プロ野球の理想のオーダーについて考える〜2番強打者論〜

こんにちは。
今日のテーマは、プロ野球のオーダー(打順)についてです。打順といえば、従来、4番に強打者を置くというのがスタンダードでした。しかし、最近のプロ野球では、2番に強打者を置くチームが増えてきています。
2番に強打者を置くことについてデータとともに私の考えを示していきたいと思います。

*今回は、プロ野球(セ・リーグ)のデータを元に考えていこうと思います。

では早速いきましょう。

はじめに下記のデータをご覧ください。

打順別攻撃力

(@Deltagraphs Twitter引用)

これは、2019年シーズンの打順別攻撃力を示したものです。打者の1打席あたりの打撃貢献がリーグ平均(100)と比較してどれだけ優れているかを表しています。100以上であれば平均以上、100以下であれば平均以下であることを示しています。

このデータを見ると2番の攻撃力は、
1位 読売ジャイアンツ
2位 横浜DeNAベイスターズ
3位 ヤクルトスワローズ

となっています。

続いて、チーム別打撃成績をご覧ください。

打率を見てみると①中日②巨人③広島④阪神⑤DeNA⑥ヤクルトの順で高くなっているのに対して、得点は①巨人②ヤクルト③DeNA④広島⑤中日⑥阪神となっているのが分かります。
野球は、得点をとるスポーツなので得点がより取れる打順を考える必要があります。
このデータを見る限り、2番に強打者を置いているチーム(巨人、DeNA、ヤクルト)の得点は高く、2番打者と得点に何か相関があるようにも思えます。


次にセ・リーグ6球団の主な2番打者と成績を見てみましょう。

【主な2番打者】
○巨人   坂本勇人
○DeNA 宮崎敏郎or筒香嘉智
○阪神   糸原健斗or近本光司
○広島   菊池涼介
○中日   京田陽太
○ヤクルト 青木宣親

【成績】
○巨人 
・坂本勇人
打率 .312 本塁打 40本 犠打 3 併殺打 9
○DeNA
・宮崎敏郎
打率 .284 本塁打 15本 犠打 0 併殺打 13
・筒香嘉智
打率 .272 本塁打 29本 犠打 0 併殺打 5
○阪神
・糸原健斗
打率 .267 本塁打 2本 犠打 11 併殺打 7
・近本光司
打率 .271 本塁打 9本  犠打 14 併殺打 2
○広島
・菊池涼介
打率 .261 本塁打 13本 犠打 28 併殺打 5
○中日
・京田陽太
打率 .249 本塁打 3本  犠打 24 併殺打 10
○青木宣親
打率 .297 本塁打 16本 犠打 1 併殺打 13

これを見ると攻撃力の高い3チーム(巨人、横浜、ヤクルト)は、犠打の数が少ないということがわかります。一方で、その他のチームは犠打の数が圧倒的に多いことがわかります。
逆に併殺打は、大きな相関は見られませんが攻撃力の高いチームに多い傾向があるように思えます。



これらのことから2番に強打者を置くことで、得点に繋がりやすい可能性が示唆されます。一方で、併殺などでチャンスを潰してしまう可能性もあるため少なからずデメリットもあるということが分かりました。

2番に小技の使える選手を置くチームは、犠打の数が増え、必然的にスモールベースボール的な戦略をとっているように思います。クリーンナップに得点圏打率の高い打者などが控えてる場合は有効な戦術だと思います。

それぞれチームによって戦略が異なるためどちらが良いかはわかりませんが2番に強打者を置くメリットとデメリットを考えました。
ただ、データを見る限りでは2番に強打者を置くことで得点力アップが見込めるのではないかということが分かりました。

今後のプロ野球のオーダーについて、どのようになっていくのかが楽しみです。注目してみたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。