専門科目レビュー
以前Twitterで「専門科目のレビュー書いたら需要ある?」って聞いたところ、割とあるっぽかったのでレビューを書いていきます。単位取得難度と感想は超主観です。なお演習科目、全学共通科目は省略します。
凡例
■授業科目名(担当教員名)・単位取得難度(易・並・難)
個人的な感想
*2019/03/14:2019年度担当教員変更、カリキュラム変更について追記。
*2019/08/30:民事訴訟法を追加、一部難易度変更・2019年度の試験結果等を踏まえた追記を行いました。
*2020/02/13:民法4、行政法4、商法4、特別講義(実践知的財産法政策の形成プロセス)を追加。その他一部加筆修正を行いました。
○法学部入門系科目
■政治学の基礎(上川)・並
内容はそれなりに難しい。試験も勉強しないと解けない。けどちゃんと勉強してたら単位は取れると思います。政治学に興味があるか否かを問わず法学部生は取っておくべき。
■法学の基礎(中山・三阪・福井・坂口)・易〜並
「法学の基礎」というよりは「基礎法概論」。とりあえずこの授業では「法的三段論法」が理解できればOK。期末試験は中山or福井の問題を選ぶと単位を取りやすいです。
*2019年度の担当教員は三阪・福井・坂口。
■憲法入門(高井)・並
統治論・人権論を幅広く扱います。授業回数が15回かつ入門科目なのであまり学説などには深く立ち入りません。授業はレジュメを読み上げるだけ。なので授業に出るよりはレジュメの内容をしっかり理解することができるかを重視すべき。まあ法学部の専門科目ほとんどに言えるけど。
*カリキュラム変更により2019年度は不開講。新たに憲法1(高井)が開講。
■民法入門(大久保邦)・難
私の専門科目唯一の落単科目です。許さん。とはいえこの科目は法学部で法学を学ぶための必須の知識が散りばめられているので(特に講義序盤は「民法入門」というより「法解釈学入門」みたいな授業。)受講を強く勧めます。もしこの講義の単位を落としてしまっても「俺民法向いてへんわ…」とか「法律学むずすぎ!退学したろ!」とか思う必要はないです。
*カリキュラム変更により2019年度は不開講。新たに民法1(武田直)が開講。
■国際関係論入門(湯川)・並
国際政治学の入門講義。授業に出て、メモを取って、しっかり復習すれば難しくないはずです。まあ出席が難しいんですけど。
*2019年度は担当教員が変更。
■法政情報処理(養老)・易
リーガルリサーチとエクセルのいじり方の授業。講義に出て話聞いてれば単位は余裕です。これはちゃんと出席しましょう。ここで学んだ知識は今後のゼミとか、日常的な場面でも役に立ちます。
○法学部専門科目
・公法系科目
■憲法1(高田)・易〜並
憲法の統治論について扱います。正直授業の内容は難しいです。教科書をしっかり読んで、内容を理解した上でないとおそらく完璧な理解はできないと思います。ところがどっこいテストは持ち込み可(レジュメは集めておきましょう!)かつ成績はゆるっゆる。落単率は驚異の低さです。ぼくもほぼノー勉でテストに突っ込んでCを取りました。ただ、今になって「もうちょっとちゃんと勉強しとけばよかったなあ」って思ったりもします。
*2019年度は突如不合格率が激増した模様。法相(?)で出回っているカンペの丸コピには非情にも厳しい採点がなされているようです。
■憲法2(村西)・並
主に人権論を扱います。こちらも授業のレベルは高いです。教科書を読んで、授業に出席してメモを取って、しっかり復習することが不可欠です。たまに飛び出す毒舌トークが面白かったりします。
■行政法1(高橋)・易?
行政法総論を扱います。正直内容はよくわかんなかったです。よくわかんないままテスト受けてよくわかんないまま解答書いたらなんか知らんけど単位出ました。ちなみに行政法1〜4は毎年先生が入れ替わるのであまり当てにならないかも。
■行政法2(長谷川)・並
行政法総論(特に行政処分)についての講義。長谷川先生の説明はかなり分かりやすく、抽象的な行政法の規定もすんなり理解できます。レジュメもとても丁寧です。もう全部長谷川先生がもってくれたらいいのに。
*2019年度担当教員は大久保規。
■行政法3(長谷川)・並
行政訴訟法についての講義。ほぼ同上。
*2019年度担当教員は大久保規。
■行政法4(長谷川)・並
国家賠償法・損失補償についての講義。行政法2の記述を参照。
■刑法1(島岡)・並
刑法総論を扱います。授業中に抜き打ちテストがあり、その成績が割と単位に響いてきます。頑張って出席しましょう。試験は判例を題材とした論述試験なので、教科書の他に判例集(百選で足ります)をもっておくと勉強しやすいです。なお18年度は担当教員が変わっているので注意。
*2019年度担当教員は豊田。
■刑法2(島岡)・並
刑法各論を扱います。総論に比べて論点が多くなるのでしっかり勉強しましょう。あとは同上。
・私法系科目
■民法1(松井)・並
民法総則・物権(所有権)についての講義です。講義に出席して重要な論点・判例をしっかり理解できればそんなに難しくはないはずです。代理権、時効、所有権のところは特にしっかり勉強しておきましょう。
■民法2(武田直)・並〜難
債権各論(契約法・不法行為法)についての講義です。とりあえずめちゃくちゃ分量が多いです。理解してしまえばそこまでアホほど難しい訳ではないのですが何にせよ分量が多い。そのためキャパオーバーして単位を落とす人が続出します。授業1週目から復習する習慣を身につけておきましょう。
*2019年度担当教員は高。
■民法3(平田)・難
債権総論・担保物権についての講義です。えぐいぞ。
*2019年度担当教員は斎藤。
■民法4(青竹)・並
親族法・相続法についての講義。教科書だけだとキャパオーバーになるのでレジュメは集めておきましょう。授業内容を理解するのにはまあまあ時間がかかりますが試験は基本的な問題しか出ません。
■商法1(清水)・並
商法総則・商行為法の授業。レジュメと教科書をしっかり読み込んでおけばそんなに難しくはないと思います。試験の際は「商法の問題なのか、会社法の問題なのか」に注意するように!
■商法2(久保)・並〜難
会社法の授業。こちらもレジュメと教科書、および条文のだいたいの位置関係をしっかり勉強すればBかCは取れると思います。分量は多いけど。教科書だけだと分かりにくかったりすると思うので授業への出席を勧めます。久保先生の話は面白いし説明もわかりやすいのでちょっとでもモチベがあれば有意義な時間になると思います。モチベないなら受けない方がいいです。
*2020年度以降は商法1として開講予定(らしい)
■商法4(津野田)・並
金融商品取引法の授業。ミクロ経済学の理論にも触れながら、インサイダー取引や公開買付け規制などのメジャーな法規制を学びます。金融市場(株式の取引とか)についての知識がなくても丁寧に説明がなされるので、興味のある方はぜひ。経済法や商法1・2よりも法律色が濃くなく、経済学部生にもおすすめの講義です。逆に法学部生の方には事前にミクロ経済入門(室岡)や経済学部開講のミクロ経済学の受講をお勧めします。
・訴訟法
■刑事訴訟法(松田)・並
授業で強調されたポイントがテストに出ます。なので授業に出るのがいいと思います。試験は判例よりも理論の部分が聞かれるので、あまり判例を意識しすぎた勉強をしすぎると失敗しちゃうかも。
*2019年度は不合格率が5割近かったらしいです。何書いたら5割も落ちるんや?
■民事訴訟法(仁木)・並
法学部では珍しい板書形式の授業。予習→出席→ざっと復習で内容は割と理解できます。授業ではかなりマニアックな学説対立の話もされますが、判例通説の立場を理解しておけば試験は対応可能です。範囲がクソ広いですが、試験問題の難易度はそこまで高くない(論点が簡潔)のでちゃんと勉強してたら単位は出るはず。勉強せんかったら知らんけど。勉強くらいしてくれ。
・社会経済法、知的財産法
■労働法(地神)・並
教科書予習→授業で判例とかの知識を補足→ざざっと復習の流れで割と理解できます。結構ためになる話題も多いので受講して損はないと思います。
■経済法(武田邦)・難
独禁法を扱います。また、講義の中で最近の社会経済情勢についても触れられるので就活とかにも役立ったりします。ただ内容は難しく、自習で補わないと試験もかなり厳しい面があるので興味がある場合だけ受けましょう。経済学部向けにも開講されていますが、経済学部生の受講はお勧めしません。
■知的財産法1(茶園)・難
特許法を扱います。初学者にはかなりレベルが高いです。全学共通教育科目「知的財産モラル」の産業財産権法分野の内容をしっかり理解しているくらいの前提知識がないと難しいと思います。成績評価は期末試験+中間レポート。採点はかなり厳しいです。興味ないのに受けるのはやめとけ。
■知的財産法2(秋山)・並
著作権法を扱います。担当教員は2018年度の後期に文化庁から着任された方なので授業慣れしてない面がちらほら見られました。そのせいか著作権法を「広く」「深く」「政策論も交えて」話されるのでめちゃくちゃカバーする範囲が広いです。しかも試験は論述5問、六法貸与なしという地獄っぷり(なお成績評価は2回の課題+期末試験)。単位に対する労力が見合わない気がかなりするので、正直オススメできません。2019年度以降はもうちょいマシになってるかもしれんけど。
■特別講義(知的財産の潮流)(青江)・易
出席して、コメントシートちゃんと書いて、期末レポート書けば単位出ます。知財の話もしますが、レポートには知財の知識はほとんど(というか全く?)求められません。2限の時間に教室に来れたら勝ちです。
*担当教員が懲戒解雇されたため2019年度以降はおそらく不開講。
■特別講義(実践知的財産法政策の形成プロセス)(秋山)・?
法学研究科知的財産法プログラムと合同開講の授業。講義で立法プロセスを学んだ後(第1〜7回)、過去の著作権法改正のケースをグループで調査・発表し(第8〜10回)、最後に著作権法改正のプロセスをシミュレーションする(第11〜15回)という流れで授業が進みます。演習形式・グループワークで授業が進んでいくので毎週のように課題があり、質も高いものが求められます。「時間や単位に余裕があって」「著作権法の知識が十分にあり」「法律の制定や改正のプロセスに興味がある」方には受講をお勧めしますが、そうでないなら無闇に手を出さない方がいいと思います。ちなみに知財だけには自信のある私でも何も分からなくなって鬱っぽくなったり、この授業のために2回ほど徹夜したりしました。受講する人は覚悟しましょう。
・国際法
■国際法1(村上正)・並
国際法の導入部分(領域とか)を扱います。ちゃんと話聞いてたらそれなりに何とかなると思います。
*2019年度担当教員は真山。
■国際法2(和仁)・並〜難
条約法とか、あとなんか色々やる。興味無かったらやめとけ。試験は持込可ですがバンバン落ちます。(なお2018年度は村上先生が担当、試験は持込なしでした。試験終わった後Twitterで受講生たちがお通夜ムードだったので興味無かったらやめとくべきやと思います。)
・基礎法
■法社会学(福井)・易
結局何が言いたかったんかよくわからん授業。中間レポートと持込可の期末試験で成績が決まります。今年度は試験を受験した人は全員合格してました。ただ2019年度以降持込を禁止にするかもみたいなことを講評で示唆されていましたので、あまり舐めすぎないほうがいいかも。俺らの学年がアホすぎたせいです。ごめんな!
・政治学科目
■日本政治史(瀧口)・並
明治維新くらいからの日本の政治史を扱います。大学入試で日本史を選択したみんな、おめでとう!3日前から高校日本史の参考書とレジュメ見ながら勉強すれば単位は取れます。日本史を選択しなかったみなさんは講義に出て、頑張って勉強してください。
■政治学原論(濱本)・並
政治学のトピックを幅広く扱います。この講義を受けてみて、政治学面白いな、って思ったら3年次以降政治学を専門に勉強してみてもいいのではないでしょうか。ちなみに2回課される「任意の」レポートは提出しておくことを強く勧めます(2017年度は任意のレポートを提出して期末を受けたのに、それでも落ちた人がチラホラいたので、保険をかけておくという意味でも出しておくべきだと思います)。
■特別講義(政治行動論)(松林)・易
有権者や候補者・政党の行動を分析してみた!みたいな授業。講義に出席して、試験前にスライドと教科書を見返せば試験は難しくないです。授業もとても面白いですし、授業内で発言すればその分成績に加点されるので出席しましょう。
・その他
■特別講義(ロイヤリング)(法曹実務者)・易
阪大卒の弁護士の先生方が週替わりで講義を行います。レジュメを集めて、それを試験に持ち込んで、レジュメの内容に基づいて解答を作成すれば単位は取れます。あまり言い方はよくないかもしれませんが、「ボーナスステージ」みたいな授業です。
○経済学部専門科目
■ミクロ経済(安田)・並
初級〜中級のミクロ経済の講義です。主な内容は需要供給分析、消費者行動、生産者行動、独占、ゲーム理論、公共財、外部性。講義の内容を理解して、過去問がある程度できれば単位は取れると思います。ただ毎年先生が変わるので注意が必要。
■特殊講義(行動経済学)(大竹)・易
毎回出席して講義の内容を理解し、小テストでそれなりの成績が取れていれば、期末試験を受けずにSとかAを取ることができます。授業の内容も日常に応用できるような、面白いものばかりなので受講をオススメします。
○基礎工学部専門科目
■情報技術者と社会(情報科学科教員)・易〜並
講義に出席して、毎週与えられるレポート課題を提出すればいいだけです。トピックとしては情報技術者に求められる倫理規程や、インターネット上のプライバシー、名誉毀損、犯罪、知的財産について等。文系でも理解できるので、情報技術に興味があって法律の面からそれらと関われる方法・部分を知りたいという方にはオススメです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?