令和のゲームブック体験!フリーレン構文!…だけじゃない、「インタラクティブコミック 運命の巻戻士」の面白さ

この文章を読んで頂いている読者の方々、「ゲームブック」というのはご存知だろうか。
ページをめくって物語を読み進めると、途中で選択肢が出てくる。その選択肢を自分を選び、指定されたページにまで一気にめくるとその選択肢の結果が描かれている。間違った選択肢を選んでしまった場合は選択肢前のページまで戻り、別の選択肢を選び直すことで最終的に物語を最後まで読み終えるという形式の本だ。
アラサーの筆者は小学生時代によく読んでいた記憶があるが、どうやら現在でも販売されているらしい。

今回紹介する、「インタラクティブコミック 運命の巻戻士」はなんと、このゲームブックをデジタルに再現してしまうものだ。

↑こちらのリンクをクリックして頂くと、スマホのタップ、またはパソコンのクリックを用いてページを読み進め、選択肢を選んで失敗した際には「やり直す」リンクを選ぶことでページを戻すように物語をやり直すことができる、「インタラクティブコミック」を体験できる。

正直、ゲームブックをこの令和の時代にこのようにデジタル形式で再現されているのは驚いた。筆者は「葬送ののフリーレン」がコロコロとコラボするというTwitter(現X)の情報をきっかけにこの作品を知ったのだが、
「コロコロ読者の小学生たちが今更ゲームブックみたいなものを喜んでくれるのかな…?自分は思い出補正で楽しめそうだけど…」と、正直期待はしてなかった。

しかし、フリーレンのコラボ相手、「運命の巻戻士」、この作品が実はゲームブックと大変相性がいいのだ。
この作品そのものが相当に面白い作品であるので、その紹介は別の機会に行いたいのだが、端的に説明すると、この作品は「少年が何度もタイムリープして理想の未来へのルートを探す」ストーリーであり、それはまさしくゲームブックの読者が間違った選択肢を選んではページを戻してエンディングへと辿り着こうとする行為そのものなのだ。
もしかして、「運命の巻戻士」自体がゲームブックから着想を得てるのでは?と思わざるを得ないフィットぶりである。これはまさしく、令和のゲームブックである。


さて、作品を読み始めていくと、「運命の巻戻士」側の主人公であるクロノがベイブレードの大会に参加するところから説明される。
そもそもこの作品は「葬送のフリーレン」と「運命の巻戻士」、そして「ベイブレードX」のトリプルコラボである。トリプルコラボって盛り過ぎたろ、サーティワンアイスか?
ベイブレード要素必要ある?と思ったあなた、必要である。むしろ2つの作品をつなげるきっかけでさえある。もう少し読み進めてほしい。

いよいよフリーレン(「葬送のフリーレン」の主人公)たちの登場である。と思ったら次のページで早速選択肢が。
こういうのは仲間を無視して進めるとハズレの選択肢なので、RPGの選択肢は網羅するタイプの筆者は当然左上の選択肢を最初に選んだ。
すると1コマのみの画像と、「巻き戻し!」のリンクが表示。なるほど、この感じで正解の選択肢に辿り着くまで繰り返していくのだろう。
フリーレン側のキャラの能力紹介を挟み、無事物語を進めていく。

その次のページであるが、ここで非常に筆者(だけでなく多数の読者)の印象に残るコマがある。

「わたしはエルフだから人間のことがよくわからなくて、"人間を知る"ために旅をしてるんだ。
その途中で、"ベイブレードX"を知ったんだよ。」

なんだそれ。それ"ベイブレードX"のところを好きに変えたら何とのコラボもありになっちゃうがな。

作者の予感は的中()し、このコマはTwitter(現X)で「フリーレン構文」としてコラ素材(コラボだけに)にされ、この作品を知らない人もこのコマは知っているという方も多いだろう。
フリーレン構文使ってるやつ。この作品ちゃんと読んでくれ。後悔はさせないから。

そんなわけでベイブレードXがこのトリプルコラボの重要な軸(コマだけに)になっているのだ。
ありがとうベイブレードX。この作品をきっかけに運命の巻戻士に出会えました。

その後も試練をクリアして物語を進めていくわけだが、「運命の巻戻士」の作者は本当にマンガが上手だと思う。
クロノのタイムリープ能力を使って何度でも試練をやり直すのは原作の魅力通りだし、フリーレン達と協力する時もちゃんとフリーレン側の原作の能力を活かしている。(フリーレンの出す魔法は全て原作でも使っている)筆者はフリーレンをきっかけとして運命の巻戻士を知った側だが、運命の巻戻士ファンもこの作品でフリーレンに興味をもつことだろう。

この後、「50回タップ!」という画面が出るが、デジタルコミックならではの表現に感動したし、50回タップは結構大変だったことを報告しておく。

その後某クイズ番組のようなクイズ試練をクリアし、いよいよ決勝へとコマ(ベイブレード)を進める。
決勝でのラスボスの圧倒的な力に歯が立たないクロノやフリーレン達。ここでなんと、ラスボスを倒すのに必要なアイテムを探すため、読者が前のコマに戻ってアイテムを探すことになる。
スマホでは「見つけたら横にスライド!」と言われたが、初めての体験に感心させられるばかりである。ゲームブックを超えた新しい、まさしくインタラクティブなコミックの読み応えである。
アイテムが描写されてるコマをスライドすると、読んできた漫画と別のコマが表示され、新たな物語が始まっていく。どんな技術を使ったんだ??

無事ラスボスを倒し、物語は綺麗なエンディングを迎える。
コロコロらしい王道なストーリーを感じさせ、かつこのコラボならではの展開、50回タップや横スライドなどインタラクティブな仕掛け、童心に返った気持ちで時間を忘れて楽しませてもらった。

皆さんもぜひ上部にあるリンクをクリックし、フリーレンや運命の巻戻士を知らなくても、このトリプルコラボの傑作を楽しんでほしい。


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