たいせつに、生きる

旦那氏が出席した結婚式の引き出物で、カタログギフトがあった。我が家のフライパンのテフロンが元々ありませんでしたけど?ってくらい銀色にはげてしまっていたので、ちょうど良いからフライパンを頼もうと思った。

でも見てみたら、北京鍋しか載ってなかった。鉄でできた、直径26センチの中華鍋。お手入れが面倒なんだろうな〜と敬遠してきた鉄鍋だったが、ググってみたら意外とそうでもなさそうだった。じゃあ、鉄鍋にしてみよう。

そんなこんなでうちにやってきた鉄鍋ちゃん。柄の部分が木製の、ちょっとおしゃれなやつ。説明書をみながら、空焚きをしてみる。道路にこぼれたオイルみたいな、虹っぽい色が中央からぐんぐん外側に広がっていく。

うわあ、きれい。なんだかわくわくする。

嫌いな家事第二位(一位は圧倒的に整理整頓)にランクインする料理も、なんだかうきうきしてくる。不思議。

新しいものがやってきてとってもわくわくするのはよくあること。でもこの鉄鍋ちゃんは、しっかりお手入れすればこれから先何年・何十年と共に生活していく仲間。なんだか新しい家族ができたみたいで、わくわくが増した。

うっかり焦げ付かせてしまったとき、たわしでゴシゴシ無心で焦げを取る。あぁこれは無理だな〜と重曹と水を入れて蓋をして煮立たせる。取れてる取れてる。火を止めて触れる温度まで下がった鍋を、最後のひと頑張りでもう一度たわしでゴシゴシやる。キレイに取れたとき、妙に達成感がある。

今まで全く思考になかった、ものを手入れしながら大切にして生活するということが、こんなにウキウキすることなんて知らなかった。今までだったら、面倒で使いもしなかっただろう。年齢と共に、私の精神がまた違うフェーズに入った気がする。(最近、「私」とは何を指すんだろうと哲学的なことを考え始めた。過去の私は今の私ではないけど、今の私を形作ったのは過去の私。難しい。)

鉄鍋が大変気に入ったので、今年の母の日は鉄フライパンを買ってもらった。空焚きしなくていいタイプのやつだったからちょっと残念。鉄板で焼くお肉やパンケーキは格別に美味しいと自分では思っている。多分、気のせい。

たいせつに生きる。今まで目にも止まらなかった小さなものたちを、これからは少しずつ拾い上げて、知らなかった世界を覗いてみたい。人生先は長いから、少しずつ、少しずつ。


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