ぼくのエッセイ

名前は『まめ』。みんなからは、『まめまめ』とか『まめんぼ』とかって呼ばれる。

もうすぐ1歳7ヶ月になる。赤ちゃん。
あ、赤ちゃんだと思っていたら、3歳になるイトコにもう赤ちゃんじゃないって言われた。
じゃあなんて言う?
それはまだ習ってない。

好きな食べ物は、キノコ、ワカメ、納豆。あ、果物は当たり前すぎてカウントしてないだけ。

得意なことは体を動かすこと。
ジャンプもできるし踊りも上手だよ。滑り台もブランコも一人でできる!
一人でできるのになぜかママはいつもついてくる。
まあ嫌いじゃないけどね。

あとはお喋りも得意!
起きてるときは基本的に話してるよね。
でも、どうやら周りにはあまり伝わってないみたいで、時々イライラする。

苦手なことはスプーンを使って食べること。
手の方が早いし、美味しいと思うんだけど。
おばあちゃんちに行くと、スプーンを使いなさいって言われる。
お母さんはいつもは何も言わないのに、おばあちゃんの家ではスプーンで食べるよう言ってくるから困る。
でも、なぜか納豆だけはお母さんが食べさせてくれるんだよね。

今日の朝もいつも通りに始まった。
まだ1日とか時間とかよく分からないけど、明るいとか暗いとかは知ってる。
明るいときは外に遊びに行ったりする。
暗いときは寝る。眠くなくても。

今日はママ、、あ、これはみんなが言うパパってこと。
「パパ」って本当は言えるし知っているんだけど、パパのことをママって言うとみんなが笑うから。
だからずっとパパのことをママって言ってたら、パパは諦めたみたいで「パパだよ」って言わなくなった。
こっちも今更パパって言いにくくて。

だからうちにはママが二人いるんだけど、でも分かりにくいからここではパパって言うことにする。

それで、今日はパパが家で仕事をする日だったから、パパが朝ごはんを用意して食べさせてくれた。「ツウキンジカン」がないから、ゆっくりできるんだって。
朝ご飯なのに、昨日の夜ご飯のものを出すのはやめてほしい。
昨日は食べたからって今日も食べるとは限らないよ。
出来たてだったから食べてあげたの。
早くバナナを出してよ。あるの知ってるよって冷蔵庫を指差して文句を言ったらパパが出してくれた。

どうしてパパたちは、僕が野菜やお肉を食べたら嬉しそうにしするんだろう、果物やお菓子はまだ食べるの?って顔をするのに。

ご飯を食べたらテレビの時間。
何回見てもアンパンマンは飽きない。
見てるようで本当は見てないのかもしれない。いつ見ても新鮮な気持ちで見られる。

アニメを見終わったらすぐ外に出たい。
下で仕事をしてるパパの様子も見たいし、公園にも行きたい。
ママはいつも何してるの?お化粧だってしてないのに何にそんな時間がかかってるの?

やっと出かけられる!と思ったらオムツを変えられる。
まだいいよ、朝まで大丈夫のやつでしょ?早く行こうよ!
オムツを脱いだらどうも走り回りたくなる。締め付けがないって最高!これが本能ってやつ?

また外へ行くのが遅くなる。

・・・暑い。暑かった。甘かった。外は暑すぎる。ベビーカーも暑いし。
もっとお茶を飲んでこればよかった。
とは一瞬思ったけど。ママ、そんなに何回もお茶を勧めてこなくてもいいよ。欲しかったら言うよ、「ちゃちゃ」でしょ?

それと、いい加減ベビーカーは卒業したい。段差でガタンとなるのも好きじゃない。まぁ楽だけどね。

公園についたらとりあえず砂場。水を汲んで砂場に流しに行くのが仕事。
ママがちょっと嫌そうな顔をしてるのは知ってるけど、でもこれが仕事だから。水を服や足にかけながら流して、泥を手でコネコネするまでが仕事。僕って玄人。
誰にも止められないよ。一回で終わるわけないでしょ?
いいから早く蛇口をひねってよね。アシスタントが必要なんだよこの仕事には。

仕事が軌道に乗ってきた。そんなとき決まってママが言う。
「そろそろ帰ろうか?」僕はいやいやと首をふる。
これは最近覚えた。これをすれば無理にされないことを知った。
今までは「うん」しか知らなかったから。
早く教えてほしかったよ、いやいやの仕方。

いやいやはしたものの、「じぃじのところ行こうか」の誘いにつられてベビーカーに乗った。

パパの方のおじいちゃんとおばあちゃんは、二丁目公園からの帰り道にある家に住んでる。
本当は、三丁目公園の方が家から近いんだけど、二丁目公園へ行って、二人に会って帰るのがいつものパターン。
行ったら、おじいちゃんはいつも僕を膝に乗せてジュースを飲ませてくれる。
あまりにもどろんこの日は別だけど。

お腹も空いてきた。パパが待ってる家へ帰ろう。
お昼はなんだろう。また残り物なら怒るよ。
お味噌汁にはワカメも入れてね。
・・眠くなってきた。

ママの声が上からする。まだ寝るな?お昼を食べてからにしろ?
うーん、勘弁してほしい。出るのが遅くなったのはママのせいなのに。
ベビーカーの揺れが気持ちいい・・・。

また起きたらね、おやすみ・・・。