福島県立美術館で若冲展を見てきた

そんなわけで就業までの最後の春休みに一念発起して美術館に。一念発起するようなもんでもないけど。1500円で若冲展へ。今風に言えばガチの育ち良い京都の坊ちゃんなんすね。圧倒的文化資本のコミュ鬼。
まあ、そんな言葉なんて陳腐で、不要だ。もう死んでるしね。

よかった、というか印象に残ったもの。走り書き。

老松鸚鵡図→立体感のある白さ。鸚鵡の白さと松の木の緑とのコントラストが綺麗。魂が宿っていそう。

猿猴捉月図→めちゃめちゃ可愛い。マヌケで愛らしい。なぜこれのグッズないの。他のちゃんとした猿のやつならあったけども。

仙人掌図→さぼてん?江戸時代にあったのかな?中国の絵を模写したのかも

雪中はは鳥図→背中の哀愁的なやつを感じた←若冲は桜じゃなくて梅、猫じゃなくて犬、カラスじゃなくて中国の想像の鳥であるカラスっぽいハハ鳥を好んで描いたそう。スマホ変換に候補出てこないすね。

隠元豆に鶏図、群鶏図、ほか鶏関連→若冲、鶏好きだな。正面から鶏を見たときの首回りのモフモフ感がすき。ひよこも良い。見得を切る雄鶏。ある種の擬人化的な。あとお尻から見た絵もある。もふ感。抱っこしてえなあって思いますよ。

猿蟹図→猿の狡猾感と毛の硬質さが伝わってくる。それとカニの爪の強そうなこと。なぜそれで猿に負けちゃうのか。

蔬菜図押絵貼屏風→でかいキャンバスってか紙に野菜をたくさん並べて描くのが楽しくないわけがない、と思った。とくだん俺は椎茸の絵が好き。

双鶴・霊亀図、五百羅漢図→亀の甲羅の模様のカキコミってかグラデーション。羅漢さん?達が沢山居る様子もまた物凄く描きこまれている。

髑髏図→これは良いすよ。シック。ドクロで恐い感じは受けるんだけど、水木しげる妖怪チックな柔らかみのある、おとぼけのあるドクロ。

百犬図→これは間違いなくかわいいねえ。昔の犬ってわりあいブルドッグ的?数えたらたぶん55〜57匹くらい。こんもりした苔のような愛らしさがある。色々な柄で毛並みも分かるような印象を受ける。でもあれだね、犬って言われないと犬とは思わないかもね。熊とか、ネコとか、子ライオンみたい。古いところの垂れ耳狛犬ってこんな感じかな?

石峰寺図→立体感ハンパない。なんでこんなに直線を迷いなくひけるんだ…

蝶に狗子図→緩い縦割れカーブの後に、クロスファイヤーでインローにストレートって印象。視線を動かすのが楽しい。

象図→紙に目一杯パンパンに詰まった象の絵。いいね。丸っこくて。

白象群獣図→桝目にされててなんかモダンなような普遍的。観てて飽きない。象、辰?、黒豹?、リス?これはオサレ〜桝目描きというらしい。西陣織とかに影響を受けた?あとで調べます。

梅花図→色味の深さ。切れた枝に良さがある。

追記
常設展で印象に残ったよかったもの

岡村宇太郎
舞妓図→絵の陰影の説得力。帯と服のシワ、着物の黒。ラメラメっぽい絵の具。髪飾り、特に、瞳の周りの美しさは圧巻。飽きないね。

福王寺法林
バドガオンの月
ヒマラヤ山脈シリーズみたいな作品が有名な画家だそう。ヒマラヤ山の稜線に浮かぶ月のその優しい光り方と街の暖かな明るさ。何よりも夜の暗さを表しているブルーのグラデーションが綺麗。

橋本章→
印象的なエピソード、大意おおよその理解「本や音楽は人が時間をかけて味わってもらうものだが、絵とは人の一瞥に耐えられる強さのあるものでなくてはならない」
黒い毛布、休息する脱獄囚(絵画でなくオブジェ)
すごいものを見せられている。うむ。生誕何年だかの記念展らしい。全体的にグロテスクですね。戦争体験とか物質社会に対するなんたらかんたら。とにかくエネルギーが凄いっすね。正面から対峙すると体力を削られるような錯覚を覚えた

ベン・シャーン←アメリカの人
W.P.A.サンデー
味がある。左側の黒人の頬杖。たまらんね。
ラッキードラゴン→第五福竜丸の被害を描いてる
なんだろう、とても人情味が深い絵なんだよな。大らかなようで捉えられてしまう魅力。

アンドリュー・ワイエス
そよ風
スタイルの良いパツキン姉ちゃん、その孤独感と金髪のなびきの一本一本が美しいし、どこか寂しげで悲哀を感じる。殺風景でダークな部屋の片方と健康的なパツキン姉ちゃんとの対比が鮮やか。

浜田知明(はまだちめい
初年兵哀歌
これはね。もう言葉も出ないね。ただ、ただ泣けてくる。てか泣いてしまいましたよ、俺は。絵を見て、初めて泣いたかもしれない。ほんと皆さんもあとで検索してみてください。胸に詰まるものがある。

斎藤清、会津坂下町の人らしい。柳津?

凝視→めちゃめちゃ伸びてる猫。かわいい。フクロウにも見えるが猫。
青沼→美しい。草陰から青沼を望む。
霊峰(16),牧場(c)→めちゃめちゃ良い。観ていて落ち着く。しかしながら興奮もある。冷めた鍋のカレーをトロ火で温めて直しているような、ふつふつとして暖まるもの。そんな感じで心が動く気がする。
早春→シンプルな構図。好き。

秀島由己男ひでしまゆきお
3 cabbage
やばい。これ写真じゃねえの?いや、写真じゃ出ないよこれは。すご。ほかのデッサンも素敵だったけど、これが1番良かったかなあ。

伊藤若冲の猿猴捉月図、浜田知明の初年兵哀歌のこの2点が俺の中で非常に胸を打たれた作品でした。とりあえずスマホのホーム画面にしよう。

結局百犬図と白象群獣図のマグネットを買った。絵葉書は安いし綺麗だけどあんまり有効活用できないからマグネットが丁度いいのよね。冷蔵庫に貼れるし。
そんなわけでたまには良いものを観ないとね、ってことで美術館なんて行くのは大学の時以来でしたね。でも良いね。落ち着くね。県立美術館図書館は立地と建物からして素敵だからね。俺は絵心なんてないけどさ。あとコミュ力と教養を高めつつ、勇気を持って学芸員さんに質問してみたいすね。
んーと、あとなんか書こうとしたけど忘れました。思い出したら追記しよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?