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公式に嘘をつく株式会社SMILE-UP.をテレビ局は受けいれるのか?

久しぶりに新規エントリーを書く気になりました。
書く気になったというか、書かざるをえません。
私、驚いています。
何がって、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)ですよ。
SMILE-UP.とテレビ局、そしてスポンサー企業。
驚きと怒りが充満しています。

独立系ニュースサイトのArc Timesを視聴しました。
2月18日夜の番組です。
前半は自民党のあれこれで、後半の1:11:40から旧ジャニーズについての話題。
無料ですので、とりあえず視聴してみてください。

AERAがSMILE-UP.所属のタレントを表紙に復活させたという話から、ジャニーズ事務所がSMILE-UP.に社名変更をしたタイミングで退社したという白波瀬傑氏(元副社長で広報責任者だった人物)が、会社を辞めているはずなのに、今もメディアの窓口になっているという驚きの話が。
それだったら白波瀬氏を登壇させて記者会見をやりなさいよ。
SMILE-UP.社長の東山紀之氏が2回目の記者会見でそう明言したじゃないですか。

Arc Timesおよび東京新聞・望月衣塑子記者の話を前提として言いますが、SMILE-UP.はどうして公の場で嘘をつくのでしょうか?
それだけではありません。
その先の望月記者の話を聞いてびっくりしました。
なんと、4月から、現在はSMILE-UP.に所属している(4月からは株式会社STARTO ENTERTAINMENTに移籍すると思われる)タレントたちの新規CMが目白押しだとのこと。
これはいったいどういうことでしょう?
先日、NHKは「4月から所属タレントの出演は当面なくなると明らかにした」ばかりです。
その理由として稲葉延雄会長は「率直に言って、我々の期待している動きに比べると少し遅い」「被害者の補償とガバナンス体制を含めた再発防止の取り組みはきちっと行われているかどうか。それを早く確認したい」と述べたとのこと。

民放はそうは考えていないのでしょうか?
Arc Timesも言及しているように、本当に4月からCMがオンエアされるとしたら、もっとずっと前にオファーしているでしょう。
民放はいったいSMILE-UP.の何を見ているのでしょうか?
昨年秋から冬にかけて、民放テレビの幹部連中がSMILE-UP.に足を運んで、再発防止の取り組みについて確認をしたなどと報道されていましたが、本当は再発防止についてではなく、こうしたCMや番組出演のお願いに行っていたのではないかと疑ってしまう事態です。
いくらなんでも、菓子折りなどは持参していないでしょうね? ね?

この際ですから、SMILE-UP.の公式ホームページに設けられている「被害補償特別サイト」から、気になる「お知らせ」を拾ってみました。
ちなみに、この「被害補償特別サイト」は、一旦アクセスすると元のSMILE-UP.ページには戻れなくなる“蟻地獄サイト”になっていますのでご注意ください。

まずはこちらから(太字は筆者。以下同)。

■弊社の社名変更と新会社設立及び補償状況について(2023/10/02)
1.弊社の社名変更
《この先SMILE-UP社は、被害者の方々との対話、被害の補償等に特化して活動を行いこれらの役割を終えましたら廃業いたしますが、タレント、社員、ファンの皆様と共に活動して参りました社会貢献活動「Smile Up!Project」は、廃業後もプロジェクトとして継続して活動して参ります》

➡「役割を終えましたら廃業」するのに、Smile Up!Projectは「廃業後もプロジェクトとして継続して活動して参ります」というのはどういうことなんでしょう?
それをSMILE-UP.の公式ホームページで報告するということは、SMILE-UP.とは関係のない「全く独立した会社」だと社長の福田淳氏が言い切っているSTARTO ENTERTAINMENTが引き継ぐわけではないですよね?
そんなことはありえませんよね? ね?

2.新会社の設立(※「新会社」とは結果としてSTARTO ENTERTAINMENTのことになります)
《新会社がエージェント会社となり弊社は補償に特化することを想定しております》

➡すでに方々で批判されていますが、補償に特化した会社だと言っているのに、次々とタレントの活動が報道されて、実際に動いているものがいくつもあります。
タレントは現時点ではSMILE-UP.所属のはずですよね?
これも嘘ですか?

《「新会社では、希望するタレント個人やグループが設立する会社と個別にエージェント契約を結ぶ会社とする予定です」
「新会社では、東山紀之が代表取締役社長、井ノ原快彦が副社長を務める予定です」
「新会社はプロデュース機能やマネジメント機能をタレントに提供し、タレント活動をサポートする予定」》

➡「プロデュース機能やマネジメント機能をタレントに提供」というのはどういうことなのでしょう?
タレントとはエージェント契約を結ぶわけですよね?
それならプロデュース機能やマネジメント機能なんて関係ないじゃないですか。
これも嘘ですか?

3.被害者救済
《「9月21日以降、順次、新社長である東山紀之が被害にあわれた方と直接お会いして、故ジャニー喜多川による性加害及びそれに関する対応を謝罪させていただくとともに、被害補償及び再発防止策の取組状況等のご説明を進めております」
「今後詳細が決定いたしましたら、お知らせいたします」》

➡「東山紀之が被害にあわれた方と直接お会いして謝罪する」というのは実行していますか?
会うことを望まない被害者を除き、東山氏はちゃんと被害者全員に会って謝罪をしていますか?
全員に会って、補償や再発防止の取り組み状況を説明していますか?
嘘をついていませんか?
「全員に会うなんて書いていないじゃないか」などという子どもじみた逆ギレはやめてくださいね。
それなら会った被害者と会っていない被害者を何の説明もなく区別していることになりますよ。

SMILE-UP.は10月2日のこの「お知らせ」以降、現在に至るまで東山紀之氏が新会社の代表取締役社長になっていないことを含め、詳細が決定しているにもかかわらず、新会社については一切触れていません。
詳細が決まったらお知らせすると言いながら、公式ホームページで明らかな嘘をついているのです。

SMILE-UP.代表取締役社長の東山紀之氏ならびに広報担当責任者、そして面談をして改善点を伝えているという各テレビ局をはじめとしたステークホルダーは批判されて然るべきです。
どうして公に嘘をつく会社と取引を続けられるのでしょうか?
ほとんどが上場企業ですよね?
もしかして、「自分たちもSMILE-UP.に負けず劣らずの嘘つき企業で、共犯者だから何も言えない」わけではありませんよね?


以下、ORICON NEWSより、10月2日の2回目記者会見で“卑怯にも逃げた”(ジュリー氏の手紙より)藤島ジュリー氏に代わり、井ノ原快彦氏が読みあげたジュリー氏の手紙から気になった点をまとめて列挙します。

■藤島ジュリー景子氏の手紙全文(2023/10/02)

「ジャニーが裁判で負けたとき」
「私はそんなメリーからの命令でジャニーズ事務所の取締役をされておりました」
「心療内科の先生に『メリーさんはライオンであなたは縞馬(しまうま)だからパニック障害を起こらないようにするには、この状態から逃げるしかない』と言われ」
一人たりとも被害者を漏らすことなくケアしていきたい」
「今後私は全ての関係会社からも代表取締役を降ります
「記者会見に出席せず、このようなお手紙を出すことで逃げた、卑怯だと言われることは重々承知です」
「ジャニーのしたことを私も許すことができません」
「実は多くのファンドの方々、企業の方々から私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております」
「今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切当たりません」
「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたいと思います」

➡藤島ジュリー景子氏は「社名やグループ名からジャニー喜多川の痕跡を一切なくしたい」ではなく、「この世から一切なくしたい」と言っています。
なぜそんなことが一介の私企業の元社長にできると思うのでしょうか?
安倍晋三が首相時代に「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しております」と言ったことを彷彿とさせる言いぐさです。
それに、いくらジャニー喜多川の痕跡をなくそうとも、彼がやった、世界でも稀に見る非道な鬼畜の所業は消えるものではありません。
たとえ日本が忘れたとしても、世界が忘れません。

とにかくね、やると約束した3回目の記者会見を早くやってください。
2回目にやった10月2日からどれだけ経つと思っているんですか。
指名NG記者会見を含め、責任の所在や嘘の理由や事実確認など、確認事項が山のように日々増える一方です。
もしかして、問題を大量にすることで、一つひとつの関心を薄めようとしているのではありませんか?

■故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて(2023/10/09)

《弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております》

➡これも各種メディア(テレビを除く)やSNS等で大批判を浴びたものですので、詳細は割愛しますが、それでもまだ掲載していることにびっくりします。

以上、駆け足でSMILE-UP.が公式に嘘をついたことや、欺瞞に満ちた言葉の数々を指摘しましたが、これでも私が目についたものだけです。
この他に、公式サイトではなく、メディアに答えたことで果たしていないものなどもあって(たとえば、被害者がSMILE-UP.に放置されたり、PTSDだったり、誹謗中傷されたりして死に追いやらてしまった件で、被害者に対する誹謗中傷には法的措置を検討するといったようなもの等)それらの嘘・欺瞞を細かく探し出せばキリがないくらいです。
そういう嘘だらけの欺瞞に満ちた会社がSMILE-UP.という会社なんです。

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【追記】上記同日13:00

故ジャニー喜多川による性加害問題に関する被害補償及び再発防止策について(2023/09/13)

2 再発防止策について
③ ガバナンスの強化
《遂行状況のモニタリングを行い、適宜、公表する》

➡一度も公表されていませんが?
誰が・いつ・何を・どのようにしてモニタリングをしているのか、遂行状況はどうなっているのか、早く公表してくださいよ。
もしかしてこれも嘘ですか?
この件に限らず、耳当たりのいいことはいくらでも並べ立てますけど、その後の報告がないのがこの会社の当たり前になっています。
透明性なんてかけらもありません。
同じページに「弊社は失った信頼を回復できるように全力を注ぐ」などと書いてありますが、実際にやっていることは信頼回復どころかマイナスなことばかりです。
信頼回復なんてとんでもない
SMILE-UP.から常に感じていることですが、国民やファンからの信頼回復など実際にはこれっぽちも考えておらず、“共犯者”のテレビ局や広告代理店、スポンサー企業に対してのダシにしているだけではないでしょうか。
SMILE-UP.が自ら進んでこの問題に対処したことはこれまで一度もありません。
ただの一度たりともです。
全部、世論やメディア、ステークホルダーなどからしつこく尻を叩かれ、ようやく嫌々ながら対処しているといった具合です。

そして、最後はこれです。
《今後1年間、広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません》

➡タレントは新会社に移籍するそうですが、当然これは実行されるわけですよね?
今もそうしているのですよね?
告知だけしておきながら、その後に何の知らせもないからわからないんですよ。
「STARTO ENTERTAINMENTは別会社だから」などという言い訳は通用しませんよ?
SMILE-UP.の公式サイトで何度も新会社のことを告知したうえで、その新会社の社長・福田淳氏は藤島ジュリー景子氏や東山紀之氏、井ノ原快彦氏が面談し、決定した社長なんですから。
公式に告知した以上は必ず実行してくださいよ。
それをしないから嘘つき企業のレッテルを貼られてしまうのですから。

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【追記】2024年2月20日 01:15

最後にひとつ提案があります。
SMILE-UP.は3名の裁判官経験のある弁護士をつけて、被害者補償に対応させていますよね?
それ以外にも、在籍確認が取れない被害者に向けてでしょうか、西村あさひの弁護士にも対応させていると耳にしています。
それとは別に、逆の話はあっても有効だという話がひとつも伝わってこない心のケア相談窓口というのがありますよね。
そうした役割の監視役に、SMILE-UP.がこの件で唯一評価できる仕事をした、「特別チーム」の3名をモニターもしくはアドバイザーとして採用してはいかがですか?
なんなら社外取締役としても適任ではないでしょうか。
それなら地に堕ちたままのSMILE-UP.の信頼も少しは回復するかもしれません。
真剣に検討されてはいかがでしょう?
とはいえ、SMILE-UP.の実態を知ってしまったあの方たちが、そうしたオファーを受けるかどうかはわかりませんが。





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