雨があがったら

名前、もちろん ネットで使うハンドルでもいい。
生年月日 これもお遊びだからネットデビューの日でもいいだろう。
ちなみに私は
donc これは2007年からネットで使用している私のハンドル。
2007年5月17日 これは donc 誕生の日
さてこの2つをこのページに。

The 葬式 

あなたのお葬式はこんな参列者でした。ご愁傷さまです

donc 享年77歳 

参列者は横に5人で3列の15人
一列目の中央3人は巨乳美女あとはマッチョで埋まっているが
三列目の右端に妻(3人目)がひっそりと。

思わず噴き出した。
77歳 喜寿かいいな。
巨乳美女とマッチョ。これもいいな。

男には肩パッドの入ったアメフットのユニホームを。
女にはチャイナドレスにスイカブラジャーを。
ドンキホーテのパーティグッズでなんとかなりそうだ。

あとは妻(3人目)だ。3人目といっても
まだ私は1人目も貰っていないのだ。

画面をのぞきこんで大笑いしている女に

「雨が上がったら婚姻届貰ってこい」

と思わず。まだ雨は激しい。

1週間降り続いた雨があがった。
女は役場に行ってもらってきた。
書くのは簡単だった。ハンコを押すのも。
ただ証人が2人要る。
女と俺はこの村では全くのよそ者。
挨拶ぐらいは交わしはするが。
ちょうど電話が鳴った。
修繕費の催促だった。
ちょうどいい 
「今日そっちいくよ ハンコはもってるだろ」
女の運転で彼の事務所に。
峠のトンネル越えて。

「あー めでたいことじゃないですか」と
修繕屋がいかつい顔をほころばせた。

それから街のショッピングモールへ。
書籍売り場に。そう俺の村には本屋がない。
亀之助の詩集を捜したが、
見つからなかった・・・・

夜ビールで女と乾杯。
また雨が。

「どこにあるの」
「車の中だろう」

雨音が激しい。僕らは酔いつぶれた。

翌朝も大雨、車の中を捜したがない。
どちらが持っていたんだ。
お前だ、あんただと。

「おまえはいつも小じっかりして俺に何にももたせないじゃないか。
切符だって鍵だって、このところ財布まで」
「シートフォルダーに入れてあんたの膝に置いたのよ」

大雨の中昨日行ったところを
だがあのいかつい顔の修繕屋には聞けない、言えない。
見つからない・・・・

「あんたあの女に未練があるからどこかにやったんでしょう」
「やめろ あいつは旦那のところに帰ったんだ」

女が泣き出した。

「あはは」
「何がおかしいのよ」
「みんなに笑われるな
 よりによってあれ失くすなんて!
 いつか俺らの笑い話にしよう」

「そうねまた雨ね」

「雨が上がったらまたもらってこい」

女は泣きながらうなづいた。

読み切り。投げ銭スタイル。

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