はキャラとの交流イベントが進まない。
迅速にダンジョン攻略を進めるためには、ダンジョンに出てくる敵の弱点をついて素早く効率的に始末する必要があり、ということは主人公の持っているペルソナのバリエーションを増やしてたくさんの特技を使えるようにしておく必要があり…というように、かなり考えることが多くなる。しかしその計画がピタリハマったときは個人的には結構嬉しかったりする。

P5Rのここが微妙

メインシナリオ

上記のように、生活シミュレータとしてはそれなりなんだけど、肝心のメインシナリオが…その…なんというか微妙。
前作が、田舎暮らししつつ住人の負の側面たるシャドウ(思春期の悩みとか、代わり映えしない田舎暮らしへの苛立ちとか)と向き合っていくというお話だったのに対し、今回は権威・権力、つまりは社会の闇たるシャドウへのレジスタンスがテーマになっている。あらすじに書いたように、敵も教師だったり、権威ある芸術家だったり、暗黒メガコーポの社長だったりする。それはいいのだけど…話が進むごとに敵のディテールがなにか雑になっていくように見えたというか。
最初の暴力教師なんかはわりとエグいレベルで描写されてたのに、中盤の大企業の社長あたりになってくるとステレオタイプなブラック企業でしかなかったし、表向きの大ボスに至っては、言ってることは大仰だが、結局よくわからん理由(事件を裏で起こしておいてそれを解決して見せれば英雄だHAHAHAHAHA)でやらかしていたという…。
真の黒幕も様子を見てて「これ大丈夫か?」と思っていたに違いない…。ぶっちゃけた話、P4の大ボスのの「やってみたらできたし面白そうだったから。こんな田舎つまんないし」一連の犯罪を犯した、のほうがまだ話として通っているんだわ…。

行動制限

で、メインシナリオがこんな感じで大味なところに、中盤以降いろんなタイミングで行動制限かかり、(監視の目が厳しいとかの理由)外出できなくなったりすることが多発し、サブイベントの進行に支障が発生する。これがかなりのストレス。結局メインキャラ全員との交流を最大にはできなかったという…。基本、キャラとの交流が目玉のひとつなのにこれはどうなの。

ヒソヒソ声

特に序盤に顕著なんだけど、学校でモブキャラの横を通るたびに「うわ前科者の転校生だよ」とかっていうヒソヒソ話をしだすのはやめていただけないか。マジで。たしかにお話が進むに連れてそういう声も収まってくるんだけど、とはいえ最序盤がプレイヤー自身にダメージを与える展開が多すぎて辛い。…そして自身の悪評が収まってきて、正義の怪盗団の噂が街のトピックスになりつつある…かと思ったら今度は諸々の展開で悪者に仕立て上げられた怪盗団を悪し様に言う声が増えてきてまたSAN値が下がる。そもそも主人公の前科者設定、必要だった?いらないと思うけどねえ…。

ペルソナ合体の演出

その。いろいろ背景情報があるとは言えギロチンはどうなの。合体事故が起きるとギロチンじゃなくてチェーンソー持ち出すのはもっとどうなの。…いろいろ解決して追加シナリオの領域に来ても、本来ギロチンとか使わなくてよくなったはずなのにまだギロチンってるのはもう趣味なの。どうなの。
  

こんなところだろうか。真5だのハッカーズ2だのよりはゲーム的にもシナリオ的にも良いものではあることに疑いはないんだけど、それゆえ神の如き前作P4Gとくらべてしまう…。

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