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やりこんだ一作。ACEシリーズへの情熱が生み出した作品【Project Wingman】レビュー

「エースコンバットロス」に陥った私に。

皆さんはフライトシューティングと言えば、何のタイトルを思い起こすだろうか?私にとっては「エースコンバット」シリーズだ。これまで少なくとも4以降の作品は全てプレイしている(はず)。だが、中々ACEシリーズと同系統のゲームというのは見かけないものだ。

機体情報や戦闘システムなど、中々作られにくい系統であることは間違いないだろうが、根強い人気がある系統だと思っている。かくいう私も最新作である”エースコンバット7 スカイズアンノウン”を2019年当時にプレイしてドハマりしていた。何ならPS4版での実績全解除までやってしまった。そして見事に「エースコンバットロス」になった。

その後、「ACEシリーズのようなゲームは無いものか」と思い、色んなゲームをプレイしながらもそう思うことが度々。

そしてあったのだ。しかもACESの熱烈なファンが作ったというではないか。
それが、”Project Wingman"だった。

そんな”Project Wingman”は一体どんなゲームか。

2020年12月にSceter D2、中でもアビ・ラフマーニーという人物が単独で開発の多くを行ったインディーゲーム。ジャンルとしてはコンバットフライトアクションとなっているが、エースコンバットファンによるエースコンバットファンが作ったそんな作品といって差し支えない。

ストーリーモードとコンクエストモード(アーケードモード)の二種類が用意されており、登場機体は仮名を用いて表記されている。
ストーリーモードでは、「大厄災」と呼ばれる自然災害によって文明が崩壊した世界で、傭兵団のパイロット”モナーク”として戦場を駆けるという設定だ。個人的にはこの設定部分でもかなりACESの影響を受けているなと強く感じた。特に0、6の影響はかなり強いと思う。

そしてACES同様、戦闘時のBGMに力が入っている。各ミッションごとに異なるBGMが設定されており、ボリュームは万点。作曲者であるJose Pavli氏の手腕と情熱を感じられる曲で溢れている。よって戦闘時の没入感はまさにACESを彷彿とさせる仕上がりになっている。

ミッション内容としても、空戦はもちろん対地戦闘、特殊兵器との戦闘まで色々ござれな上、敵エースとの死闘、ACESファンメイド故のファン歓喜ミッション達が揃えられている。

がしかし、ムービーシーンはない。

ACESファンの私が惚れたポイントは…

大量の敵機、地上目標を相手にするシーンが多く、1ミッションのボリュームは大きく、やりごたえは抜群だった。中でもACE6の”グレースメリア解放戦”を彷彿とさせるミッションがあり、これがもうたまらない。

敵エースとの戦いというのもACEシリーズの大きな魅力だが、私はこの「大量の敵を相手にする」というスタイルが一番刺さっている。
空戦でも対地、対艦戦でもやっぱり数を相手にできる快感が欲しいのだ。

それを叶えてくれたことが何よりも楽しめた要因だと思う。加えて、敵エースとの死闘は文字通り手に汗握る戦闘だった。ムービーシーンが無いということで若干ストーリーに入り込めないかと思っていた節があったが、「戦うことで入り込む。」というのが正解だったようだ。
そう思える。

そして、本作のBGMだが、これも素晴らしい。ACESをしっかり意識しつつもオリジナリティを感じる曲だらけだ。特に"Kings"は必聴だ。まさに決戦、それでいてどこか恐ろしさを感じるあのテイストには聞き入ってしまった。YoutubeにもostはPavli氏本人のチャンネルからアップロードされているため、それだけでもまず聞いてみてほしい。

他にも戦闘システム、機体、兵装、そして操作感がACESをやっていれば十二分にプレイできるものであった、馴染み深いシステムであったことも非常に嬉しかった。しかも難易度が結構シビアだったのも嬉しい誤算だった。

最後に。

私はこの作品を実績全解除までやりこんだ。
それが答えです。
ACESファン、新しいジャンルに挑戦してみたいPCゲーマー諸氏は是非挑戦してほしい作品だ。
重ねて申し上げるが、音楽だけでもまず聴いてみてほしい。
求めていた空がそこにある。




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