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好きな音楽特集【J-POP編】

 どうも皆様こんばんは、お久しぶりでございます。あっという間に7月を迎え、1年も半分近くが過ぎ去ろうとしています。今はジメジメとした嫌な暑さが続きますので、お体には充分お気を付け下さい。

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 今回は以前いただいた上記の内容についてのお話をしていきたいと思っています。お伝えしたい情報が余りにも多いのでジャンル別に仕分けて、記事を書いていきます。という事で今回はJ-POP特集です。後にはサブカル特集やHIPHOP特集も控えておりますので、お楽しみに。外部の動画サイト等に公式の映像がアップロードされている際はリンクを載せておくので気になった曲を聴きに行ってみてください。

サカナクション『シーラカンスと僕』

 『シーラカンスと僕』は表舞台にでない曲で、聴けるのも『kikUU-iki』(汽空域)というアルバムか『魚図鑑』のプレミアム限定盤かライブ演奏でのみ。5分以上あるメロディに対したった16行の歌詞を載せるサカナクション楽曲特有の贅沢な音楽の使い方をした作品です。夜空の暗さを深海から海面を見上げた時の様子に例え、3.5億年も姿を変えずにいるシーラカンスに日常の中で変わっていってしまう「僕」が思いを馳せる曲。自身の居場所を走りながら探し続ける事に疲れてしまった「僕」は、ビル街をシャロー(浅瀬)に例え静かに目指します。ありのままの姿でありのままの居場所でただのんびりと遊泳するシーラカンスは自然であり自由で素直で、そんなシーラカンスでありたく「僕はシーラカンス」と歌う。でもそれは比喩にすらなってなくて、今の「僕」と「僕」の目に映るシーラカンスは似付きもしない、そんな生き方はできていないからこそ、半ば空元気に半ば自虐的に語る、そんな楽曲。それまで籠っていた歌声が一気にクリアになります。水の中に潜った際に周りの騒音が遮断され、澄んだ音が聴こえる感覚を思い出させる演出が好き。楽曲中で最も好きなのは「曖昧な若さを無理に丸めゴミだとした」の歌詞。珍しくゴミという強い言葉が使われていますね。無理に丸めたのだとしたらそれは本来ゴミにならないモノであり、若干の自己憐憫が顔を覗かせておりそこが良いですよね。自己嫌悪を無理やり自分に言い聞かせながら、丸めて捨てたそれは本当にゴミなんでしょうかね。それを捨てれば、古くて原始的なシーラカンスであれるのか。それを捨てる事は真の意味で「僕」のままであり続ける条件たり得るのか。……なんて事は一切考えずに、ただボーッと聴き耽っていたい。そんな曲でした。

NONA REEVES『NEW SOUL』

 私が初めてNONA REEVESに触れたのは小林賢太郎公演の主題歌であるこの『NEW SOUL』を聴いた時でした。別れと新たな歩き出しを描いているのにも関わらず、明るい曲調でポジティブな気持ちを描いているのが好きな部分です。既に旅立った後の「あいつ」との思い出を振り返りながら今一度自分を見つめなおしています。別れに対する表現としてとてもNONA REEVESらしい形に収まっていると思います。決して暗くならずに、笑顔で見送ってあげてる雰囲気があって。この曲の制作秘話は検索すれば山程出てきます。どういう意図でこの曲を作って、誰に向けてのメッセージなのか、何を思って歌っているのかなど。曲の解釈における正解が知りたい人は調べてみても面白いかも知れませんが、相当無粋な事なのでオススメはしません。

PIZZICATO FIVE『東京は夜の七時』

 ピチカート・ファイブの代表曲『東京は夜の七時』です。今では下火となってしまった渋谷系を象徴する伝説の曲で、椎名林檎がカヴァーしたのさえ5年も前。渋谷系は後のJ-POPに強い影響を与え、シティ・ポップ→渋谷系→現代J-POPへと精神的な文化がバトンされていく事となります。昨今レトロブームの再燃によりシティ・ポップ、昭和歌謡、渋谷系など懐かしさを感じさせるのに決して色褪せない、そんな音楽の再評価が起こっている気がします。さて、この曲は「私」が「あなた」に逢いに行く道中の歌。逢う約束は夜なのに朝から浮足立って、とても可愛らしい。レストランは潰れてるし、街の輝きは嘘みたいだし、東京が決して楽しく明るいだけの街ではなくて、その陰りさえも「私」の生きる東京という街な訳です。冒頭で見ていたおかしな夢、これはきっと「あなた」がバラの花を抱えて待っている夢。そんな一見すると嬉しい夢も「私」にとってはおかしな夢に感じれらます。少し悲しい気がしますね。最後まで「あなた」に逢いたがっていて、逢えたシーンが存在しないのも感傷的で好きなポイントです。

フレデリック『オドループ』

 フレデリックはこの『オドループ』を引っ提げてメジャーへ殴り込んでゆきました。踊る事が主題なのでこの曲自体もノれるダンスナンバーになっていると思います。語感やリズム感を大事にしている曲なので、聴き心地が良くて聴いているだけで楽しくなるタイプの音楽です。意味があるんだか、ないんだかよく分からない歌詞も、詳しく見ると韻を大量に踏んでいたりします。夜に泣いてる「あなた」と笑顔で待ってるダンスの関係性がこの曲に彩りを加えている様で、励ます様に「あなた」の手を引いて夜に連れて出してくれるのは笑顔のダンスなの滅茶苦茶良くないですか。またこの楽曲はMVと合わせて観る事で何倍も楽しくなります。映像のセンスが卓越でずっと観ていても飽きませんし、何よりカッコいい。この曲が異様な程に外国人人気が高いのはそういう非言語でも感じ取れるカッコよさやハイセンスな演出が魅力になっているからなんだと思います。

ネクライトーキー『オシャレ大作戦』

 ネクライトーキーを知ったのは友人に教えて貰ったのがキッカケで、この『オシャレ大作戦』ともう1曲の『めっちゃかわいいうた』がファーストコンタクトでした。特徴的な歌声とアイロニカルな歌詞に対して演奏というか音作りが正統派なのが好きです。後日にボカロPで有名な石風呂Pがギターの朝日さんだと知って、ビビり散らした思い出があります。石風呂Pの曲では『ゆるふわ樹海ガール』や『ワンツーハロー』等が大好きだったので、このバンドには遅かれ早かれ惹かれていたんだと思います。この曲はひたすらに今を皮肉っていて、言ってしまえば捨て鉢の20代を歌っています。リアリスティックで悲観的で、やる気も才能も金もないのに、世の中への不平文句は一丁前に垂れ流して。未来も見えないけど逃げ道もないからやるしかなくなってしまった「僕」の歌。自虐的であり鼓舞の歌でもある、そんな曲です。

松任谷由実『あの日にかえりたい』

 ユーミンと言えばもうラブソングです。『あの日にかえりたい』以外にも『Hello,my friend』や『青春のリグレット』と紹介したい曲は数え切れないですが、この楽曲を選びました。しっとりとしたバラード調で紡がれる未練タラタラなこの感じ大好きですね。自分でちぎった写真をつなげてみたり、能天気に笑っていたきのうの自分をにくんだり。もうあの頃の「わたし」にも「あなた」にも戻れないのは泣く程に理解しているのに、どうしても忘れられなくて、一縷の望みを捨て切れずにアドレスを「あなた」の部屋の扉にはさむ。こんな物悲しくていじらしいラブソングを単なる失恋ソングで終わらせないユーミンが凄く好きです。だってこんな事したって絶対縒りが戻る訳ないのに、「わたし」も絶対そんな事分かってる筈なのに。きのうは笑えていたのに、今日は泣きながら写真をちぎっているんですよ。青春時代から寄り添い合う程の関係だったのが、長い長い年月を経てもう修復できなくなってしまう程に壊れてしまった結果今日別れを告げられたって事で。だからこそ今更アドレスを残しても「あなた」が連絡してくる訳ないんですよ。というのを多く語らずとも曲調とあの歌詞で理解させてくれるのも彼女の魅力であり、歌手としての手腕でもあると思います。

矢沢永吉『時間よ止まれ』

 永ちゃんの超絶ヒットナンバー『時間よ止まれ』は一夏のアバンチュールと知りつつも深く深く落ちて往く男女を描いた楽曲です。永ちゃんの渋みが「おれ」のハードボイルドな恋模様にピッタリとマッチしていて、燃える様なマチガイにハマっていく様がありありと表現されているのが良いですね。夏っぽくノスタルジーな演奏が、夕陽に照らされた砂浜を眺めてる様な情景を浮かび上がらせ、永ちゃんの類い稀なる作曲センスが光ります。そっと目を閉じてじっくりと聴き惚れていたい、そんな曲だと思います。この楽曲は永ちゃんによる作詞ではなく山川啓介氏によるもので、キャロル以後の永ちゃんを形作るキッカケとなった曲です。今聴いても、新鮮な気持ちで聴けるのがとても好きな理由です。

槇原敬之『軒下のモンスター』

 この『軒下のモンスター』についてああだこうだと語るのはそれこそ無粋だと思いますし、大分直接的に表現されている曲なのでただ聴いて貰えると嬉しいです。「ススキが隠すようにざわめきだす」という詩とそこから音が増えていくのが特に好きです。

スキマスイッチ『奏(かなで)』

 スキマの代表曲でありカラオケの定番曲。落ち着いたシックな音色と独特な甘さのあるボーカルによって紡ぎ出される別れの歌です。初めの方は語る様に優しい歌声なのに、1サビ2サビを経てのCメロで噛み締める感じに力を込めて歌ってるのが沁みます。こんな感じで失恋とも少し違う別れを歌う曲も大好きですね。17年も前の曲なのに今でも人気なのはやはり多くの人に刺さるって事なのでしょうね。

椎名林檎『茎(STEM)~大名遊ビ編~』

 『茎(STEM)~大名遊ビ編~』小林賢太郎公演の主題歌。全歌詞が英語で構成された和の曲です。聴いて貰えれば私の言っている意味が分かると思います。この曲は『』の歌詞を英訳したモノで世界を崩さないまま落とし込んでいる凄さ。多少意味が異なってしまう部分はあるものの、同じ尺でここまで作り込むのは大層難しいでしょうに。英訳と日本語歌詞の違いや差を比べながら聴くのも楽しいですし、自分ならどう訳すかを考えてみるという楽しみ方もできます。しかも両方ともまあ言葉が美しい。英訳の歌詞に至ってはこんなに制約があるのに、小気味いいライミングなんて忍ばせています。そういうテクニックとかを気にしないで聴いても、この曲の面妖さだったり艶めかしさが彼女の歌声、荘厳な音色、息遣いから感じ取って頂けるでしょうからそれを雰囲気で楽しんで下さい。椎名林檎の枠はこの曲にするのか、『丸ノ内サディスティック』にするか悩みました。

JUDY AND MARY『Brand New Wave Upper Ground』

 伝説的なポップロックバンドであるジュディマリからはこの曲です。皆さんにとって馴染み深いのは『そばかす』の方かも知れませんね。ボーカルのYUKIは椎名に次ぐカリスマ女性歌手として一線を画す存在になりましたね。『Brand New Wave Upper Ground』は荒々しくも心地良いギターと力強いボーカルが織り成す爽やかな曲です。テクニカルなギターのギュンギュン音が格別。歌詞は儚げな夏を武骨に彩ったモノになっており、「2人」のこれまでの旅路とこれからの行き先を歌っています。単純な夏曲では終わらないというのもジュディマリの魅力ですね。この曲は1年程度の休止期間の後に発表され、曲の完成後にリーダーから解散の意向を伝えられたようです。

宇多田ヒカル『Flavor Of Life』

 数多もの名曲を生み出している天才・宇多田ヒカル。彼女の曲で最も好きなのは『Flavor Of Life』です。リンクではBallad Versionになっています。デビュー曲として『Automatic』を引っ提げて世間に衝撃を与えた齢15の天才少女は、1stアルバム『First Love』で日本ポップ界の新たなパイオニアの地位を確立しました。後にも先にも「J-POP」は彼女から始まったと言っても過言ではありません。その後も曲を出す度、ヒットナンバーに。今回紹介する『Flavor Of Life』とその1年後に発表された『Prisoner Of Love』は未だに強い人気を誇る名曲です。さて『Flavor Of Life』は元々テクノポップで、ダイナミックな一方で仄かにダークな雰囲気が楽しめる曲になっています。チャカポコチャカポコしていて可愛いです。でも一般的なのはドラマ用にアレンジされたバラードの方で、こちらは落ち着いた弦楽器主体のアレンジになっています。こっちは音に奥行きがあって趣き深いのが良い。ヤキモキした関係をflavorに例えているのはよくある手法なのにちゃんと染み入る歌詞となっているのが彼女の凄い所です。

アリス『冬の稲妻』

 フォークというジャンルの殻を破ったとされるアリス。デビューで躓いた彼らでしたが、ウッディ・ウーの『今はもうだれも』をカヴァーした事で人気を博していきます。『冬の稲妻』はアリスの存在感を今一度世間に知らしめた1曲。フォークソングでありながらドラムスが居るグループ構成は当時斬新そのものでした。彼らが当時草分けの時代であったニューミュージックというジャンルそのものを押し上げる事となります。ローテンポかつ郷愁的な曲作りとなっており、チンペイの「ッアー……」という抜ける溜め息の様なブレスが味です。多分ヴィブラスラップをボイスパーカッションで再現しているって事なんじゃないかな、と思っていつも聴いてます。惚れて、別れて、残されて、と冬の大失恋を綴った曲で、渋めの声でこれを歌うのが格別です。楽曲そのものから香るバリバリの古臭さもアクセントになってます。

KEYTALK『MONSTER DANCE』

 今回の記事タイトルはこの『MONSTER DANCE』からサンプリングしています。正直このバンドは最近知ったのでまだちゃんとディグれていませんでした。フレッシュなダンスナンバーとして強く印象に残ったので挙げさせて頂きました。何度も変調する曲なので最初はリズムにノるのが難しいかも知れませんがハマれば楽しくなる事間違いなし。MVも凝っているのが現代アーティストらしくて良いですよね。昨今はこんなに集まって騒げないので少し羨ましく映ります。何にも考えないでノリノリになれるのがこの楽曲の特徴です。上記で紹介したダンスナンバーとはまた違ったムードがあるので聴き比べても楽しめます。

 という訳で以上14曲(リンクを含めたら計25曲)を「好きな音楽特集【J-POP編】」として紹介致しました。これ本当にJ-POPか? って曲もありますが、一応どれも広義のJ-POPにカテゴライズされると思います。この他にもまだまだ好きな曲はありますがキリがないので。今回とは別にアニメ・ゲーム・インディーズ・マイナーを集めた【サブカル編】と日本を中心としたHIPHOPを集めた【HIPHOP編】が残っていますので気軽にお待ち下さい。まだ答えてないマシュマロで好きな映画とか本とか知りたいという質問が残ってるのでそちらもいつか。書き溜めた記事でゴメンね。またね。

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