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ツイデモを終えた感想と新たな概念の獲得に向けて


◆5月5日のツイデモを終えて

先にお知らせしていました5月5日のツイデモ(一斉ツイート)を終えました。
まずはその感想を記しておきたいと思います。
概要はこちら。

最初にツイデモの結果をお知らせすると、指定したハッシュタグ(#ジャニーズスポンサー不買宣言 #ジャニーズ問題 )が2つともTwitterのトレンドに入り、想定していた何倍・何十倍もの人に知ってもらうことができたのかなと感じています。

詳しい内容もさることながら、まずは知ってもらうことが一番重要なことだと思っていますから、一定の成果はあったのではないかと思っています。

それでもまだまだほんの小さなさざ波にも満たない出来事だとは思いますけど、この広がりが実現した背景にはある方のTweetの影響が大きかったのだと感じています。
先のリンク先概要を見ていただければわかりますとおり、私はハッシュタグを2つ指定しました。
今思えば選択肢を提示するべきだったと、これは今になっての反省です。
それに気づかせてくれたのは、ある方の「【不買】に抵抗がある方は #ジャニーズ問題 のタグのみでもかまいません」というTweetでした。
その方は私より前に不買の声をあげ、不買を実践されている方で、私の趣旨も十分に理解してくれています。

そうなんです、不買という消費者として当然の権利に抵抗を感じている方が、日本には圧倒的に多いのです。
ですから、1970年から翌年にかけて行われた松下電器を対象とするカラーテレビ不買運動が頂点で、他には誰の目にも成功したと言えるような日本での不買運動の成功事例はほとんどありません。

SNS発信となるとそれはさらに顕著で、Twitter経由でこれまでたくさんの不買の呼びかけがありましたが、どれも呼びかけ人を中心に少し広がった程度で、そのほとんどは結果として呼びかけ人とその周辺や、コアな賛同人たちの自己満足、単なる憂さ晴らしで終ってしまっている印象です。
もっというなら、それがちょうどいいガス抜きとなって、結果として逆効果になった印象さえあります。

私は自己満足を否定するものではありません。
満足することの少ない日常の中で、それくらいの満足はあっていいと思っています。
しかし、目的を考えるなら、その達成度には程遠いものだとも思います。

不買を「運動」として考えた場合、それを広げるには抽象的ではない、具体的な目的の設定が必要ですし、輪を外側に広げ、一人でも多くの人に参加してもらうためには大義名分も必要だと考えています。
その大義名分がジャニーズ問題を個別具体から社会問題へと導いてくれるのだと。

私がツイデモを5月5日に設定したのは、先リンクの概要にも書きました通り、こどもの日であり、それに合わせた児童福祉週間ということと、NPO法人児童虐待防止全国ネットワークが展開する「春のオレンジリボンキャンペーン」期間の最初の日だからでした。

それでなくとも不買という消費者の当然の権利に抵抗のある日本ですから、やみくもにただ不買・不買と騒いでも、すぐに免疫ができて単なる言葉として消費されるだけで終わってしまうと考えていました。

どうせやるなら表には大きく謳わなくても、いくつもの狙いを持って戦略的にやらなければ狙った効果は得られないと思っているのです。
5月5日のツイデモは「広がり」「認知を得る」という意味で最初の扉に手をかけるくらいはできたのかなという気はします。
すべては、この活動の趣旨を理解し、賛同してくださった皆さん、さらには活動の周知・拡散にご協力してくださった皆さんの成果です。

Twitterは瞬間風速をはかる場です。
一瞬盛り上がって、簡単に消費してすぐに忘れる、その繰り返しがTwitterだと私は認識しています。
それに意味がないとは言いませんが、少なくとも #ジャニーズ問題 をそれで終わらせたくはありません。
それで消費してしまうにはあまりにも根深く、卑劣で深刻な犯罪だと思いますから。

次に私が #ジャニーズ問題 で何か呼びかけるときがあるとすれば、そのときはさらに共感・賛同の輪が広がるように考えたいと思います。
そのときにはまた皆さんのお力が必要となりますので、どうかよろしくお願いいたします。
まずは感謝と共感の気持ちを込めて、ご協力・ご賛同くださった皆さんに「お疲れさまでした!」と声を大にして申し上げたいと思います。

◆新たな概念の獲得

ずっと悩んでいることがあります。
当会の対象は直接的にはジャニーズ事務所所属のタレントをCMに起用しているスポンサー企業ですが、本当のターゲットがジャニー喜多川氏とジャニーズ事務所であることは皆さんにも大前提としてご理解いただけていることと思います。
この活動に関係する対象は大きく3つに分けられます。

①ジャニーズ事務所
②ジャニーズ事務所のタレント
③スポンサー企業

上記3者に加え、参加者であるところの ④ファン ⑤非ファンの一般人 に分類できるかと思うのですが(マスコミやレコード会社等はこの活動に含まないで考えます)。
悩んでいるのは④のファンについてです。

ツイデモが終ったあと、参加していない何人かのジャニーズグループのファンにどう思いながらツイデモを見ていたかと話を聞いてみました。
その中に「不買は自分の推しが責められている感じがどこかにあって、気持ちは賛同できるんだけど、参加はできない」というものがありました。
とても理解できる言葉ですし、最初から内包している葛藤もそこにありました。
ですが、私はファンではないものの、その答えを持っています。
目先の仕事(CM)の心配もわかるけれど、もう少し長い目で見ると、今のままではもっと大きな不利益が推しにのしかかるのは明らかだからです。
今ここでジャニーズ事務所に是正を求めるのと、見て見ぬふりをして放置するのでは、どちらに社会的正義があるでしょうか?
利益というのは大きくいってしまえば社会がもたらすものです。
目先の収入を守ることで、その先の大きな収入や立場を手放してしまうこともあるのです。

……だけど、そうはいってもファンにとっては頭でわかっていながらなかなか踏ん切りのつかないことだとも思っていて、だから私なりに葛藤を続けてきました。

そうした中、少し前に中田敦彦氏が<【ジャニーズと児童虐待】(Johnny's child abuse)>を収益なしで公開したのはほとんどの人がご存じかと思います。
芸能人である彼がこの問題を採り上げたことは、私たち一般人が思っている以上に勇気のいることだと思います。

しかし、私がそれよりもっと見入って聴き入ってしまったのは、その翌日に公開された彼の対談でした。

ハーバード大学准教授・脳科学者内田舞@mai_uchida さんと同級生対談!中田に影響を与えた価値観「沈黙は共犯」
#ソーシャルジャスティス
#ジャニーズ問題
#MeToo_JP

中田敦彦氏が高校の同級生である脳科学者で小児精神科医でもある内田舞氏と対談をしているのですが、そこで語られていることに私はまさに蒙を啓かれた思いがしました。

中田敦彦氏も内田舞氏の著作に後押しされて先のジャニー喜多川氏に関するYoutubeを公開するに至ったのだと吐露しています。
未見の方にはぜひともご覧いただきたいと思います。
特に、推しの利益を考えて #ジャニーズ問題 に触れられないファンの方にはぜひともご覧いただきたく、強く強くお勧めいたします。

私はまだ内田氏の著書「ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る」を読んでいませんが、さきほど注文を済ませました。

著書のタイトルであり、対談の中にも何度も出てくる「ソーシャルジャスティス」という言葉は、日本語に直訳すると「社会的正義」となりますが、私は対談の中の内田氏の話を聞いて「夢見る正義」だと感じました。

「正義」という言葉はイメージとしてあまりにも善悪に依りすぎていて、どうしてもためらいがあります。
誰かの正義は誰かの悪であるかもしれないと思っていますし、簡単に白黒をつけられるものではないと私自身はずっと、今も思っていますが、内田氏がこの著作で使っている「ソーシャルジャスティス」はそのジャスティス(正義)とはちょっと違うのだと感じます。
皆さんはどう感じたでしょうか?
別にここで私が宣伝する義理もないのですが、私に今までなかった考え方を言葉として明確に提示してくれたのは確かです。

以上、皆さんがそれぞれの思いを形にする、行動に移すことでどんなことが起きるのか、それを実感する2点について書きました。

#ジャニーズ問題 は文春で新たな証言者がカウアン氏に続いて勇気を持って実名・顔出しで現れたことで、さらなる進展を期待するとともに、地道な活動をコツコツ続ける励みにもなっているところです。

この問題の深刻さをわかっていらっしゃる皆さんも、どうか諦めることなく、一緒に声をあげ続けていきましょう。


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