3.11

3月11日ですね。

毎年この日を向かえるとみんな、2011年の3月11日午後2時46分に起きた、あのときの体験を、思い出してみたり、語り合ってみたり、するわけですが。

去年わたしも長々と、Twitterに当時の自分の体験談を載せた記憶がありますね。恥ずかしくなって消したけど。

と言いつつ、ざっくり話させてもらうと。

被災当時、わたしは大学卒業式1週間前で、見事に卒業式はなくなり、大学のインターロッキングはボコボコだし、元々取り壊し予定だった5号館と部室棟は今にも崩れそうになってて、そんな中でギリ行われた研究室単位での卒業証書授与に、キャンセル不可だった袴を着てめかしこんで行ったのも今ではいい思い出です。

そんなわたしも社会人になって2,3年経ったときの話。現場で職人さんと、例外なく被災時の状況を振り返っては立ち話していたときのこと。

『どこどこ駅で被災して、もう電車が動かなくて、歩いて近くの友達の家まで行って…』

もう今では何度擦ったかわからないほどスラスラと上手くなったこの話。
どうやら聞いている職人さんがソワソワしはじめて様子がおかしい。

〇〇さんは何をしてたんですか?と尋ねると、彼はとても申し訳なさそうに、漫画みたいに頭をかきながら話し出したわけです。

『オレ、パチンコ打ってたんすよね。』
と。

『しかもそれがぁ、結構出てたんすよ!でもその日換金できなくて〜。参ったっすよ〜。あの日換金できてたら今オレこんなことしてないかもしんないっす。』

いや、全然あるよね、と思った。

それが日常だもん。恥ずかしいことないよ。
でもみんなね。それなりのね。エピソード持ってくるもんね。こういうとき。そりゃ、ソワソワするよね。そのカード弱すぎるもん。
とか心の内で彼を励ましつつ、こういう人に少しばかり心強さを覚えたのもたしか。

それでもってこの人はこれまでもこれからも、この話を毎年3月11日にしていくんだろうな。申し訳なさそうに。今年もするのかな。

みんなつらいじゃ済まされない経験だったけど、こういう人もいるから日常って段々戻ってくるのかもなとも思ったり。


元気かな〜彼、まだ職人やってるかな〜。

今年も2時46分に黙祷を捧げます。

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