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DJイベントdROP THE bASEの舞台裏

2021/6/20に私Dolphiiiin初の単独開催となったDJイベント
DJ club ~dROP THE bASE~ Vol.1を開催しました。

今までには謎部えむさん主催のDJイベント「幸甚亭ライブ」に何度か出演しましたが、今回は演出・DJ・運営すべてを単独で行ったイベントでした

clusterとDJ

今まではあったとしても幸甚亭ライブでDJを自分かえむさんがやる程度でした
しかしながら、最近になって急激にDJイベントの開催数・DJを始めた人が増えました
(軽く今月は10回は開催されてる...)
clusterのイベントではJASRACとNexToneの包括契約により、ホワイトな音楽イベントの開催が実現できるのもDJイベントの開催の手軽さの一つといえるでしょう

なぜclusterでDJイベントをするのか

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オンライン開催のDJイベントは基本的にYoutubeやTwitchでのライブ配信によるものが主流だと思います。
しかしそれでは参加者とDJの関係性が薄くなってしまいます
DJは映像で参加者はテキスト
DJは映像で表現することで非常に多くの情報量があります
しかし、視聴者にはテキストチャットです
映像とテキストに含まれる情報量を比較するとそれらの差は歴然です

これをclusterに置き換えた場合はどうなるでしょうか

clusterの場合はバーチャルなスペースに参加者もDJも同じ空間に入り、同じものを目にすることができ、DJも視聴者も同じ環境で参加することができる
いえ、参加している環境を作り上げることが可能です
バーチャル空間で動き回り、DJと同じ環境で参加する
これらは現実で行われるDJイベントと何ら差はありません

それ以上にバーチャルであるがために、現実では不可能な様々な演出・体験を提供することが可能です

・家にいながらも参加できる
・天候/場所の制約を受けない
・無理のある設計のイベント会場
・予算ゼロのイベント開催

これらのことを視野にいれた場合、リアルでのイベント開催よりもメリットが多く存在します

別にリアルイベントがだめというわけでもない

リアルイベントにもバーチャルを上回るいいところもあるでしょう

ここでは音響を例に考えてみましょう

まずバーチャルでの開催ということは、各自のパソコン、スマホなどを使用して参加するために、視聴するための環境は人それぞれです。

・ゴリゴリな音響機材を使用して低音を増強して聞いている環境
・スマホの小さいスピーカーを通して聞いている人

これらの差は歴然です

しかしリアルの環境・ステージに行くことで、完全に同じ環境を共有することができるため、完全に同じユーザー体験を全員で得ることが可能でしょう。

しかし今の社会状況を考えた場合
コロナという大きな壁が立ちはだかります。
その結果、バーチャルイベントを選択する理由になります。

イベント会場の設計

clusterにはデフォルトでライブハウスというイベント会場が存在します
音楽イベント向けに設計されているようで、中の照明は会場内で流れている音に反応して色などが変化するというこの会場でしか使用できない特別な機能もあります。

しかし、やはり物足りないのです。
すでに用意されているものに手を加えることは難しい。
というわけで、会場を作ります。
(ワールドを普段から作ってるから作りたかったってのもある...)

ステージの制御

今回のイベント会場は主に照明を作りこみました
ステージのライティングの知識は、DJ機材を買ったときにもらった照明機材のカタログを読んで多分こんな感じだろうといった程度です。

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照明の設備としては主に

・ムービングスポット x4
・パーライト x8
・スモーク (天井と床)
・壁面のライトパネル(名前がわからんかった)
・炎のパーティクル

使ったアセット

ビームライトシェーダー / BeamLightShader (¥900)
ムービングスポットとパーライトのモデルとシェーダーはこちらを使ってます

LazyFog (FREE)
スモークに使ったパーティクルのアセット

Volumetric Lines (FREE)
壁面のライトに使ったアセット

Procedural fire (FREE)
炎のパーティクルに使ったアセット

こんな感じで実際にはほとんど無料のアセットを使ってました

エフェクト

この会場では主にPostProcessing (PP) を空間を暗くするためのエフェクトとしてかけています
ライトで暗くするのもいいのですが、PPを使用することで、ライト以上にきれいに暗くできます

PPなしの場合

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PPありの場合

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PPではColorGradingを使用してガンマ値を下げています

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BlumeやAmbient Oculusionの導入も考えましたが、負荷軽減のためにあえて導入していません
(余談ですが、軽量化を割と意識していて、このワールドのサイズは8MBに抑えました)

照明の操作

この照明動きます

ムービングライト

・オン/オフ
・回転 (BPM90/120/150/180/200から指定)
・フェードイン・フェードアウト
・色の変更 (赤/緑/橙/青/黄/黄緑/水色/白)

パーライト

・オン/オフ
・色の変更 (赤/緑/橙/青/黄/黄緑/水色/白)
・フェードイン・フェードアウト

などなど...これらはWebトリガーからも操作することができて、
これらを組み合わせて演出を行っています。

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照明のシーケンス

今回のイベントはワンオペです
照明の操作をだれかに委託することはできません
(できたとしてもこのWebトリガーの量は人力ではちょっとね...)

そこで、ツールを開発しました
MIDItoWebTriggerです

名前の通りWebトリガーをMIDIで制御するためのツールです
図にするとこんな感じです

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MIDIデバイスにはLauncpadを使用しました
こざくら餅が大量に整列したようなパッドです

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このパッドをたたくと、PC上に起動したChrome上に表示したWebトリガーを操作することができます。

マウスでええやん

マウスじゃだめです
マウスだと一つ一つのボタンまでにカーソルを持っていくのに時間がかかってしまい、それに同時に1つまでしか押せません
しかし、このツールを使用することで、何本もの指などを使って同時押し
(厳密にいえばものすごいスピードでボタンを押してる)
することが可能です

MIDIデバイスじゃなくても...

MIDIデバイスで操作できるだけではありません
DAW(作曲ソフト)で、Webトリガーを操作をプログラムできます

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DAWのMIDIトラックのMIDI送信先を仮想MIDIデバイス (今回はloopMIDI)
この場合はこんな感じの流れになります

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実際の操作画面

Unityのタイムラインで曲に合わせてシーケンスするのもいいですが、分/秒を基準にしているため、音楽に合わせるのは至難の業です
しかし、DAWの場合BPMを設定することで小節基準でシーケンスを組むことが可能です

こんな感じに照明を動かせます
(音がないですが、実際には音楽に連動して照明が動いてます)

Unityでもしシーケンスを組んだとしたら、修正した後に実環境で検証するにはアップロードする時間を要します。
しかし、今回のこのツールを使った場合はその手順がいらず、本番環境を実際にコントロールしながらシーケンスを組んだり、すぐに通しでの確認作業なども可能です。

こんな感じにステージを制御していました

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(ワールドの入口の場所 わりとこの場所好き)

DJ club ~dROP THE bASE~のこれから

イベントに参加してくださった方々本当にありがとうございます!
このイベントはVol.1ということで次回も予定しています
できれば2カ月に1回ペースでやりたいと考えていて、そのたびに会場がパワーアップするかも...?

これからは自分ひとりじゃなくて、他のDJの方もお呼びしてイベントをしたりもしたいです
(だれかやってくれる人...)

あと、もしこのステージを私のイベントで使いたい!という方、
照明のシーケンス含め、サポートできることはさせていただくので、ご連絡ください

写真とツイート紹介

実際写真全然とってなかった...

開催前のステージから

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イベント終了後にロビーで

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照明がイイ...

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