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ノーサイドゲームと去年のデートの思い出

 泥棒猫です。

 テレビドラマをほとんど観ない。と言うか毎週観れる忍耐力がないというか。でも彼の影響で「ノーサイドゲーム」総集編を先週に続いて今週も観てみた。※彼はほぼ毎日、ノーサイドゲームの最終話を観ながら寝てるらしい。

 もう何百万人のファンに「今更かよ」とツッこまれるだろうけど、面白かった〜。来週も楽しみ。


 ユーミンと闇鍋と大きなヤカンで気絶した人の顔に水をかける、というイメージしかなかったラグビー。しかし昨年のW杯で『にわか』というワードが流行になるほど盛り上がったし、私は彼と地元実業団チームの試合も一緒に観戦したので、思い入れも強くなった。観戦した試合は豪雨の中、一方的に負けちゃったけどそれでもすごい迫力で、初心者でも楽しめた。

 だけどあのデートから9ヶ月近く経って思い出すのは、試合内容じゃなくて。殆ど観客もいない競技場で一本の傘に一緒に入ってくっついて座った時の彼の匂いとか、彼の傘が「車に載せてたのがこれだけだったから。これ娘のだから」と言い訳してたけどメリーポピンズですか?と毒づきたくなるようなコロンと丸いデザインの小さい傘だった事とか(だから私の水玉の傘をさし彼の傘は途中から畳んだままだった)、駐車場が泥だらけの巨大水溜りで「素足&Tevaのサンダルにしといてよかった〜。後でバシャバシャと洗えるから」と思った事とか、でも土曜日の夜に会えるなんて嬉しくて仕方なかった事とか、そんなのばっかり思い出す。

 不倫の恋はいいことばかりじゃないけれど、楽しいことも沢山ある。いや楽しいことがなきゃ、逆になんで付き合ってるの?って感じになる。


 人は思い出だけでは生きていけないけど、思い出がないと生きていくのは味気ない。

 楽しいことを反芻するのが恋の醍醐味なんだ。だからひとつでも多く楽しい思い出を作る。残された時間が若い時のように無限ではないから余計にね。


 この先も何度も何度も思い出すだろうな。きっと、私がやたらと写真を撮るのも、切り取るように焼き付けておきたいからなんだよね。どんな場面も。私の記憶は、視覚的ではなく言語的なので、思い出すたびに感情が足されてしまい、より濃く深くなりがち。


 そんなことを彼に話してたら

「○○(私)の記憶を全部、俺のことで上書きしたいんだ。ホントは。」

 と言う。

 彼は時々、無理なことを言い出すけど、実はそれがとても嬉しい。なぜならば、私も彼が35年前からずっと私のことを好きだったかのように記憶の改竄をして欲しいと思ってるから。どっちもどっちでおあいこだよね、と安心したいの。



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