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『ナカノ先輩でスポットライト』編集後記

 今回はTwitterにあげた「ナカノ先輩でスポットライト」の編集後記です。まずはナカノさん『ノーマルタイプ縛りで殿堂入り』の完結おめでとうございます! 本当は完結から2~3日くらいで投稿していなくちゃいけなかったんですが,どうも手が進まずにズルズルと引きずっていたらこんなに遅くなっちゃいました。

キッカケと参考

 今作を作ろうと思ったキッカケは2つあって,1つ目はフェルディナント氏の『【ガルパンMAD】スポットライト』を見つけた事にあります。ご覧になれば分かる通り今作はこの元動画の構成をベースにしています。元動画ではアニメ映像に加え漫画版や果ては同人までを素材とし,静止画MADの中でもエフェクトより素材の味を全面に押し出した作りです。動画制作の練習的な意味も込めて今回はこの元動画を参考にしています。
 2つ目の理由はナカノさんがバーズデーイラストを募集していた事です。何か送ろうと思い,この時期くらいから制作を始めました。上記の動画を見つけた事もあり,このネタで行くかとなった次第です。
 参考・引用したモノは先程あげたナカノさんのポケモン動画シリーズとフェルディナント氏の動画,そしてCreepy Nutsの『スポットライト』でした。楽曲の方は2番から終わりまで使っており,1番は動画時間の関係上カットしました。

制作過程の話

前章でも述べた通り元々は誕生日企画での作品だった筈です。この誕生日企画の時点で動画はPart10のネズ戦まで投稿されており,それらを使って半分程を作りました。そこからどうしても埋まらない部分が多過ぎた為に,企画への投稿を断念し完成はシリーズの完結まで引き延ばされる事となります。
 つまりPart1~10を使っているシーンは大体が誕生日企画用に制作したところ,いわば制作前期に当たります。そしてPart11~16までを使用しているシーンはシリーズ完結後に埋め合わせた,制作後期というわけです。この制作期の大きな隔たりによって今回の作風が若干異なっている気がします。

意識していた事

 MADなんて滅多に作りませんから比較的とっつきやすい元映像+文字で仕上げました。まず何よりも気を付けたのが歌詞の内容に映像がマッチしているかについてです。基本的な事ですが最も苦労した所ですし,これを優先させ過ぎたが為に制作が一旦頓挫しかけてるわけで。視聴の際はこういう事かなぁ位の感覚で見て貰うと分かると思います。選んだシーンには選んだ理由があるっていう感じです。

DD - コピー (2)

 例えば0:30の「修羅場」のシーンはPart9のスランプを脱したホップが相棒であるバイウールーを久しぶりに戦闘へ参加させる所で,自身の修羅場をくぐり抜けたシーンと解釈し抜粋してます。単純な場面で言えば「雑音」はエール団,「ヘイト」は改心前のビート,「周りの目」はスタジアムの観客を置いてます。
 その次に注力したのは文字関連でした。今作は飽くまでもメインがポケモンやキャラクター達であり,文字は彼女らの邪魔にならない程度に添えられるオブジェクトにしようと心掛けました。キャラに被らない,読みにくくしないという2点はなるべく守ったつもりです。文字登場時では1文字ずつにするのか,スライドしながら透明度をいじるのか。文字は動くのか,固定のままなのか。文字の色は白字に黒縁か,その逆か,全く異なる色なのか。考える事が多くて辟易してました。難しい……。
 3番目は細かい事ですが隣り合うシーンで同じ構図を用いない事でした。歌詞毎にシーンを区切っていますが,そこで連続して似た場面を映してしまうと一気に陳腐になってしまうんですね。同じキャラを連続で出すとなっても片方は後ろ姿,もう片方は斜めの煽りから真っ直ぐ歩いてくる姿だったりとできる限りの工夫は試みました。
 最後は意識という制作意図という程ではありませんが,勝手にストーリーを仕立ててます。今回の使用楽曲が『スポットライト』という事で,この歌詞が誰視点の曲なのかを私なりに考えて作りました。「擦れていた主人公が前向きに成長しチャンピオンになる話」でもあり「それが適わなかった主人公以外の話」でもあって欲しいなと思った故にこんな感じになりました。だからこそ今作では部分的にこの両者の視点がクロスフェードするバースがありますし,それが分かる様にシーンも選んだつもりです。ただ言ってしまうと元動画シリーズの主人公である「ナカノ」はプレイヤー同様に曇りのないキャラなので「そこは歌詞と違うのでは?」とご指摘を受ける場合にはごもっともな事で,私の実力のなさや表現の乏しさの由縁です。

文字演出あれこれ

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 今作は明朝体を多く使っていた気がします。個人的に装甲明朝さんが好きすぎて今作だけでなくとも多用してしまう傾向にあるので,もっと多様なフォント選びができるように精進したいです。明朝体はゴシック体と違って瞬時の可読性には欠けます。恐らくこの手の瞬間に文字が出るような動画にはゴシック体の方が適当でしょう。内容や場面で適したモノを使えるようになりたいです。
 文字が重要なMADですから読みやすい且つスタイリッシュな演出を目指しました。縁取り,影付き,光彩,ぼかしを駆使しました。これらを用いれば文字が読みにくいとなる事も減りますし,何よりも違和感を与えずに自然と受け入れて貰えます。今作の様にカラフルな背景の上に文字を配置するとどうしても見えづらさが残ります。ですからデザイナーさんがよくやるこれらの手法を活用しました。
 デザイナーさんがよくやる手法としてもう1つ取り入れたのが文字を揃えるという事。上図のように文字サイズを調整して四角に納めるとスッキリするそうです。制作後期ではこうした前期では知らなかった技術とかも試しています。

今後の課題

 前述した通り文字フォントをもっと上手く使いこなしたいですね。使える手札が多いのはお得ですから。沢山フォントが手元にあっても使うのはいつも同じになっちゃう癖を治したいって話です。
 画面の綺麗さにもこだわっていけたらなと考えてます。今作では色調補正を導入する事で光源を目立たせたり,コントラストをハッキリさせたりしていますが,まだ真価を発揮できずにいるのが心残りです。他にも今まで一切使用しておらず,未だに使い方の分かっていないカメラ制御もできるようになりたいですね。
 文字関連で言うとイージングやアニメーション効果にも強くなりたいです。今作は特にイージングを一切使わないという自堕落な編集でもあったので特にそう思いました。イージングは使えると表現の幅も広がりますし,カッコよさや見やすさに直結するんですが,如何せんどの番号がどの動きかを一々確かめるのが億劫で。図表一覧もあるのですがイマイチ動きが想定しにくくて……。使いこなせれば強い味方になるんですがね。そんな感じです。

最後に

 久しぶりのMAD動画という事で勝手も分からず右往左往した結果,案の定完成が延びるというていたらく。情けないですね。何はともあれ投稿も完了し暖かい声を沢山頂いて嬉しい限りです。まだまだ語り足りない事が山程ありますが「これが解釈の答えです! 見て見て!」としちゃうのはダサいので控えます。私はここまで書いておいて何をのたまっているんでしょうか。
 今作が気になった方は是非ともフェルディナンド氏の動画やナカノさんのポケモン動画を見て欲しいですね。勿論Creepy Nutsの楽曲も。結局は私の実力というより参考元の底力に助けられていますし,一生越えられないです。
 フォロワーとの遊びで作ったまま,未発表になっているMADが3作残っているので公開されたらまた解説をしたいです。それらは今年の1~5月に掛けてそれぞれ制作しており,今作で用いたテクニックの土台となる前衛MADでした。こういう過程で作風が変わっていった,この手法を取り入れるようになったのはどれを制作した時点だという事のお話しもできたらなぁと思っている次第です。
 質問等ございましたらコメント欄でもDMでも受け付けておりますので,些細な事でも何かありましたらお答えさせて頂きます。長々とお目汚し失礼いたしました。それではまた。

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