2024/7/20,21新馬戦振り返り
概要
新馬戦のタイム、ラップ、実際のレース映像を交えて振り返りを行います。
講評は1~3着馬と、その他特筆すべき馬について記載しています。
馬名の隣の数字は順に「コーナー通過順」「上がり3F」です
1着馬にはそれぞれ以下の区分で判定をつけています。
ホープフルSまでの2歳戦のおともにどうぞ。
A: 重賞で積極的に買いたい
B: 重賞で相手なら。OP戦などでも買う。
C: OPの相手や平場1勝クラスなど
D: 現状成長待ち
※予想に繋げるという観点上内容によっては辛口になっています。悪しからず。
7月20日
福島5R 芝2000m
2:03.6
13.2 - 11.7 - 12.3 - 13.1 - 13.4 - 12.7 - 12.2 - 11.9 - 11.8 - 11.3
37.2-35.0
講評
前半ペースは平均よりも速め。そこからラスト11.3を出したピコチャンブラックの実力が何枚も抜けていることがよくわかるラップ。2着の走破タイム2:04.7は可もなく不可もなくという感じで、着差は実力分。ヴィジョンメーカーが捲った分先行勢は苦しくなったか。
1着 ピコチャンブラック 1-1-1-1 35.0
評価 A
スタートはまずまず。他に逃げる馬もおらずすんなりとハナをとった。気性的にはかなりぎりぎりな感じで逃げた。フォームも安定せず子供っぽい。3コーナーでペースが上がっても対応し、大きなフットワークでそのまま突き放した。福島デビューとなったがいかにも広いコース向きな走り方。数字は良いので気性面は要改善。東スポ杯は素直に買う。札幌2歳ならちょっと疑いつつ買いそう。キタサンブラック産駒は新馬で強い勝ち方した後さっぱりというケースも珍しくないので過信は禁物。
2着 ヴィジョンメーカー 10-10-4-2 35.8
出遅れて最後方。よく見るとゲート前に促される場面があり、もともとゲート難は懸念されていたのかも。前半1000mを先頭が通過したあたりで位置を上げていったがここから先はすべて加速ラップで少々苦しい形になった。パワフルなフットワークで力のいる馬場が得意そう。目立っていい数字ではないが未勝利では通用する。
3着 レッドベルダンス 4-4-4-4 35.9
好スタートだが無理にハナは取らず出たなりの位置。ちょっとテンション上がりながら追走したが許容範囲。鞍上の仕掛けにスパッと反応するタイプではなくジワジワ伸び、最後は馬場のぎりぎり良いところをロスなく立ち回った分が活きて3着確保。最後の粘り腰はいい。キレる脚はなさそうなので、ある程度流れた展開なら前で粘ってくれるか。前が残る綺麗な馬場なら。差しが決まってくるなら印は下げる。
福島6R 芝1200m
1:10.6
12.7 - 10.8 - 11.5 - 11.8 - 12.0 - 11.8
35.0-35.6
講評
最終週でも時計が出る馬場でこのタイムは平凡。2F目10.8で先行勢が苦しく、その後11.5-11.8-12.0でがっつり緩んで中団の追走が楽になった分の差し決着。前の馬は血統次第だが距離延長で見直してもいいのでは。
1着 ミーントゥビー 6-6 35.1
評価 B
ゲートでうるさくしてそのまま出遅れ。ジョッキーが手綱を引いて抑えながら中団に落ち着いた。直線でかなり鞭を入れられてるがそれに応えてしっかり差し切った。今日は展開も向いたが加速ラップを踏んで差し切れているのは評価したい。広いコースの方がパフォーマンスを上げそう。ダリア賞向き。
2着 キープサインオン 4-1 35.2
出は良くなかったがしっかり追われて先団をしっかり追う形。3コーナーからまくっていき直線でもよく粘ったが2着。まくりながらも最後ほぼ12.0-11.8で締めているのは良い。勝ち上がりは期待できる。馬群から抜けるときに集中を切らしているのは要注意。
3着 メイリー 4-4 35.7
出遅れて追われミーントゥビーと変わらない位置。3コーナー手前で早めに仕掛けに行き外を回しながら前をとらえに行ったが届かず、ミーントゥビーに差されて3着。前半で脚を使った分最後は上位2頭に比べて脚色が衰えていた。それでも完全に止まってはいないので、1戦経験して鞍上が勝手を理解できるなら逆転アリ。
小倉5R 芝1800m
1:52.1
13.3 - 12.0 - 13.0 - 12.9 - 12.2 - 12.6 - 12.1 - 12.0 - 12.0
38.3-36.1
講評
稍重で時計のかかる馬場。その割に2F目12.0は競った方。前半1000mは63.4といかにもな新馬ペースだが、先団が固まったままで競り合いが続き、途中12.2が入るなどタフな内容。それを受けてなお最後12.1-12.0-12.0なら良い内容では。
1着 ジュンライデン 2-3-2-2 36.1
評価 B
口向き悪くもスタートは出た。騎手になだめられながらの追走でレイデオロ産駒らしい。4コーナーから仕掛け、直線では外目の綺麗なところを通ってよく伸び1着。能力はあるだけに気性面の課題が大きい。割とゆったりしがちな札幌2歳Sは怖い。ワンターンのある程度流れるレースの方が理想。
2着 メイショウツヨキ 1-2-1-1 36.2
ゲートまずまずでハナをとったがそこまで積極的というわけではなく前が団子状態のまま運んだ。ジュンライデンとはほぼ鎖のない運びで、直線通ったコースもそこまで悪くなかったが内にヨレた分がよくなかったか。直線のフラつきをみるにこの距離はぎりぎりか。マイルに短縮で見たい。
3着 コンフォルツァ 9-8-8-8 35.9
ゲートの出は良くなく鞍上も無理はさせなかった。直線も残り200m地点で後方だったがそこから一気の差し脚で3着。決め手は間違いなくあるし、もっと前が止まる展開なら差し切れていたと思わせる内容。前が止まらない開幕馬場なら怖いが、そこまで極端でなければ未勝利勝ち負け。
札幌5R ダ1700m
1:45.7
6.9 - 11.4 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.7 - 12.7 - 12.3 - 12.3
30.8-37.3
講評
優秀の一言に尽きる。前半30.8はそこそこの競り合いだが、途中に13秒台を一切挟まず(それどころか一番緩くて12.7)タフなラップ。まともに付き合った先行馬は次回見直し。
1着 ナチュラルライズ 4-4-4-2 36.9
評価 A
スタートはそこまでよくなかったが他の馬がそこまで前に行かなかったのとこの馬自身の前進気勢が強く先団へ。途中首を上げるなど気性面の幼さが見えるがジョッキーがよく抑えた。12.7-12.7の緩んだところでポジションを上げると直線で逃げ馬を突き放した。ゴール後もテンションが高くこの部分が気がかりだが持っているものは破格。良馬場の同コースで同じ勝ちタイムを出したペリエールはその後ユニコーンSを勝った。無事に行ってほしい。2戦目も信頼度は高い。
2着 ベルベルコンパス 1-1-1-1 38.3
スタート良く自然にハナ。外から数頭に競られた分ペースは速くなった。その間もちょっと我慢が効かない感じを出しつつ逃げ。道中も集中しておらず鞍上に躾けられながらだったが直線で後続をしっかり突き放した。今日は相手が悪かったがこの馬もかなりのもの。未勝利頭。
3着 ジーティートゥルー 9-10-10-7 39.0
好スタートを切ったが前を追いかけず前からは離れた位置のイン。これが功を奏してハイペースで垂れた前をしっかりとらえきった。今日は展開に恵まれた感が強く未勝利勝ちまでは期待できない。
6着 モレポブラーノ 2-2-2-3 41.0
逃げたベルベルコンパスを見るような位置で追走したがこのペースはきつかった。それでこの着差ならよく粘れている。同じ条件でもう一回。
7月21日
福島5R 芝1800m
1:50.8
13.0 - 11.4 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.1 - 12.1
36.6-36.6
講評
最終日だが時計が出る馬場出会ったことを考えるとこんなものか。中盤が12.8-12.6でそれほどがっつり緩んでおらず比較的タフ。その流れで最後12.1-12.1ならまずまず良い。上位陣は素直に信頼できるのでは。
1着 ブラックルビー 3-3-3-1 36.5
評価 C
スタートそこそこよく出て先団で追走。若干力みがあってもう少しリラックスしてほしい。3コーナーから進出して鞍上の合図に反応し、しっかり伸びた。ジョッキーコメント通り乗りやすくてクセのない馬という印象。最後いっぱいになった感じが出ていたので距離はこれくらいで。重賞となると数字を縮めないといけないがOP戦なら。
2着 スティーヴバローズ 2-2-2-2 37.0
スタートで暴れたが出るには出てポジションはとれた。こちらもクセがなく素直に競馬ができるタイプ。末脚がしっかり出るタイプではないので勝つにはトラックバイアスの恩恵が欲しい。
3着 クモヒトツナイ 6-5-4-2 36.9
スタート良かったが外枠の分ポジションはとりきれず。それでも先団から離れない位置で追走できていた。最後も外を回したロスが響いて差し切れなかったがもう少し外が伸びる馬場なら逆転はあった。勝ち上がり期待。
福島6R 芝1200m
1:11.0
12.9 - 11.0 - 11.6 - 12.1 - 12.1 - 11.3
35.5-35.5
講評
馬場のわりには全体時計がかかった。前半は11.0-11.6とそこまで競らず、後半も12.1が二つ並んで最後1Fでの瞬発力勝負。ラスト11.3は2012年からの集計で最速だが前半溜めた分と考えると加速ラップでもそこまで大きくは評価できない。
1着 アブキールベイ 5-4 35.0
評価 B
スタートまずまずで中団外。比較的リラックスして走れていた。ペースが緩んでポジションを上げられたところから最後いい脚で差し切った。短距離らしい速いペースではなかったが速い上がりを使って勝てたのはプラス。この先似たような質のレースは思い浮かばないので買い時は難しいが実力はある。1400m戦ならアリかも。
2着 ヴィンブルレー 3-2 35.3
好スタートだが内の馬を行かせて先団の後方。抑え気味だったがスピードがあるからかジワジワポジションは上げていった。最後もいい手ごたえだったが勝ち馬の決め手に屈した。こちらは速いペースの対応力もありそうなので未勝利戦でも信頼できる。
3着 バックアップアゲン 1-1 35.7
スタートはそこまでよくなかったが内枠を活かしてハナにたった。そのままスローペースに落とし込んで最後良く粘った。今日は恵まれた感じが強く2戦目はそこまで信頼できない。ストライドの大きいタイプなので広いコースでもう少し変わっても。
小倉5R 芝1200m
1:10.1
12.1 - 10.6 - 11.5 - 12.1 - 12.1 - 11.7
34.2-35.9
講評
馬場を考えると前半34.2は比較的速い。中盤で12.1が2つ並びがっつり緩んだ分最後11.7が出た。上述の福島6Rと似た形。末脚よりもポジション重視で後ろの組は見直し。
1着 ブルーレース 2-3 35.7
評価 A
スタート良くなくその後の出足もなかったがジョッキーに促されて内からジワジワ前へ。4コーナーで綺麗に馬群から抜け出すと最後もしっかり伸びて完勝。ピッチが速く荒れた馬場も難なくこなしたのはモズアスコット産駒らしい。ジョッキーの判断が活きた一戦だったがそれに応える操縦性の高さは注目。これといった課題もなく完成度が高い。
2着 バイオサファイア 9-7 35.5
外枠からでそこまで先団を追いかけず中団。荒れていない馬場を回れたのはプラスだった。とはいえ前に有利な展開で最後加速ラップを出した勝ち馬に食い下がったのは素直に評価したい。未勝利勝ち期待。
3着 セレーネアステール 5-5 36.7
ゲートは良くなかったが比較的内なのもありポジションは取れた。変にテンションが上がることもなく有利に運べたが最後は速い脚を使えずジワジワ前を交わすのみに留まった。この距離は見限ってもう少し長い距離で見たい。
札幌5R 芝1800m
1:47.8
12.6 - 11.7 - 12.6 - 12.5 - 12.1 - 11.5 - 11.7 - 11.6 - 11.5
36.9-34.8
講評
開幕週で時計が出る馬場なのでレコード勝ちはそこまで大きく強調するものでもないが、やはり優秀。2F11.7とこの距離のわりに競ったがその後一番緩んで12.6、あとはほぼ加速ラップを踏みながらラスト11.5は高い水準にある。カーヌスティまでは馬券に絡むチャンスアリ。
1着 キングスコール 2-2-1-1 34.8
評価 A
スタート良く出て内からの逃げ馬を行かせて差をとらず追走。あまりリラックスしておらず気性的にはギリギリ。鞍上も抑えようとしているのが伝わる。それでも最後は速い脚を使って完勝しており実力は十分。単純なスピードは世代でも上位。気性の危うさは付きまとうのでパドックの気配は要注意。
2着 テリオスララ 3-3-2-2 35.3
好スタートで外の好位。向こう正面でルージュミレネールが上がった行ったのに抵抗してついて行った分脚を使わされ、キングスコールと離された。動いたのが12.1-11.5あたりで特に速い流れだったので致し方ない。逆に言えばこれで粘ったのは実力の証拠。次走勝ち負け。
3着 ショウナンサムデイ 1-1-4-4 35.1
スタートはまずまずだったが促されてハナ。前半は逃げていたが1000m通過あたりでルージュミレネールとテリオスララの捲りに押されて後退。直線は物見をしながらもルージュを差して3着確保。道中変に動いていない分脚は残っていたが、それを以てしてこの差なのは注意。同じメンバーと再戦した場合は逆転される可能性が高い。
4着 ルージュミネレール 8-8-2-2 35.0
スタート良くなく後ろからになった分捲りを迫られた。速いペースでポジションあげて最後も垂れなかったあたり実力は確か。勝ち上がり期待。距離は延長しても。
以上
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