2024/6/8,9新馬戦振り返り

概要

新馬戦のタイム、ラップ、実際のレース映像を交えて振り返りを行います。
講評は1~3着馬と、その他特筆すべき馬について記載しています。
馬名の隣の数字は順に「コーナー通過順」「上がり3F」です
1着馬にはそれぞれ以下の区分で判定をつけています。
ホープフルSまでの2歳戦のおともにどうぞ。
 A: 重賞で積極的に買いたい
 B: 重賞で相手なら。OP戦などでも買う。
 C: OPの相手や平場1勝クラスなど
 D: 現状成長待ち
※予想に繋げるという観点上内容によっては辛口になっています。悪しからず。

6月8日

函館5R 芝1000m

0:57.6
12.2 - 10.6 - 11.0 - 11.4 - 12.4
33.8-34.8
講評
スタートはワイルドゴーアが速かったが、出負けしたヒデノブルースカイが一気にハナを取りに行った(なおここで斜行により裁決が下っている)。その分10.6-11.0と速いラップ。最後もこの2頭の一騎打ちになり、後ろからシュードタキライトが追い込んできて3着確保。前半33.8は同条件2012年以降の集計で最速で、最後も明確に緩んだのがラストの12.4だけ。差し馬を次回上げたいレース。全体時計は良くも悪くもなく平凡か。

1着 ヒデノブルースカイ 1-1 34.8
評価 D
軽斤量と開幕週を活かした逃げ。ワイルドゴーアと競り合った分前半3Fが33.8というすさまじいペースになったがこれをこなして逃げ切った。とはいえスタート自体は遅く、減量あってこその戦法なので次回以降に逃げられるかは疑問。次は函館2歳Sあたりになるだろうが、減量や馬場に恵まれた感が強く、評価しづらい。

2着 ワイルドゴーア 2-2 35.0
こちらはスタート良かったので次も逃げられそう。ヒデノブルースカイと枠も斤量もほぼ同条件、道中のポジションもほぼ同じで最後の末脚の分負けた。未勝利脱出は相手次第。頭で買えるかと言われると厳しい。

3着 シュードタキライト 5-5 34.3
スタートまずまず、押されて前に行った。おそらくそれほどテンの脚が良いタイプじゃない。3コーナーまで順調に運んだが斜行の影響もあってポジションを1つ下げてしまった。4コーナーでも早めに仕掛けられているあたりやっぱりズブい印象がある。とはいえ最後いい脚使えているので、この組では一番内容が良かった。

8着 ペダルブランシュ 3-3 35.1
出脚ついてしっかり進んだ。一瞬かかるしぐさも見せたが、前に馬を置けば落ち着いた。ただ斜行の影響を受けてかなり驚いていて、その後も妙に反応が悪くなってしまった。気持ちの面で競馬が嫌になっていないかは心配だが、着順は度外視していい。まだ396kgと小柄なので、無理に北海道で2戦目使うよりは体を大きくする期間を設けてほしい。余談だが武史は人気しているときにこういう事態に巻き込まれがちな気がする。

京都5R 芝1600m

1:34.1
12.1 - 11.2 - 11.1 - 11.5 - 11.6 - 12.1 - 11.9 - 12.6
34.4-36.6
講評
サニーサルサが逃げてそれをベルビースタローンが追う形。比較的ぴったりと迫った分か、永島まなみ騎手がペースを緩められず、京都芝の高速馬場が相まって2~5Fがすべて11秒台という例のない速さに。そこにラスト12.1-11.9-12.6では捉えきるのは難しかった。逆に言えば斤量差があったうえで2~4着は勝ち馬から1馬身半以内の差まで詰められており、この点は評価してもいい。人気馬総崩れではあるが、上位馬の実力はあると考えられる。

1着 サニーサルサ 1-1 36.6
評価 C
スタート後は幼さを見せたがすんなりと進みハナ。鞍上に抑えられながらで気性の難しさを感じる。ベルビースタローンに競られて11秒台連発のラップを踏んだが、それでも最後はほとんど緩まず逃げ切った。とはいえ着差を考えると減量分で逆転される程度。この後の重賞・OP路線での上積みは疑問。数字も馬場が速い分字面通りに受け取るわけにはいかないが、それでも一定ラインにはあるので条件を選べば。タフなラップであったことを考えると距離延長で見てみたい。

2着 ジャルディニエ 5-5 35.9
スタートはゆっくり。ふらふらしながらも中団につけた。内ラチ1頭分を回避しているのは直線で詰まるのを避けるためか。結局直線ではそこまで外を回さず内ラチから2頭開けたくらいの位置でしっかり伸びた。初戦から速いペースでの追走を経験できたのはプラス。その分ダノンフェアレディのような速い末脚は出ていないが、こういうラップが得意ということは示せた。本馬はアドマイヤマーズ産駒であるが、前傾ラップが得意なのはダイワメジャー産駒もそうだったので、この種牡馬は割とダイワメジャーに似るのかもしれない。未勝利でここまでの前傾になることはないが、引き続き高速馬場であれば勝ちは見える。

3着 バダジェフスカ 7-7 35.6
テンションの上がりやすいタイプなのか、今日は序盤しっかり馬群に入れて落ち着かせていた。また鞍上和田竜二らしく向こう正面でムチ2回入れ、3-4角中間でムチ入れつつ早めの追い出し、直線でもムチ多用とズブさ全開であった。上がり最速は使えているので、未勝利でも相手なら。ポジション取れなさそうなので頭に来るには前がハッキリ止まる条件が必要そう。

4着  ゼンダンハヤブサ 5-5 36.1
このラップで終始外々を回ったのが痛かったか。逆に言えばそれでも後ろに差をつけての4着に来ているから地力はある。こちらはバダジェフスカよりポジション取れそう。このレースの上位4頭は一回ずつくらい買うタイミングが来そう。

東京5R 芝1600m

1:35.1
12.9 - 12.1 - 12.4 - 12.0 - 11.9 - 11.5 - 10.9 - 11.4
37.4-33.8
講評
逃げたのは好スタート決めたハイタイドで、そこまで競られなかったのでゆったりペース。それを外からコートアリシアンが差す形。ほぼよーいドンの新馬戦ではあるが、中がそれほど緩まなかったので全体時計はそこそこ出た。とはいえそこまで充実した内容ではなく、評価しづらい。

1着 コートアリシアン 5-5 33.3
評価:C
大外であったが少頭数で馬群がルーズなこともあり中に入れて中団追走。直線では迷わず外に出した。追われてからの瞬発力は良いものがあり、力強く伸びた。新馬戦は相手関係が大きく開くこともありその分派手な着差も付くので5馬身差自体は評価の対象外ではあるが、上がり33.3を使えるのはGood。とはいえ内容自体はそれほど良くないので重賞での信頼は置きづらい。

2着 ベルリネッタ 3-2 34.3
内枠を活かして上手く2着に入り込んだ。ただ位置取り考えても上がり34.3はかかり過ぎな印象。月末の同条件で買えるかと言われると…。タワーオブロンドン産駒なので短くしてきたら買うかもしれない。

3着 ヴィーデ 6-6 34.0
通ったコースや斤量考えるとベルリネッタよりこちらの方が上だが、6番手で上がり34.0は決め手として薄い。かかるところもあったが馬群にすっと入れて折り合わせるなど新馬教育はしっかりやれたのでこれが今後生きれば。ルヴァンスレーヴ産駒だけにやはりダート替わりで見たい。

6月9日

函館5R 芝1200m

1:09.7
12.3 - 10.9 - 11.5 - 11.7 - 11.5 - 11.8
34.7-35.0
講評
カルミネイションとグランカメリアが序盤に競った分しっかり流れて前半34.7。後半もそれほど緩まなかったが、結局前の3頭で決着。開幕週らしく速い時計で決まった。内容としては可もなく不可もなく、といったところ。エメラヴィは控えて突き抜ける強い内容だった。数字だけ見ると2018年ナンヨーイザヨイ戦に近いか。

1着 エメラヴィ 3-3 34.7
評価:C
控えて速い上がりを使うという優等生の競馬が出来たのは収穫。一方で開幕週であることを考えると数字として物足りないのも事実。函館2歳Sはあってヒモくらいか。かかることなく終始冷静にレース運びができていたことを考えると距離延長もいいかもしれない。

2着 カルミネイション 1-1 35.4
テンよくすぐにハナを切れた。初戦から速い流れを経験できたのはプラス。エメラヴィとの着差を考えると最後かなり止まっているので、血統も考えて距離はこのまま。未勝利戦の頭に信頼するほどではない。

3着 グランカメリア 2-2 35.4
スタートこそよくなかったが促されて2番手。前進気勢も強そう。走り方にまだまだ幼い部分を見せているので精神的な成長は必要。こちらも頭にするほどではないが嫌う理由もそれほどない。

京都5R 芝1200m

1:11.3
12.8 - 11.9 - 12.3 - 11.7 - 11.3 - 11.3
37.0-34.3
講評
ネーブルオレンジが好スタートでそのまま逃げ。少頭数なこともありそれほど競らず前半37.0というかなりのスローペース。これを1列後ろから差してきたポートデラメールを褒めたいレース。逆に言うと前で残した組は次回疑う余地あり。

1着 ポートデラメール 5-4 33.8
評価:A
スタート一息で後方からだったが最後いい脚を使って差してきた。時計自体は少頭数のスローペースだから遅くなってしまったが、内容的には文句なし。洋芝適性次第だが函館2歳Sも視野に入る。

2着 オンザブルースカイ 3-3 34.0
こちらもポートデラメールと同じくらいしっかり評価したい。次回頭でいってもいいかも。この日の京都芝はキックバックが激しいが、ミスターメロディ産駒はこういうパワーの求められる馬場が合うのかも。あるいは本馬のデピュティミニスタークロスが効いているのか。

3着 ネーブルオレンジ 1-1 34.8
モズメイメイを彷彿とさせる好スタートで緩いペースを作りながら逃げ粘った。内容的には上2頭に比べると劣る。未勝利はもっと速く走る必要があるので買うとしても1戦経験してからか。

東京5R 芝1800m

1:46.7
13.1 - 11.4 - 12.4 - 12.5 - 11.9 - 11.5 - 11.3 - 11.1 - 11.5
36.9-33.9

講評
優秀の一言に尽きる。このコースの新馬レコードはもちろんのこと、最初を除いて一番緩んだのが4F目の12.5で、残りは全部11秒台で締まっており、最後も11.3-11.1-11.5と速い上がり。流石の王道デビューといったところか。各馬の着差が大きいので着順を素直に評価するのは厳禁だが、上位陣の実力は十分だろう。

1着 クロワデュノール 2-2-2 33.8
評価:A
好スタートでいったんはハナを取りかけたが外からアルレッキーノが出てきて2番手。初競馬ということもありエキサイトしていた点は今後要注意。直線でも数字通りいい脚を使って追い比べに勝った。直線で集中せず何度も修正されるなど気性面での成長は必要だが、素質は十分。札幌2歳Sとなると1周が気がかりなので、東スポ杯がいいかも。サウジRCなどのマイルはしばらく使いたくない。

2着 アルレッキーノ 1-1-1 34.3
スタート良く控えるように見えたがテンション高くハナを切ってしまった。おそらく騎手としてはもう少しゆっくりスタートして前に馬を置く競馬をしたかったはず。気性の怪しさを考えるとこの逃げが後に響きそうなのが怖い。短い距離の方がいいと鞍上がコメントしている通り、マイルの方がよさそう。未勝利はすぐに抜けそう。

3着 ウィンスタンリー 6-6-6 34.3
のっそりスタート。こちらもかかっていたが幸い前に馬を置いて落ち着けることに成功している。直線でいい脚を使っているがまだ首の使い方がぎこちない。とはいえ控えて差す競馬を覚えたし、上位からは離されたものの走破タイム自体は良いのでオッズがつくなら積極的に狙いたい。

4着 アクアジェット 6-6-6 34.4
デビュー戦だが落ち着いて運び、最後もいい脚を使えている。7人気ではあったが健闘。案外未勝利戦はすぐ勝ちそう。

5着 ライヴバフィ 3-3-3 35.2
この組はここまで拾っておきたい。後半速くなる流れを差がない3番手で追走してよく粘った方だと思う。流石に最後はしっかり止まっているのでマイルで見直し。

以上


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?