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✔︎通水時のチェックとポイント(改修工事の給水編)

給水配管における「通水」とは、作業のキリ(テスト後・器具付け後など)や最終チェックで行う、いわば「最後の砦」です。ここで確認を怠ると予期せぬトラブルが起こったり、最悪は部屋が水浸しになってしまったりします。

そこで通水時に必ず確認すべき事項をまとめたチェック項目とポイント一覧を作りました。内容は主に事故の起こりやすい改修工事の給水に関してです。


☑︎その系統の末端は全て止水されているか

まず最初に確認すべきは、「通水する系統の末端が全て止水されているか」ということ。末端とは以下のようなものを指します。

  • 止水栓や蛇口

  • プラグ(またはテストプラグ)

  • 将来用などのバルブ

これらの末端が切りっぱなしの状態になっていれば、通水したらそこから水がジャブジャブ出てきてしまいますよね。なので全ての末端が止水されていることを確認した上で通水すべきです。

面倒でも、大丈夫だろうと思っていても必ず確認しましょう。

☑︎バルブを開ける際に人数を確保できているか

通水時はバルブを開ける時だけでも2人いた方が良いです。なぜなら、バルブの操作範囲から目が届かないところで漏水している可能性があるから。

バルブを操作中はどうしてもその場を離れるわけにいきませんから、開けながらもう1人に系統の確認をしてもらいましょう。私も経験上、どこかから水が出てしまっていて「止めてーっ!」と叫ばれたことが何度かあります。

☑︎バルブは少しずつ開ける

バルブを開ける際はいきなり全開はNGです。なぜなら、万が一漏水があった場合に一気に水が出てしまいますし、急激な圧がかかることで古い配管に影響を与えてしまう可能性もあるからです。

なのでまずはほんの少し開き、エアーが入った水が流れる音がなくなるまではゆっくりと開けていくようにしましょう。2人以上いるならば、その間はコミュニケーションをとって異常がないかを確認するようにしてください。

逆に1人でやっているならば、少し開けた状態で一旦系統を確認するのもありです。ただしすぐにバルブの操作に戻れる状態にしておくべきです。

☑︎メーターなら水車をよく見る

住戸の通水ならばメーターを開けて通水することが多いです。その場合はエアーの音がなくなり水が止まったように感じてもメーターの水車が止まることを確認します。

普通は器具から水を出していなければ水車は完全に止まっているものですから、少しでも水車が動いているのなら漏水の可能性もあります。もちろんエアーの関係もあります。

ですので、メーターを開けた時の水車の状態は最後まで落ち着いて確認するようにしましょう。

☑︎エアーを抜く

水圧テストをかけた後でも、器具付けなどで水を抜くことがほとんどですから、管内にエアーは必ず溜まります。通水時はこのエアーをしっかりと抜くことが大切です。

例えば住戸ならお客様に引き渡した後に器具からエアーが出れば、クレームになるケースもあります。また、空調機ならばエラーになって運転に支障をきたすこともあるのです。

エアーは意外としつこく残るので、通水時はできるだけ全ての末端からたくさんの水を出して、エアーを取り除きましょう。

☑︎サビに注意

改修工事ではバルブで水を止めてその先から更新、というようなケースも多いです。その場合、通水時は既存のバルブを開閉することになりますが、その際に内部のサビが混じってしまうことがあります。

これは普段は管内に止まっているサビが、バルブを閉めることで刺激され、更に再度水を通すことで剥がれ落ちて流れてしまうからです。

ですから既存のバルブを開閉する際はバルブの効きも含めていつも以上に注意しながら通水しましょう。

☑︎十分なフラッシングをする

フラッシングは配管が完了した後に管内のゴミや不純物を流し出す作業です。どんなに慎重に丁寧に施工したとしても、ゴミ・ホコリ・不純物を100%防ぐことはできません。接着剤・切粉・サビなど以外にも、有機溶剤の臭いもついてしまっています。

状況によっては器具を接続してからでないとできないこともありますが、基本的には器具を通す前に汚れや臭いがなくなるまでジャバジャバ水を出しましょう。フラッシングを怠ると、お客様の器具のストレーナーが詰まって水の出が悪くなったり、臭いが気になるとクレームが来たりしますので。


まとめ

配管への通水時はこの記事の内容は確実に押さえてください。せっかくテストまで順調に終わっていたとしても、最後の通水で事故が起こればそれまでの努力がまさに水に流れます。引き渡しまで気を抜かずにに、気持ちよく作業を終えましょう。


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