ハードボイルドな飲み物

ボンドがウォッカドライマティーニにオリーブを頼むなら、日本のハードボイルドなら甲類焼酎お湯割りに梅干しなのではないだろうか。ウォッカもジンもそれなりにオトコクサイ酒だと思うから、ここは甲類で良いのだ。
格好をつけるなら「ショチュ&ウメバシ」、「ジャパニーズホットリキュール&ジャパニーズプラム」って言っておけば良いのか?

そして、松田優作か、菅原文太、勝新太郎あたりが、こうさ、居酒屋の主人に素っ気なく注文するんだ。
「常温のキンミヤを先に入れて、80度のお湯で1:3に割ってくれ。それから梅干しは焼いて包丁の腹で潰したものを最後に落として2回混ぜてくれよ」

果物をオカズとして食べるのにものすごく抵抗感があった。例えばバナナの炒めもの、パパイヤサラダ、焼いた肉にブルーベリーソース。しかしながら、ふと思い返してみると梅干しだってそうなのであった。しかもフルーツを調理の過程で味付けするのではなく、まんま塩やシソと一緒に漬け込んでしまう。それでゴハンを食べるのだ。もっとも、私は梅干しのオニギリは好みではないので、意見の一貫性は保てているようだ。

ところでフルーツを塩漬けにしたものは他に何があるのかと思い、オリーブの実はフルーツに該当するのではないかとの意見をもらった。たしかに、果樹である。普段は油になった状態で食することが多いが、そのまま塩水漬けになっていたりピクルスになっているものはそのまま食されたり、詰め物をして酒の肴に供されることもある。きっと地中海沿岸の地図を日本の地図記号で表したとするならば、オリーブ畑は果樹園マークなのである。

余談ではあるが、輸入食品店に売っているスナックオリーブは日本酒との相性が抜群に良いので、オリーブの実の味や風味が嫌いではないのなら、一度試していただきたい。好みに合わず、不味かったのなら、それらは刻んで別の料理に使うと良い。粉末マッシュポテトとアンチョビ、ニンニク、粒マスタードそれとマヨネーズと塩コショウでちょっとだけ雰囲気のあるポテトサラダになるのでオススメだ。

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