『忘れられた日本人』宮本常一 著を読んで
総論
この本を読んで、民俗学という学問が好きになりました。日本人とは何か?という果てしない命題に対して、膨大な質的調査から答えを見出そうとする、揺るぎない意志の故に成り立つ学問だと感じたからです。一見地味に見える学問かも知れませんが、蓋を開けてみると生命力で溢れている。問いへの好奇心と執着が私を奮い立たせてくれました。
傍流でいること
渋沢栄一の子、渋沢敬三が宮本に残した言葉で印象的だったものがあります。 「大事なことは主流にならぬことだ。傍流でよく状況を見ていくことだ