ひとりごと 金木犀が好き

金木犀の時期がやってきた。
金木犀の匂いが香ってくると、夏の暑い時期が終わり、涼しさを覚え、甘い香りに堪らなくなる。だが、一つ、許せない。

金木犀は秋の訪れに嬉しさを感じる反面、過去の記憶と複雑な感情を呼び起こす。

今年の秋はまさにそう感じた。


彼女と別れてから、約3ヶ月が経った。
彼女と話し合い別れを告げられる前、別れを告げて独り身になった瞬間からしばらくは正直なんとも思わなかった。なんなら、肩にのっていた荷物をそっと下ろした感覚。つまり、楽になった。

「当分、恋愛はいいや」

と22歳の男が思うのは普通なんだろうか。
確かに、社会人になって仕事で苦労はしているので現実から目を背けるためにも彼女(彼氏)の力って本来は必要なんじゃないの?とは思っている。
けど、一人になった瞬間、気を遣わずに自分のしたいこと、やってみたいことに打ち込めるんじゃないって思い始めた。

1ヶ月が経った頃、やっぱそうだって思った。
仕事をがむしゃらにやって、仕事終わりや休日にはフットサルに打ち込んだり、一人で遠出してみたり、正直楽しくて充実した生活を送っていたと思う。

だが、9月に入るとだんだんと変化が起きていることに気づき始めた。

「もしかして未練あるかも...」

なんて恥ずかしい話だろうか。
あんなハスったことを言っておきながら、やっぱ寂しいんじゃんって...

自分にとって9月は誕生月であり、好きな季節なんだが、いかんせんいい思い出がない。
学生の頃、夏休みが終わって学校が始まったり、大学生の頃はバイトが忙しくてロクに遊びもせず、去年なんて卒論で行き詰まったり、今年に関しては仕事で悩みを抱えたり...


結論:やっぱり9月は嫌い


そういった負のイメージを抱き始めた頃。人間は温もりが欲しくなる。そうすると自然と彼女のことを思い出す。

「今何してんのかなぁ」、「新しい男いるのかなぁ」「俺のことどう思ってんのかなぁ」

さらに仕事が忙しくなり、人生行き詰まってくるとこれがエスカレートしていき

「久しぶりに声が聞きたいなぁ」、「もしかしたら会いたいかも」って思うようになってくる

これはキモい話ではなくリアルな話。これだけ見るとまだ好きなんじゃねって思っちゃう。結局、人間ってこんなもんなんだって今書いてて思う。

電車とか街中でイチャイチャしてるカップルとか見て、自分はそういう人間じゃないと世の中を斜め下から見ているような人間でも結局、ここに行き着く。つまり、誰しも羨ましいと思い、心の中で憧れている。

どうすれば、この感情を抑えられるんだろう。ここで、自分で出した答えは二つ。

①相手がめちゃめちゃ幸せになる

②元カノを忘れるくらい誰かにぞっこんになる


冷静に自分が導き出した答えを振り返って、②は絶望的にない...
なんて他力本願なんだ...書いてる自分も引くほどの素直な感想。
まぁでも、そんなぞっこんになれる人がいれば今更苦労はしてない...

というわけで、「元カノに早く男できないかなぁ」、「早く幸せな写真とかインスタに載せないかなぁ」

複雑な感情から抜け出すのにはもうこれしか方法がない。そう思っていた。
(どうせ元カノが幸せになったらなったでまた闇に引きずり込まれるのは触れないでおこう...)

人を好きになるのは難しい。いいなって思った人でも、ご飯に行きたいとか、遊びたいとか別に思わない。(何様なんだよ...)
例えば、その人と一緒になって付き合って、結婚してっていう将来が全く見えない。だから、その人に近づいてもって思って何もアクションが起こせないのが現実。どうせ、無駄に時間とお金だけが消えていく。それなら自由に自分の時間を楽しみたい。(いま最強にキャンプブーム到来中)

なので、「当分恋愛はいいや」って思う話をここまで書いてきたのだが、元カノに未練を感じ始めたのも本当の話。

答えがいつまでも分からない迷路に迷い込んだ感覚。

そんな複雑な感情を持って23歳になりました。

10月になり、ピークを迎え始めた金木犀の香りを楽しみながら、誰の役にも立たない恋愛話をここに残します。

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