見出し画像

それは例えば人で溢れる地元の駅だったり

コロナで中止が続いていた市川市民納涼花火大会が4年ぶりに帰ってきた。

なんかもう、めちゃくちゃエモーショナルで凄く良かった。

毎年開催されてなんとなくで毎年見ていたものが、パタっとやらなくなると不思議なもんで、やっぱり大事な行事の一つだったよなと気付いたりもした。

地元の駅が人でごった返したり、虫除けスプレーのサラサラパウダーが服に付いちゃったり、西友の惣菜コーナーが花火大会仕様になったり、浴衣の中学生たちがミスドの前でたむろしてたり、あの居酒屋も今日だけは外でビール売ってたり、自転車の置けるスペースが無くて困ったり、向こうの道の方が空いてるよって迂回したり、土手が近づくと焦げたソースの香りがしてきたり、あっちでは子供が泣きこっちでは大人が大笑い、幾度となく見てきたこの風景たちが、なんだか愛おしく見えた。

かく言う自分も、土手に到着したのが打ち上げ開始5分前になってしまい、みんなが場所取りしててくれたシートを探して「どこだー!そうだ、スマホは繋がらなくなっちゃうんだった!やべー!」とてんやわんやの風景を描き、開会宣言をする市長のスピーチの横で「やっと来た!」「遅いよー!」「間に合ったー!」という毎年そこらでよく見ていた凡庸な登場人物の一人となった。

河川敷はすごい涼しくて、友達の子供らのおふざけに巻き込まれたり、ビールも唐揚げも美味しかったけど、やっぱりドン!と胸に響いてパラパラと消えていく主役の姿は最強だった。

もう20年ほど前だったか。

サッカー部の友達が、僕と仲の良かったクラスの女子のことを好きで、じゃあ花火大会一緒に行こうよとセッティングしたものの、人でごった返す花火会場で携帯の電波がまともに機能するわけがなく、合流出来た頃には花火も終わってしまっていた、ということがあった。

花火は一緒に見れなかったものの、その後二人はディズニーでデートしたとか何とか聞いて、結局付き合ったんだったけな?よく覚えていないが、今はもうそれぞれ別の人と結婚した。

そんな夏がそこにいる何十万という人たちそれぞれに毎年あって、それをずっと見てきた江戸川の流れは偉大だなぁとそれを肴にまたレモンサワーの缶を傾けたのだった。

花火師含め運営の皆さんありがとう。


来年も見られますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?