SideM楽曲調性各論〜ST@RTING LINE09&10


はじめに

この記事は、アイドルマスターSideMのCDシリーズ「ST@RTING LINE」の09(神速一魂)および10(Café Parade)に収録されている楽曲の調性について分析し、筆者の所感を述べたものである。
なお、各論ではCDシリーズの最初に全体曲、最後にシリーズを通した傾向等を記載することとしたい。

SideM楽曲全体に関する分析(2024年4月末時点)については、以下の概論を参照されたい。


09 神速一魂

バーニン・クールで輝いて

調性:ハ長調
転調:あり ハ長調→(間奏)変ホ長調→(口上)ハ長調→(ラスサビ冒頭9小節)ロ長調→(ラスサビ10小節目〜)ハ長調【終】
総転調回数:4

ハ長調の使者、キュア男子高校生!
元気印のハ長調で大変好ましい。曲の約半分はハ長調のまま進行していくが、間奏は雰囲気が変わって変ホ長調になり、眩しさが増す。
ラスサビでいったんキーが下がるのが面白い演出だ。スーパー戦隊シリーズの主題歌ではラスサビにキーが上がって盛り上がる曲が多いが、いったんキーを下げて元の調に戻ることで、雰囲気を変えずに盛り上げて曲を締めることができる。
ちなみに、このラスサビの転調の仕方は海賊戦隊ゴーカイジャーと全く同じである。

オレたちの最強伝説〜一世一代、破羅駄威棲!〜

調性:イ長調
転調:なし

こちらは転調なしである。伝説に転調は不要。(?)
随所にマイナーのコードが現れてくるものの、最初から最後までイ長調で爆走していく。
それにしても、ヤンキーユニットのはじまりの曲が両方長調というのは、なんとも味わい深いものがある。荒々しい曲調の中に彼らの善性を包含しているようにもみえ、神速一魂入門編にふさわしい2曲といえるであろう。

10 Café Parade

Café Parade!

調性:ヘ長調
転調:あり ヘ長調→(1番サビ最後12小節)変イ長調→(2番Aメロ〜)ヘ長調→(2番サビ最後12小節〜)変イ長調→(ラスサビ)ヘ長調→(アウトロ)変イ長調【終】
総転調回数:5

転調判定がかなり難しい。Bメロやサビの随所に登場するA♭の響きがコード進行の一部なのか、完全に転調しているとみなすか、大変悩ましい。ここでは、サビの最後12小節を転調とみなした。Bメロ及びサビの前半に登場するA♭は、その後Fに帰結しているため、コード進行の一部、という解釈である。
転調判定は悩ましいものの、ここで初めてヘ長調が登場する。ヘ長調をトマト味だと思っている筆者にとっては、美味しい演目でいっぱいのCafé Paradeにふさわしい調性である。

À La Carte FREEDOM♪

調性:変ホ長調
転調:あり 変ホ長調→(アスラン&巻緒のくだり〜)ヘ短調→(神谷のくだり)変ニ長調→(咲&東雲語り)変ホ長調→(咲&東雲歌唱〜)ヘ長調→(エンディング)変ホ長調【終】
総転調回数:5

曲の難解さの割に、転調の仕方はいたってシンプルである。この曲は大きく分けてオープニング、アスラン&巻緒のくだり、神谷のくだり、咲&東雲のくだり、エンディングの5場面に分かれているが、ほぼ場面毎での転調になっている。
また冒頭のコードがあまり変ホ長調らしくないため、イントロだけを聞くと「ホ長調…いや変ニ長調…?」と混乱してしまう。たまに見る表現形態であり、フェイントのようなイントロというこで、仮にフェイントロと呼んでおこうと思う。

おわりに

今回の2ユニットも、転調している時間の少ない2曲と、曲中に何度も転調がある2曲、という意味では対比関係といえるかもしれない。
次回は11(Altessimo)および12(THE虎牙道)について考えていこうと思う。


レース動画紹介コーナー
推しの重賞初制覇がまだ残っていたわね。
コンビニの駐車場で泣きながら応援した思い出がよみがえる。


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