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濃硫酸、夾竹桃、7ELEVEn、小豆島、かどや、電波塔、本瓦、徳川慶喜、鶏、白蟻、サルベージ船

2024年2月28日(水曜日)
【初春・雨水次候】第五候・霞始靆・五日目

今日は小豆島に出張。本村から宇野、宇野から豊島経由で小豆島土庄へ。

朝日のなか出発

途中、直島の北側の工業地帯側を通る時に、特徴的な8つのタンクが見える。銀色に光るタンクには、辰巳商会・濃硫酸、とある。

左の4つのタンクの前にあるトラスが特殊桟橋

古くは銅の精錬過程から、今は焼却ガスから二酸化硫黄を回収し、硫酸を作る。辰巳商会が硫酸を作っているのかと思っていたら、作っているのは三菱マテリアルで、その硫酸を大量に溜めておいたり、タンカーで運んだりする技術を持っている流通業者さんが辰巳商会だった。なるほど、このタンクとタンカー用の桟橋、特殊なタンカーがそうだったのね。硫酸なんて運ぶの難しそうだもんなあ。

宇野港に着いて、キョウチクトウを見つける。ぼくが一目で見分けられる数少ない植物のひとつ。なぜなら子どもの頃にキョウチクトウでめっちゃ遊んだから。笹舟を作りたかったけれど近所に笹がなくて、キョウチクトウで代用していた。稲毛の埋立地の団地にはたくさん植っていたのだ。葉が笹より厚いので、舟にしても軽やかには浮かない。でもよく遊んだ。散々遊んでから指をしゃぶったり爪を噛んだりすると苦い。これがけっこうな毒らしい。ずいぶん舐めたが大丈夫だったようだ。花はきれいな濃いピンク。葉が茎から3方に出るのが特徴。

なつかしい

宇野でよくお世話になるのはセブンイレブン。セブンイレブンのロゴは7ELEVEnと最後の一文字だけ小文字になっている。最近このロゴの秘密、という記事をいくつか目にした。その理由は謎、多分商標登録上の問題か、見た目のアクセントでは?と書いてあった。

小文字のn

これについて、僕が22歳の頃だから、32年前の話になるんだけど、聞いた話があった。でもデマかも知んない。ネット上では同じような記事が見つからなかったから。元々セブンイレブンがアメリカの会社の商標だった頃には7ELEVENだった。これをライセンスして日本に輸入したんだけど、日本での経営が鬼上手くって、セブンイレブンジャパンという組織ができた。本家セブンと見分けるために、7ELEVEN Japanの「7ELEVE」N Japa「n」をくっつけて、最後の文字だけ小文字になった。その後、本家アメリカのセブンが破産しそうになった時、日本のセブンがイトーヨーカ堂と一緒に本家セブンを買い、日本が本家になった。そのとき、世界中のセブンのロゴを逆に小文字ロゴに変えた。という話。大学に入り直す前の年に、一緒に仕事をしていたフードコーディネーターのおじさんに聞いた。からかわれたのかなー。

なんてことを考えながら、小豆島行きの船を待つ。隣の直島行き桟橋の柱はギリシャ風。でもイオニアでもコリントでもドーリアでもないタマノ式。なぜこういう結婚式場っぽいデザインにしたのだろうか。

神殿風
今日の船はみらい号

小豆島、土庄に着くと、ごま油の香りがする。オリーブの島だが、ごま油。港のすぐ近くにごま油のかどやの大工場があるからだ。

いい香り

港から待ち合わせ場所まで歩く。バスでもいいのだが、余裕を持ってきたので、街歩きをして小豆島を楽しむことにした。しばらく歩くと、背の高い電波塔のようなものが見えてきた。そのアンテナの指す方向を見ると、反射板のようなものが立っている。何らかの理由で電波の方向を曲げているのだろか。真相はわからない。

反射・・させてる?
中国電力土庄変電所の横にある
電気いっぱい
よい
かなりよい
やはり無線用の何か

何だかよくわからないままに、周囲の電柱のかっこよさなどを鑑賞する。

この赤と緑の矢印なあに?
1・2・2・1・リズムが良い
これもよい

謎は残るが先に進む。
小豆島には本瓦が多い。本かわらとは、瓦の平たい部分と半円柱の部分が分かれているもので、古く、重い。支える柱も太い。大きな地震の時は、この瓦を振り落とすので、建築物は無事だったという。

珍しいものだが、街並みが古いらしく、たびたび目にする

時代が下って、軽い瓦と細い柱の家が増え、地震の時に瓦の重みで家が潰れるようになったと、淡路島の瓦屋さんに聞いた。

先を急ぐ。

小豆島にある世界一狭い(短い、だったか?)海峡は工事中。

船も通れなくなっていた
土庄町庁舎
かどや発祥の地

かどや発祥の地の写真を撮っていると、街のおじさんに声をかけられた。かどやの隣の土蔵は5代続いた医者のお屋敷の蔵で、おじさんはこの庭で遊んで育ったという。将軍徳川慶喜が大政奉還のために二条城に行った時、毒殺を恐れて天領から信頼のおける医者を呼んだ。それがこの屋敷の当主だと。彼はシーボルトに学んだ、という言い伝えがあるけれど、気になって調べてみたけど弟子のリストにその名前はなかった。だから多分鞄持ち程度だけど、元々薬師だったから呼ばれたのだろうと。そのようなことが書いてある日誌が蔵にあるという。こういう話を聞くのは楽しい。

歩く。
やはり本瓦がサラッとある。

左が本瓦、三角のところは桟瓦

小豆島は歩いていると、普通の民家の石垣にすさまじい石が使われている。ちょっと信じられないような巨石がゴロゴロ使われていている。さすが石の島。

普通に1メートル以上ある
名建築もいいけど、こういう妙な形の建物が好きだ
待ち合わせのラーメン屋さん

ラーメンを食べた後に鶏を見せてもらう。かわいい。

おじさんめろめろ

打ち合わせ先では大変ポーラスなアイテムを見せてもらった。

シロアリが土壁の中の藁を食べたあと

大変有意義な打ち合わせを終え、帰る。
アーティストのアティテュードに触れた。
帰りも宇野まわり。

かえりはてしま号
豊島で日が暮れる
宇野で1時間待ち
かっこいいサルベージ船を見つけて見物
堪能した

船に触れる機会が多い暮らしは良いなー。
ではまた明日。






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