人間失格
http://ningenshikkaku-movie.com/
【太宰治は、ブッダと同じことを語っている。】
小栗旬と沢尻エリカのエロスが、私を30年ぶりに太宰の作品へと誘った。
「人間失格」
「斜陽」
「ヴァイヨンの妻」
「走れメロス」
「人間失格」で太宰は、以下のように語っている。
‘いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ一さいは過ぎていきます。’
一方でブッダは、以下のように語っている。
‘この世のすべてには、常はない。全ては移り変わる。’
太宰は堕落しきった(本作で藤原竜也演じる坂口安吾「堕落論」については、一考が必要。)生活のなかで、
悟りのような境地に達したのか?
それとも、仏道にすがろうとしたのか?
いまとなっては、誰も知る由もない。
しかしながら、太宰が堕ちて堕ちきったところに、その真実を垣間見たことは、確かであると私は思う。
きっと。
村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の主人公、リリアンが垣間見た世界に似ている。
堕落の底の生活。
酒に浸り、ドラッグに溺れ、異性に堕ちきった生活。
その地獄に堕ちたところで、リリアンは、透明に近いキラキラした世界を見つけ出した。
(蛇足をお許し頂き)
太宰の享年を、とうに過ぎだ私、一個人が思うこと。
欲を貪り、満たし続けようとし、堕落し続けた男は、
死の瞬間も、死後も、異性に抱かれ続けていた。
美人美容師。さっちゃんこと、山崎富栄。
なんとも、うらやましい限りである。
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