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「成功させないことが成功」というお話

僕が「あー、あの牡蠣の人でしょ」と言われるようになる前のまだ「殻付き生ガキの伝道士(結局、牡蠣ですが)」だったころのお話

人生の最後になにを食べたいですか?

で「牡蠣」って言ってくださる方がおりましてね

そこは介護ホーム

基本的に介護ホームは生物、さらには牡蠣厳禁なんですけども、もう長くないってことでご家族の方が特別に許可をとられて実現しました

まぁ、断る理由もないですし、なんとなく良いことをして悪い気はしないので、その介護ホームに牡蠣を持ってお邪魔しました

いつものごとく牡蠣あけの準備をし、殻付きを目の前で開けて…

食べ始めたら、まず殻をうまく持てない、持てても口に行く前にボロボロと。。。

牡蠣もったいないですし、口に運んでさしあげようとしたら結構強めに「ダメ!!!」と

ん…なんで?
もしかしてご家族か介護士でないとそういうことしてはダメってこと???…でもないらしい

なぜか…その答えはですね

もうほとんど動くこともできなかったのに、牡蠣が来たら起き上がり動けただけでも、どうやらスゴいことだったるしい

食べたい!という思いが、久しぶりにその方を突き動かした、と

でももし食べれてしまったら、叶ってしまったら…満足してしまったら…もう無理して起きようとはしないのではないか…

もう助からない…その日まで日々を過ごすだけ…

いまからトレーニングしたところで、リングにあがるわけでもなし

パソコンの勉強したところで、IT企業に就職するわけでもない

「食べたい!」と心から願うものがあるということ…そしてそれが「うまくいかないままにしておく」こと

それがその人にとって生きる理由となる

うまくいってしまったら、また「無為な時間」が待っているだけ…

牡蠣を食べたい!という思いから、また元気になるかもしれない…

結局1時間ほどですかね、牡蠣を開け続けて、最後は3個ほど食べてくれた

介護士さんいわく、15分くらいしか頑張れないとおもっていた、と

ふとゲームクリエイターだったことを思いだす

やる気どころか中毒にさえなるモチベーションを煽り、何回も何回も何回も失敗してもらいクリアを目指していただく

クリアできたら…もう終わり…エンディングが流れる

簡単すぎたらすぐ終わってしまう
難しすぎても諦めてしまう

なにより大事なのは「テンションが上がる」こと…「やる気」や「戦う理由」があること

モチベーションを創れたかどうか

あれから何年か月日がたち、
何度かそういうお仕事もいただいた

「それがあるから頑張れた!」だとか「ご褒美!」だとか…モチベーションになる作品を創れてるだろうか

創るのはモチベーションだけ…成し遂げる、ゴールするのはプレイヤー(お客様)…特に食べ物は

手に入れたいのに
なかなか手に入らなくて
毎日ワクワクしてるとき

それが一番楽しいときかもしれない

今日はそんなお話でした

本日もご拝読感謝🙏

人生最後に食べたい!と思っていただけるような牡蠣の開発や、そのための海護(アマモ)る活動をやっております👇

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