レーシック手術をする医者がメガネを掛けている理由

レーシックをやらない人。理由はたくさんあると思う。目にレーザーを当てられるのが怖い。料金が高い。失敗する確率もある。しかし、「レーシック手術を担当する医者がメガネを掛けているから」という理由で手術をしないことを選択する人がいるらしい。レーシックに一番詳しい人間がやらないのは、詳しい人間にしか知られていないリスクがあるからだ、と。twitterでも多くの共感を得ている。

実際に手術をする医者の気持ちになれば、レーシック手術をしない理由がわかる。自分がいちばん上手だからだ。自分と比べ、相対的にレベルの低い人に手術を任せるのは、違う意味で怖い。

何回も手術を行う過程で、レーシック手術がどれだけ難しい手術であるかをよく理解している。周りにいる他の医者のレベルも、一般人では判断できないくらいの「レベルの差異」を感じ取ることが出来る。

0.001%でも失敗する可能性があるのであれば、自分が手術したいと思うのは当然だ。漫画『ブラックジャック』でも自分の膝を自らメスを入れるシーンがある。周りに医者はいるのだが、ブラックジャックは「自分が手術したほうが上手い」と言って、他の医者に手術されるのを頑なに拒否した。

今回のケースは、自分の目を手術するわけだから、自分では出来ない。必然、他人に任せるしか無い。その他人も自分より下手なのだ。レーシックをするという判断が出来ないのも納得出来る。

ぼくが銀行員だった時、融資をする傍ら投資信託を売っていたこともあった。しかし、ぼくは投資信託を持っていなかった。投資信託で儲けられると思わなかったからだ。この場合「銀行員が投資信託を持っていないから、私は投資信託を買わない」という判断は正しい。本当に儲けるのであればお金のプロである銀行員が持たないわけがない。

物事には「法則」があるようでない。今回の目医者のレーシックとぼくの投資信託は、同じようで、ちょっと違う。この違いを判別することが出来る目を養いたい。現実を正しく理解できなければ、正しい判断を下すことは出来ない。

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