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限界オタク、福井に行く

何があったとは言わない。

「これからどうやって生きていけばいい?」

気がついたら同じアイドルを推している大学の友人にこのようなLINEを送っていた。アイドルオタクは現場がなければ基本暇であり、そして基本フッ軽である。1分後には「おっ、死んじゃう?」「東尋坊連れて行くわ」と返ってきた。というわけで弾丸福井の旅が決定。ただ男2人で東尋坊に行くというのは金銭的にもビジュアル的にも厳しい。側から見たら完全に飛び込みにきた二人組である。そこで誰か他の人を誘おうとなったのだが、アイドルオタクというのは基本閉鎖的なコミュニティである。友達が少ない。「共通の」が頭につけば尚のことだ。そこでこれまた同じアイドルグループを推しているオタクを誘い、謎の三人組で東尋坊に向かうのであった。なおドライブ開始のBGM1曲目がSHE IS SUMMERの『とびきりのおしゃれして別れ話を』だった。大丈夫かな。

途中賤ヶ岳で休憩。

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これではエナジードリンクではなく紫である。

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朝ごはんに「きんつば」を購入。名前こそ聞いたことはあったが食べたことはなかったのでいい機会だった。結局何なのかよくわからなかったが。

喫煙所で一服し、モンスターエナジーの匂いが漂う車内で福井を目指す。

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会津ICから東尋坊へ

東尋坊に近づくと突然眼前に広大な海が飛び込んできた。恐怖さえ覚えるようなデカさと青さに身体が少しばかり震える。東尋坊タワーの駐車場に車を停める。駐車場のおっちゃんから「東尋坊は初めて?」と聞かれ「あ、はい…」と答えると我々の表情から何かを感じ取ったのだろうか、少しの間を置いて「…ちゃんと帰ってきてよ」と言われ、苦笑せずにはいられなかった。さすが「自殺の名所」と呼ばれるだけのことはある。

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東尋坊タワーから東尋坊へ向かう道には商店が並ぶ。通り全体から磯丸水産の匂いがした。

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そこは船越英一郎じゃないんだ。

通りを抜けると、広がっていたのは雄大な自然であった。

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デカい海。自然のまま放置された岩、崖。容赦無く襲いかかる波。手すりも、柵も、ロープも何もない。本当に足を滑らせたら最後、我々を飲み込むことに何の躊躇もないthe earthがそこにはあった。

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生にはあまり執着がないつもりでいたが、しっかり恐怖を覚えた。死に方は選びたいと思った。

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自然には絶対に勝てないということを思い知らされただけでもここに来た意味は十分にあると思う。「東尋坊にきたら、自分がちっぽけに思えてくる」と聞いたことがあったが、まさにその通りで、これだけの自然を見せつけられて「これからどうやって生きていけばいい?」と最初LINEを飛ばしたときの自分はもう存在していなかった。

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まあなんか色々言ったけどめちゃくちゃ綺麗でした。あとめっちゃ寒かったので上着かなんか持っといた方がいいと思います。

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これ完全にスタb…

いい感じにお腹も減ってきたところで、福井にいる知り合いのオタクの方からオススメされた「ヨーロッパ軒」で腹ごしらえをすることに。「まあ福井と言えばソースカツ丼っしょ」と同行者が言っていたが、そんなものがあることを全然知らなかったなんて言えなかった。

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結構な人が来てるみたい。弟が必殺仕事人の熱烈ファンであるせいか、空野青空よりも火野正平に反応してしまったのは反省したい。

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カツ丼930円。ご飯の上にソースがたっぷりかかったカツが3枚乗っていた。ちょうどいいボリューム。ご馳走様でした。

お腹もいっぱいになったところで、同行者②の希望で御誕生寺を目指すことに。御誕生寺は「猫寺」としても知られており、捨て猫や傷ついた猫を保護していることで知られている。らしい(Wikipedia調べ)。着いたらちょうど餌の時間だった。

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あまりにも数が多いので溢れちゃう猫も。

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屋内にも。あざとい表情するね。地下アイドルにいたら他メンバーから煙たがられるやつだよ君。

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みんな猫に夢中で誰も本堂なんか見ていなかったが、クソデカ仏像が置かれてあり、その迫力は物凄いものであった。巨像恐怖症の友人が見たら絶叫していただろう。

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しっかり猫もいる。毛並みまでしっかり彫られていて感心した。

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し、幸せになりて〜〜〜〜〜!通りがかりのおじさんが鐘を鳴らしていたので、おこぼれでも幸せを貰えていたら嬉しいな。

まだ若干時間に余裕があったので、米原方面まで戻り、映えスポットを目指す。

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着いたのは醒ヶ井。青春18キッパーにはお馴染みの米原の隣の駅である。こんなところに何があるんだとお思いの方も多いかもしれない。自分も「変わった駅名だなあ(小並感)」くらいにしか思っていなかった。この近辺は旧中山道の宿場町だったようで、今もその頃の雰囲気を街並みに残していた。

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めっちゃいい(語彙力)。湧水の源であり平成の名水百選にも名を連ねる「居醒の清水」を目指してさらに進む。

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本当に水が綺麗。飲めるレベル。飲んでないけど。

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道中の寺院に貼られていた。なるほど、深い。

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どういたしまして。

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「暴力追放の店」って書いといて真下にそのマーク付けるのどうよ。思いっきり刃物持ってるけど。

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看板に「パワースポット」って書いちゃうんだ…

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いや、ショボいな。

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パワースポットはしょぼくてちょっとガッカリしたが、そのすぐ横が湧水スポットだった。こっちのほうがパワーありそう。

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beautiful.

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すぐそばには加茂神社が。デカい鳥居ってワクワクするよね。

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神社から醒ヶ井の町を見下ろす。桜の季節とか、夏に来たらもっと綺麗なんだろうな。


ここで時間もちょうどいい感じになったので大阪へ戻ることに。ということで1日かけて福井→滋賀を限界オタクで巡ってみたところ、意外と限界ではなかった旅の様子でした。ただ3人中2人がペーパードライバーだったため運転者はひとり限界を迎えていました。本当にお疲れ様でした。

大自然を前にすると本当にいろいろどうでもよくなる、というと言い方があまり良くないし語弊があるけど、間違いなくリフレッシュはできるし何より旅をすることは楽しいので「こんなところ何があんねん」とか「行ったことね〜」みたいな場所でもぜひ行ってみて。声かけてくれたら条件次第で同行します。車の運転はしませんが。

またどこか行ったらこんな感じでゆるっと上げたい。では。

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