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桜子について

桜子は私が初めて飼った犬の名前です。
いわゆる犬っぽくない名前にしたかったので
人間の名前にしました。
桜子がまだ子供で公園に遊びに行っていた頃に
初老の紳士に名前を聞かれ「うちの孫と同じです」と
言われた時はきまずかったです。
2005年6月生まれでうちにきたのが9月の終わり。
当時あまり出回っていなかったシルバーのトイプードルを
探すのに、リサーチャーになれるとまで言われた力の全てを
注いで、探しました。
SNSもない時代にとにかくネットで見ては電話して、
たどり着いたのが川越にあるお店でした。
反対していた父が折れて迎える準備を整えて、
飛行機で羽田、そこから川越まで向かいました。
川越のショップではブリードはしておらず
少し離れた専用の家でやっているそうで、
車で15分くらいの場所にそれはありました。
候補の子が二匹いて、桜子ともう一匹は
どう見ても家庭用とは程遠い、見目麗しい姿でした。
聞くと、ショードックの予定がサイズが大きくならなくて
お譲りの候補になったそうです。
どっちがうちの子か、少々悩みました。
そしてどう見てもちょっと垂れ目でいかにもな桜子に
決めました。
見目麗しい子にはきっと相応しい家がある事でしょう。
ウチのような庶民の家には似合わなかったです。
翌朝までにお店の方に桜子を移動させて
おくそうで、私は川越で一泊しました。

翌日、お店に行ってみると、そこでも数匹のプードルが
暮らしているのですが、そこに混じって一緒に吠えていて
これは相当な性格だなと思いました。
オーナーさんから渡される時に
「ヤンチャですよ」と言われて、ちょっと覚悟しました。
けしておっとり姫ではないと。

それから、私が準備していた布製のバックより
キャリーケースが良いと言われて
お店のを貸してくださり、長旅なので
シーツを5枚も引いてもらって
広島までの初めての旅が始まりました。
まず、東武線でJR線まで出て、中央線の方が早いのですが
混雑を考えて山手線でぐるりと回って
浜松町、モノレール、空港とつきました。
途中巣鴨あたりで桜子が粗相をしてそれの片付けのために
一度下車しました。
当時の桜子の体重は約600g
東武線に乗る前にホームでおじさんに「猫かと思った」と
言われるほど小さく。頼りなかったです。
羽田について、時間より相当早かったのですが、
早く桜子をあづけるのが怖くて
お店で桜子のおもちゃになりそうなちいさなぬいぐるみを買ったり
私が無事に空港まで着いたらお腹が空いてしまって、
桜子が入れないので、テラスで食べられる軽食を頼んで
休憩したり。
そうこうしているうちに手続きの締切間際になったので
桜子を連れて、あずける手配をしました。
グランドホステスさんが「かわいー」と覗き込んだ時に
すでに親ばかで「そう、可愛いの」と思ったりして
うちの子になっていました。
双方とも無事に機上の人になり、1時間ちょっとで
広島空港に着いたのですが、ここからがまた一苦労で、
だいぶ前に手狭になった市内の空港を某政治家が
家が近いからと山奥に移転させたために市内まで
リムジンバスで」1時間はかかります。
友人の話では法定速度で走ったらもっとかかるらしく
バスは治外法権で飛ばしている様子です。
カーゴから出て来た桜子は案外にも元気そうで
フライトで消耗するかと思っていたので
ちょっとホッとしました。
そしてリムジンバスに乗って市内まで行きました。
お互い長旅で疲れていたのか
この1時間はぐっすり寝てしまいました。
市内まで」もどれば家はすぐです。
家について両親が恐々ながらもの珍しそうに眺めて
いました。
こうして桜子は我が家の末っ子になりました、

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