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トリチウム海洋放出について

世に相反する意見の溢れる腫れ物的話題なので、中には耳障りとお感じになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ハッキリさせておく必要が高まっていると感じましたので書きます。

放射性トリチウム汚染水の海洋放出問題。

この問題を巡ってはSNS等で異なる意見が牽制し合っており、中にはコメントで知人同士が意地の張り合いを止められなくなり、さすがにそれはちょっと…な表現まで飛び出す始末。
両者の主張内容を要約すると

  A、放出しても大して問題ない大丈夫だぁ
  B、放出はとんでもない大問題で危険だぁ

という事なのですが、どうも噛み合っていない。
僕もド素人なのでなるべくどちらにも偏らない情報ソースになるように意識して調べて見た。

トリチウムがどういう物で今何が問題なのか…
最低限ここ↓は整理して押さえちゃいましょう。

■トリチウムってどんなもの?
・ほぼ同じ化学的/物理的性質の水素とトリチウムは放射性同位体で水から分離しずらい。(そのため放射能を帯びたトリチウム水タンクが年々増えています)

・トリチウムの放射性半減期は約12年で、低いβ線を出して安定元素ヘリウム3になります。

・水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は10日程、有機摂取の場合は40日程で、生物濃縮はしません。

・身体からは出て行きやすく特定の部位に集まって滞留しにくい物質です。(ここがセシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131とは異なるところです)

■今何が問題なの?
・政府と東電はこれまで、ALPS等でトリチウム以外の核種を除去して他の核種は検出限界以下、または基準以下しか含まれていないと説明してきました。

・しかし、その告知濃度限度を超えるヨウ素129が2017年の1年間で60回検出されたました。

・更に、ルテニウム106、テクネチウム99を加えると2017年だけで65回、告知濃度限度を超えて検出されたました。

・そして更に更に、ストロンチウム90の告知濃度限度超過、ヨウ素129とルテニウム106は、昨年から今年にかけての84回の分析のうち45回と過半数で告知濃度限度を超えて検出されたました。


はい、ここまで読んで頂いた皆様、いかがだったでしょうか。
問題は『放射性トリチウムの安全性』ではないことがだんだんと浮かび上がってきました。

これらを踏まえて、改めてハッキリ僕の意見を述べます。

このまま放射性トリチウム汚染水の海洋放出をすることは大変危険で紛れも無い『悪』です。

心配要らぬ大丈夫だ という意見を軽いタッチで流布している方々は少なくありません。
しかしそれは今現在取り沙汰されている『放射性トリチウム汚染水』についての政府/東電の安全説明に嘘がない、というありえない前提においてのみ成り立つ夢幻ではないでしょうか。

当該の汚染水を扱う事業者(東電)や監督者(政府)の主張か到底信じられるもので無い事は前述した根拠の通りです。
それを借り喧伝するというのはとても浅はかで、無責任な噂話でしかありません。

悪気なく安全だと信じ流布してしまったと自覚する善意の方々におかれましては、今からでも訂正を周知しましょう。
自分が伝えてしまった勘違いを消す努力をするのは最低限のマナーです。
これは、人間のみならず地球生命全てに関わる大問題なのですから。

そしてまた、危険だとする方々も海洋放出容認派の『何故?』に対し、危険の根拠を答えられないケースが殆どと思いますので、これを機会に一緒に詳しくなってみましょう⭐


最後まで読んでくれてありがとう。
赤座仁 Dopalfin

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