【#7】公共性の欠如(途中)

先日、宮台さんが襲われた事件がありましたが、命に別条がなくて安心しました。

さて、その宮台さんの動画を見ていて、そうそう!と思ったところがありました。

「公共精神の欠如」というキーワードが出てきます。16分くらいのところからです。

公共精神を持つことで、神経症的な固執を生まないし、子々孫々に良いコモンズを残そうと思うことができるということです。逆に言うと、公共精神が欠如することで、神経症的に自分の立場に固執します。

これがうちの会社でまさに起きていることです。おそらく日本社会全体の問題でもあると思うんですが、年功序列で上がった役員、宮台さん的に言うと「クズ」なんですが、その役員連中が未来のことをイメージできずに、とにかく今の役職に固執して、自分たちの権限で役員の定年を毎年延長して、死ぬまで役員でい続けようとしています。

「価値観の貫徹」をしようとする人は批判されようと後ろ指をさされようと気にしません。ある価値観、たとえばコロナで落ち込んだ売り上げを回復する、みんなの給料を上げる、働きやすい環境を整える、業界における公益的な教育や研究などに力を入れるというような価値観を貫徹する意思があれば、周りからの批判や後ろ指等々を気にせずに事業に取り組めます。しかし、ただ後ろ指を気にして、批判されないようにイエスマンだけを周囲において、「はだかの王様」といわれても聞こえないふりをして、何とか自分を守ろうとしているのが見え見えです。

数年前に、中期経営計画会議というチームが立ち上がりました。社長が何も考えておらず、中期経営計画を聞かれても全く答えられなくて、株主総会で叩かれたために、急いで立ち上げました。最初のころは、当時40代前半だった、次世代の担い手という人選だったようです。ふわっと、役員会を通さずに社長直属のチームとして5年後の計画を作って欲しいという話でした。それだけ言われても、今の財務状況も、生産計画の進行状況も、販売計画の達成状況も不透明な状況で、どうやって5年後のビジョンを作るんだ?こいつ何言ってんだ?という印象でした。なので、現状分析ができないと計画も立てられない、経営状態を客観的に判断する資料を出してくれ、何度も要求しました。最初は、それは経営に関わることだから見せることはできない。君たちは知らなくていい。というような対応だったので、分析しないんだったら、こんなチームなんて立ち上げずに、5年後は200%の売り上げを目指します。現状は分析できていないのですが、5年間頑張ります。ってしとけば良いんじゃないですか?ポーズだけでしょ?と言ったら、しぶしぶ、超嫌な顔をしながら財務諸表を出してきました。

その後も同じようなことが続いたら、とうとう僕はチームから外されて、結局残ったのは何も発言しない人とイエスマンだけでした。そんな会議が成立するはずもなく、間もなく名前だけが残って、活動しないチームだけが残っています。

これだけ能力がなくて、決断もできず、会社の経営もできていないのにうすうす気づいていると思います。気付いてなければ本当のアホです。ただ、そういう状態でも、公共精神が欠如しているから、自分だけ、自分たちだけが役員報酬をもらい続けられることに固執しています。平社員のボーナスは売り上げとともに下がっているし、やる気をなくした社員が次々と辞めているのに、僕は関係ない、僕は知らない、みんなはビジネスのことが分かってない、と言い続けられるのがすごいなと思います。

誰も話を聞いてくれなくなって、鼻で笑われるようになり、分断されて孤立してしまって、ますます神経症的に固執が強くなっていくのを見ながら、人ってここまでクズになれるんだなと、新しい気付きが得られています。

おわり

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