見出し画像

親となって思うこと 覚書

育児による時間や行動の制限はこれほど大きいものかと、親となって初めて知った。3時間おき、もしくはそれ以下の間隔での授乳。腕の中で眠る、布団に降ろす、泣き出す、を何ターンか。機嫌良くしていたかと思うと、姿が見えなくなると不安になって泣き出す。
授乳については乳児は胃袋がレモンほどの大きさしか無いらしいと知ってから、そのペースになるのも無理は無いなと思った。
約10ヶ月を過ごした真っ暗な羊水でぷかぷかと泳いでいたのが肺呼吸の世界に放り出され、本能のまま乳を吸い、笑みを浮かべ、排泄し、不快であれば泣いてそれを周りに知らせる。泣くことでしか意思を伝えられない、かつ自力ではどうすることもできないというのは、どれほど歯がゆいだろう。もうすぐ歯が生え始めると、本当の意味で歯がゆくなってくるけれど。
例え私自身の生活にいくらか不自由さがあったとしても、その何倍もの不自由さの中で生きるこの子の前では何も言えない。そもそもこの世に生まれてきたことさえ自分の意思とは全く関係が無いのだから。
少しでも心地良く、欲求を満たしてやることは、愛情といった恩着せがましいものでなく私の責務である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?