SideM楽曲調性各論〜ST@RTING LINE01&02


はじめに

この記事は、アイドルマスターSideMのCDシリーズ「ST@RTING LINE」の01(Jupiter)および02(DRAMATIC STARS)に収録されている楽曲の調性について分析し、筆者の所感を述べたものである。
なお、各論ではCDシリーズの最初に全体曲、最後にシリーズを通した傾向等を記載することとしたい。

SideM楽曲全体に関する分析(2024年4月末時点)については、以下の概論を参照されたい。

全体曲

DRIVE A LIVE

調性:ハ長調
転調:なし(最後だけイ長調の終止になっている)

俺達の始まりの曲にふさわしい、調号がつかないハ長調である。このまっさらな調から歴史が始まっていると思うと、大変感慨深いものがある。
一貫してハ長調ではあるが、Bメロだけメロディに♭が多く、やや短調に近い響きになっている。また、ハ長調でありながら、A(イ長調の主和音)のコードで終止するのも面白い。
いずれにせよ、楽譜を書く際は臨時記号での対応で問題ないであろう。

01 Jupiter

BRAND NEW FIELD

調性:ト長調
転調:なし

個人的に961時代のJupiterの印象がAlice or Guilty(ニ短調)のため、初手で長調をお出しされたのは面白かった。新天地である光属性315プロダクションでの幕開けにふさわしい名曲である。
なお、ト長調の主和音の登場は歌い出しからであり、イントロの10小節は「何の調が来るんだ…」という特定の層に効くワクワク感がある。(結果的にそれが万人のワクワク感につながっているとも捉えられる。)

Planet scape

調性:ト短調
転調:歌唱部分はなし(間奏のみ一部変ロ短調)

なんと、BRAND NEW FIELDの同主調だ!!!!!!!!!!!!!!!(1000dB)
同じユニットCDのA面とB面で同主調。どちらから聴いても良い最高のパターンである(実際に1stライブではこの曲が先に披露された)。
片や希望あふれる力強い長調を歌い、片や語りかけるような優しい短調を歌う。Jupiterって最高のアイドルなんだなということがこのCDだけでもわかる、名盤である。

02 DRAMATIC STARS

STARLIGHT CELEBRATE!

調性:変ロ長調
転調:なし

わかりみが深い。なぜなら筆者は変ロ長調をオレンジ色だと思っているからである。曲入りからも調性を想定しやすく、わかりやすい。
また、一貫して調性が変ロ長調のまま進行していくところも単純明快で良い。ソーシャルゲーム版アイドルマスターSideMで最初にスカウトできるアイドルユニットらしい、導入にふさわしい名曲である。

DRAMATIC NONFICTION

調性:ロ短調
転調:あり(Aメロのみイ長調あるいは嬰ヘ短調と思われる)

大好きである。果汁100%オレンジジュースのように爽やかな長調のカップリングに、半音上の短調がお出しされるのだ。DRAMATIC STARSが成人男性ユニットであることを否応なく理解させられてしまう、にくい組み合わせである。
物思いに耽るようなAメロの部分だけ調性が変わったように聞こえるのも趣深い。

おわりに

今回紹介した2ユニット分は比較的転調が少なく、わかりやすい曲が多かった。導入としてわかりやすい曲を持ってくるところに、SideMの優しさを改めて感じることとなった。
次回は03(Beit)および04(High×Joker)について考えていこうと思う。


宣伝…何かあるかな…
推しがG1馬になったところをどうぞ


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