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フーリガンのおひたし

あらすじ

殺祭 蜜姪さむいり みつみ

『モップを握れば床は大理石。料理によりをかければ三ツ星シェフ。謎を呼べば深まる逸材女将候補』

そう裏で呼ばれる程のやり手だった。
だが、仕事人では無いし遊び人では無い。
ただ何かの力になって、居場所が欲しい家政婦の卵でもある。

フーリガンのおひたし

 僕はあるアニメ軍のファンだ。
インターネットが一般化するようになってから、個人サイト時代でイキリ続けたおっさんおばさんが『コンテンツを愛している』『コンテンツがつまらない』『俺(私)達が支えている』

と喚き散らす姿がいくらブロックしても消えてなくならない。
囲いの金がなさそうな信者に褒められて更に助長しているから達が悪い。

こいつらさえいなければ…もっと公式も動けるのに。

そんな悩みと共にある招待状が届いていたのを思い出した。
怪しかったが、無料で高級ホテルの扱いを受けられるサービスに当選したらしい。

インターネットよりマシなんだし、偶には息抜きも必要。
僕は招待状に書かれている住所へ向かった。

「ご苦労されているようで。」

眼鏡の似合う女優のようね出で立ちの人が部屋の案内や風呂、マッサージや卓球の相手などなど至れり尽くせりだった。

たった一人の若者が最高のサービスを提供している。
このまま家に帰りたくないくらいだ。

そこで用意された料理も見たことがない国から日本の割烹料理まで彼女は用意してくれた。

本当に無料でいいの?

と質問したら笑顔で「ご心配なさらず。」
だなんて品良く言ってくれる彼女の親切さに根負けした。

それから家に帰り、仕事のストレスが生まれると「またお越しください。」とおっしゃっていた彼女の姿を思い出して電車へ向かった。
働きたくないけど、彼女にいつかお礼をする為に今回だけは生きてみようと思った。

そういえばあのコンテンツの治安が良くなった。
フーリガンの姿が見えない。
荒らすだけ荒らして見捨てたか。
でもこれで居心地はいい。

草陰から。

「わ、分かった。砂かけはしない。だから助け…ぐぁっ。」

モップをあるヒトに擦り付ける女子高生がいた。

「だったら謝罪してから界隈を黙って去りなさい。それが無理だからあんたを出汁にした料理を作りに食材であるあんたを調達しにきたのよ。」

今日もまたいく。

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