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「行間にて」が再録!?

1. 青二才
2. 水泡
3. 劣等
4. she see sea
5. 可憐な花
6. 故郷

2016.4.20 Release

初めての全国流通として発売されたミニアルバム「行間にて」
これが8年の歳月を経て再録配信リリースされるという。
そしてそれに伴う「行間にてツアー」が東名阪で開催される。
当時から聴いていたファンも、少しの間離れていたファンも、最近知ったファンにとっても体感したいツアーであることは間違いなく、小さすぎるキャパに申し込みは殺到した。

そのキャパでの開催は当時を再現するべく今の自分たちの演奏力であのツアーをもう一度やろうという意図でもあるのか、それにしても小さすぎて私は自力では1ヶ所も確保できなかった。

当時からずっと追いかけてきた私にとってはどの曲も何度もライブで聴いてきた愛すべき曲達でそれぞれに蘇る景色もある。
3人になった今は特にライブでその頃の曲を演ってくれるととてもテンションが上がる。
過去曲はもう聴けないのでは、とすら思っていたので。

先立って2023年に再録されたこのアルバム曲の「故郷」の他にも「東京」「道化の涙」「青写真」「+」などの過去曲も再録され新しいアルバムに収録されたり配信リリースされたり特典として発表されたりした。

旧作の素朴さ荒削りさ未完成さはもちろんそれはそれで当時の彼らを感じられて良い。でもやっぱり演奏も歌もライブで培ってきた表現力には敵わないと思うし、機材も録音技術も格段と上がっているから旧作よりも聴いていて心地が良い。

再録の発表を受け、当初はかなりアレンジがされるものと思っていたけれどその後のメンバーインタビューでそこまでのアレンジはせず、当時の曲をそのままに今の技術面や演奏力、歌唱力で再録したと知る。
その小さな変化を私はどう感じるのか感じられるのか。

福島さんがインタビューで当時の悔しさを語っていた。

ー「行間にて」のマスタリングまで終わった時に「こんな筈じゃなかった」って僕泣いちゃって…

当時は何をすれば納得いくのかそれすらもわからないままだったという。

アルバムを丸ごと再録するというこの挑戦には反対意見も見受けられた。
それは脱退した大島さんのギターではないという寂しさがあるからだと推測する。
今でも大島さんの脱退を受け入れられないでいるファンも多い。

ライブで時々過去曲を演ると、大島さんはもっとこういう感じだったなみたいな違いは私でも感じる時がある。大島さんのジャズマスターが好きだった。主張しすぎないのに存在感がある音が好きだった。
最初の頃はそれが寂しくて堪らなかったけど自然とこの感じも悪くないなと思えるようになり、今ではこっちの方が好きかも…くらいの時もある。

4人のIvyに囚われ続けて変化を受け入れられず、そっと離れることもできず、行き場のない想いをぶつけたくなるのかもしれない。
それだけ4人の、当時の彼らや音楽を愛しているからこその想い。自分の思い出も重ねて大切にしているからこその想い。
そんな人達にもいつかきっと今のIvyの音楽やメンバーの想いが届く事を願いたい。

当時の「行間にて」リリースツアー、結構な対バン相手が名を連ねている。

2016年に行われたリリースツアー

そして東京ワンマンの後に追加公演として渋谷QUATTROでも開催された。


私が行けたのは静岡、千葉、松本、東京ワンマン、追加公演の5ヶ所

この静岡公演で初めて寺口くんの幸せそうな笑顔を見た。
それまで尖り散らしていたIvyのライブとは違い、
「青二才」で中指を立てつつも幸せを再確認するかのように「故郷」で「これで良かったんだ」と笑顔で歌う。
「水泡」では改めて歌唱力を見せつけ、「she see sea」は客先にクラップを煽るようになり、
「劣等」ではこれまでのIvyの中で一番明るい歌と言いながらハンドマイクのコードを首に巻きつけながら楽しそうに歌う。
「可憐な花」は私の行ったツアーでは殆ど演らなかったけど初めてリョウタロウさんが鍵盤を演奏した記念すべき曲でもあり、それまでのIvyには似合わないピンクの照明が使われたりもした。

「行間にて」というアルバムは、それまでの怒りが全面に押し出されていたIvyのステージに、柔らかい表情をつけてくれたアルバムだと私は思っている。
追加公演のQUATTROで私は初めて号泣した。我が子の卒業式を見ているようなそんな気分だったのを覚えている(←何目線)

「行間にてツアー」はそれだけ私にとっても特別なツアーでありアルバム。
それが今のメンバーで再録され、ツアーが開催される。
当時の彼らの面影を感じつつ強さや頼もしさが加わったステージが観れると思うとワクワクしてくる。
叶うことなら本当に全通したかった。

実際、再録よりは新曲を求めてしまうのがファンの心理だと思う。
なぜ今過去のアルバムを再録しようと思ったのかなぜ「行間にて」だったのか、単純に知りたかった。
寺口くんのSNSでの呟きやメンバーのインタビュー動画を見てその思いを知る。

過去曲の作品を未完成だと言い切って、今の自分たちならもっと表現できるのではないかと語るところはミュージシャンというよりアーティストなんだなと改めて思った。作品への拘りは芸術家そのもの。
メンバーの過去曲に対する愛情を感じて、あのアルバムをどんなふうに蘇らせてくれるのだろうとますます楽しみになった。

「やりたいからやる」

その気持ちが続く限り私はずっとIvyから離れられないのだろうなとつくづく思う。
売れたいと足掻き続けるIvyからこれからも目が離せない。
どこまでも魅力的なバンド
「行間にて2024」がリリースされたらたくさん聴き込んで素直な感想をまた綴りたいと思う。

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